Scientific Column: Fuel Science
「ガソリンの色」は本来、透明である
~液体に付けられた“社会的記号”の正体~
ガソリンはオレンジ色、軽油は薄黄色……。
私たちは当たり前のようにそう認識していますが、実はこれ、「本来の色」ではありません。原油を精製して作られた直後のガソリンは、水のように無色透明なのです。
![]()
🍊 ガソリンが「オレンジ」なのは、命を守るため
JIS規格(日本産業規格)により、自動車用ガソリンは「オレンジ色」に着色することが義務付けられています。
その最大の理由は、同じ透明な液体である「灯油」との誤認を防ぐためです。
🧪 「色」は脱税を防ぐマーカーでもある
軽油(ディーゼル燃料)と灯油は、化学的には非常に近い性質を持っています。しかし、日本においてはかかる税金が大きく異なります。
「クマリン」という見えない色
不正軽油(灯油やA重油を軽油に混ぜて税金を逃れる行為)を防ぐため、灯油や重油には特殊な識別剤「クマリン」が添加されています。クマリン自体は無色ですが、特定の試薬に反応すると鮮やかな「桃色」に発光します。これにより、燃料タンクを抜打ち検査した際、不正に混ぜられた灯油を一瞬で見抜くことができるのです。
📍 国内の燃料識別ルール
| 燃料種別 | 着色(識別) | 目的 |
|---|---|---|
| ガソリン | オレンジ色 | 灯油との誤認防止(安全) |
| 灯油 | 無色透明 | ガソリンとの差別化 |
| 軽油 | 微黄色 (淡黄色) |
本来の色に近い(識別剤あり) |
結論:色は「言語」である
燃料の色は、ただの着色ではありません。それは「間違えるな」という警告であり、「税を逃れるな」という法的な境界線でもあります。次にガソリンを給油する際、そのオレンジ色に込められた膨大な社会的コストと安全への願いを、少しだけ思い出してみてください。
お車の「燃料」に関わるトラブルもご相談ください
燃料の入れ間違いによる故障や、長期放置によるガソリンの劣化(腐敗)でお困りの際も、私たちはプロの視点でお力になります。
廃車ひきとり110番
知識と技術で、あなたのカーライフの「出口」を支えます。