ETCゲートが開かない!通過してしまった時に「絶対にやってはいけないこと」
ETCカードの挿し忘れや有効期限切れ、あるいは通信エラーなどでゲートのバーが開かなかったとき、多くのドライバーは「大変なことをしてしまった!」とパニックに陥ります。しかし、そこで焦って誤った行動をとることこそが、命に関わる重大な事故を招く原因となります。
高速道路の料金所付近は自動化・専用化が進み、後続車も高い速度で進入してくる傾向があります。
まずは落ち着いて、二次被害を防ぐための「3つの禁忌」を徹底してください。

急ブレーキやバック(後退)は厳禁!後続車との衝突事故を防ぐ
ゲートが開かなかった瞬間に反射的に「急ブレーキ」を踏んで停止するのは非常に危険です。
後続のドライバーは「ゲートは開くもの」と思い込んで続いてくるため、急停止すると追突される恐れが極めて高くなります。
また、最もやってはいけないのが「バック(後退)」してやり直そうとすることです。高速道路本線だけでなく、料金所敷地内での逆走も厳しく禁じられており、何より後続車と正面衝突する危険があります。バーが開かずに通過してしまったら、そのまま前方へ進むのが唯一の安全な選択です。通行料金の未払いは後ほど解決できますが、失った命は戻りません。
最新ルール:ゲート付近での降車も極めて危険
バーを突破してしまった後、慌てて路肩に停め、係員を呼ぼうと車外に出る行為も絶対にやめてください。
隣のレーンを時速20km〜40kmで通過する他車からは、歩いている人の姿は見えにくく、はねられる事故が多発しています。
交通ルールにおいて、料金所付近での歩行は「本線上の歩行」と同等のリスクがあるとされています。車両に異常がない限り、ゲート付近で車から降りることはせず、車内にとどまって安全を確保してください。
まずはそのまま走行し、安全な場所(SA・PA)へ移動する
「このまま走り続けたら逃亡したと思われるのでは?」と不安になるかもしれませんが、安心してください。故意でない通過であれば、後ほど速やかに申告することで問題なく処理されます。
ゲートを通過した後は、無理に路肩へ寄せようとせず、周囲の安全を確認しながら本線へと合流してください。そして、最初に見つかるサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に立ち寄り、車を停めて落ち着ける場所を確保しましょう。
SA・PAに設置されている「ハイウェイ事務所」や、係員のいるインフォメーションカウンターへ相談するか、スマートフォンで後述する「専用窓口」へ連絡することで、未払い分の精算手続きを進めることができます。まずは「安全な場所へ移動すること」がトラブル解決への最短ルートです。
なぜ開かなかった?よくある「うっかり原因」のセルフチェック
ETCゲートが開かないトラブルのほとんどは、ドライバーの悪意ではなく、日常的な「確認不足」や「機械のエラー」が原因です。
自己申告を行う際にも「なぜ開かなかったのか」を伝える必要があるため、まずは車を安全な場所に停めて、原因を特定しましょう。
ETCカードの挿し忘れ・挿し込み不備
ゲートが開かない原因として最も多いのが、カードの未挿入です。特に以下のようなケースで「うっかり」が発生しやすくなっています。
- 別の車への差し替え忘れ:複数の車を所有している方や、レンタカー・カーシェアを利用した後にカードを抜き、自分の車に戻し忘れた。
- 挿し込みが甘い(接触不良):カードを挿したつもりでも、奥までカチッと入っておらず、車載器が認識していなかった。
- カードの裏表・前後逆:急いで挿入した際に、ICチップの向きを間違えていた。
車載器は、カードが正しく挿入されていないと警告音やランプの点滅で知らせてくれるものがほとんどです。走行前に「ピッ」という認証音を確認する習慣をつけましょう。

意外と多い「カード有効期限」の超過
クレジットカードと同じく、ETCカードにも有効期限があります。普段問題なく使えているとつい見落としがちですが、有効期限が切れたカードはゲートのアンテナと通信ができないため、バーは開きません。
ここが落とし穴
「新しいカードが郵送されてきたけれど、車に挿しっぱなしのカードを交換するのを忘れていた」というミスが非常に目立ちます。特に、数年単位の更新時期は要注意です。今一度、カード表面の「月/年」の印字を確認してみてください。
通信エラーや、前走車との車間距離不足による作動ミス
自分自身のミスではなく、システム上の問題で開かないケースも稀にあります。
- 車間距離が近すぎる:前の車とぴったりくっついてゲートに入ると、アンテナが「一台の長い車」として誤認したり、前の車の処理が終わる前に通信しようとしてエラーになることがあります。
- 車載器の故障・汚れ:車載器自体が古くなって故障していたり、ICチップ部分が汚れていて読み取りエラーが発生したりすることがあります。
- 周辺機器の干渉:ドライブレコーダーや他の電子機器の電波干渉により、一時的に通信が遮断されることもゼロではありません。
高速道路利用において推奨されている「時速20km以下の徐行」と「十分な車間距離」を守ることは、こうした機械的なエラーを防ぐためにも非常に重要です。原因がわかったら、次は速やかに「未払いの解消」に向けた手続きに進みましょう。
【重要】「不正通行」にされないための3ステップ・自己申告の手順
ETCゲートを通過してしまった際、最も大切なのは「放置しないこと」です。意図せず通過してしまった場合でも、そのまま連絡をせずに放置し続けると、悪質な「不正通行」とみなされ、厳しい罰則の対象となる恐れがあります。
しかし、速やかに自己申告を行えば、通常の通行料金を支払うだけで円満に解決できます。手続きは非常に簡略化されていますので、以下の3ステップに沿って対応しましょう。
ステップ1:利用した高速道路会社の窓口(電話・Web)を確認
まずは、通過してしまったゲートを管轄している高速道路会社がどこかを確認しましょう。日本国内の高速道路は、主に以下の会社が管理しています。
- NEXCO東日本・中日本・西日本:全国の主要な高速道路
- 首都高速・阪神高速・名古屋高速:都市圏の高速道路
- 本州四国連絡高速道路:本州と四国を結ぶ橋・道路
「どこの会社かわからない」という場合は、通過したインターチェンジ(IC)の名前や、付近の大きな地名をメモして検索すれば、管轄会社の「未払い料金申告フォーム」や電話窓口がすぐに見つかります。

ステップ2:車両情報(ナンバー)と通過時間をメモする
申告を行う際、道路会社側が該当の車両を特定するために以下の情報が必要となります。電話をかける前にメモを用意しておきましょう。
- 車両のナンバープレート情報:(例:品川 500 あ 12-34)※地名から数字まですべて
- 通過した日時と場所:「〇月〇日の〇時頃」「〇〇インターチェンジの入口(または出口)」
- 使用していたETCカード番号:カード不備の場合は、そのカードの番号を伝えるとスムーズです。
- 車種:軽自動車、普通車、大型車などの区分。
料金所はAIカメラによる車両特定精度が非常に高いため、正確な情報を伝えれば、オペレーターがすぐに該当の通行記録を見つけてくれます。
ステップ3:当日または数日以内に「事後支払い」の手続きを行う
窓口に連絡をすると、具体的な支払い方法が案内されます。一般的には、以下のいずれかの方法で精算することになります。
- 銀行振込:指定された口座へ通行料金を振り込む。
- コンビニ支払い:後日郵送されてくる納付書(払込票)を使って支払う。
- 現金支払い:近くの有人料金所やサービスエリアの事務所へ直接出向いて支払う(※要事前相談)。
ここがポイント
自己申告は、通過した当日、遅くとも数日以内に行うのが鉄則です。迅速に対応すれば「過失(うっかりミス)」として処理され、本来の料金以上の支払いを求められることはありません。不安な時間を過ごすより、一本の電話やWeb申告で早めに解決してしまいましょう。
NEXCO・首都高など「連絡先・専用入力フォーム」一覧
ETCカードの未挿入やエラーでゲートを通過してしまった際、最も確実な解決方法は「各道路会社が用意している専用窓口」への自己申告です。多くの道路会社では、電話だけでなくスマートフォンから24時間いつでも申告できる「Web専用フォーム」の活用を推奨しています。
利用した区間の管理会社を確認し、以下のリンクまたは電話番号から速やかに手続きを進めましょう。
NEXCO東日本・中日本・西日本の「未払い申告」窓口
日本全国の主要な高速道路を管理するNEXCO3社では、24時間年中無休で対応するカスタマーセンターに加え、Web上での精算受付を強化しています。
電話が混雑している場合でも、Webフォームなら数分で申告を完了させることが可能です。
| 管理会社 | 24時間Web申告・詳細案内 | 電話番号 |
|---|---|---|
| NEXCO東日本 | 申告フォームへ | 0570-024-024 |
| NEXCO中日本 | 申告フォームへ | 0120-922-229 |
| NEXCO西日本 | 申告フォームへ | 0120-924-863 |
まずは安全な場所からWeb申告を行い、案内に従って振込や払込票での精算を行いましょう。サービスエリア(SA)等のコンシェルジュカウンターでも相談を受け付けています。
首都高速・阪神高速など都市高速の場合の連絡先
出口料金所がない区間の多い都市高速では、申告時に「どの入口から入り、どの出口で降りたか」というルート特定が不可欠です。
AIカメラの導入により、通過時刻と車両ナンバーを伝えるだけで、正確な通行料金を即座に算出してもらえるようになっています。
| 都市高速名 | 事後お支払い・申告案内 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 首都高速 | 事後支払案内へ | 03-6667-5855 |
| 阪神高速 | 未払い申告窓口へ | 06-6576-1484 |
| 本四連絡高速 | 精算案内へ | 078-291-1033 |
名古屋高速や広島高速なども、各公式サイトの「未払い申告」項目から同様に手続きが可能です。
最新:スマホから24時間申告可能なWeb窓口の活用
各道路会社は電話の混雑を避け、ドライバーの利便性を高めるために「スマートフォン専用申告システム」の活用を強力に推進しています。
Web申告には電話にはない多くのメリットがあります。

- 待ち時間ゼロ:電話窓口の営業時間を気にせず、SA・PAなどでの休憩中にその場で手続きを終えられます。
- 正確な情報の送信:車両のナンバーだけでなく、車検証の画像や通過したゲートの写真をアップロードできるため、入力ミスによるトラブルを防げます。
- 多様なキャッシュレス決済:申告後、そのままクレジットカードやPayPay等のQRコード決済で通行料金を支払えるケースが増えており、銀行振込の手間も不要になりつつあります。
「明日でいいか」と放置するほど、記憶が曖昧になり「逃げた」とみなされるリスクが高まります。安全な場所に停車したら、まずはスマホから専用フォームへアクセス。これがトラブルを最小限に抑えるための現代のスタンダードです。
早めの連絡で安心!自己申告すれば「3倍請求」は怖くない
ETCゲートを意図せず通過してしまった際、多くのドライバーが最も不安に思うのが「高額な罰金を請求されるのではないか?」という点です。
ニュースなどで「通行料金の3倍を請求」という言葉を聞くと恐ろしくなりますが、これには明確な適用基準があります。
正しい知識を持ち、誠実に対応すれば、過度な支払いを恐れる必要はありません。
「過失」であれば割増金(3倍請求)の対象にはならない
高速道路会社が定める「割増金」の制度は、本来支払うべき料金に加え、その2倍の金額(つまり合計3倍)を徴収できるというものです。しかし、これはあくまで「悪質な不正通行(料金逃れ)」を目的とした者に対するペナルティです。
- 自己申告した場合:カードの挿し忘れや有効期限切れなど、明らかな「過失(うっかりミス)」であり、自ら連絡をして支払う意思を示せば、請求されるのは「通常の通行料金のみ」です。
- 割増金の対象となるケース:係員の停止指示を無視して逃走したり、ナンバープレートを隠したり、再三の督促を無視し続けたりするなど、悪質性が高いと判断された場合に適用されます。
「3倍請求」は、逃げ得を許さないための厳しい措置です。うっかりミスをしてしまった善良なドライバーであれば、速やかに申告することで、通常の料金精算としてスムーズに処理してもらえます。

拡大中の「ETC専用料金所」に誤進入してしまった場合の対処法
都市部を中心に「現金での支払いが一切できないETC専用料金所」が急増しています。ETC車載器を搭載していない車や、カードを忘れた状態で誤ってこの専用レーンに進入してしまった場合、以下の手順で落ち着いて対応しましょう。
- 「ETC/サポート」レーンへ進む:専用料金所には、トラブル対応用の「サポート」と書かれたレーンが設置されています。そこへ進入し、停車してください。
- インターホンで係員を呼ぶ:レーン脇のインターホンを押し、事情を説明します。係員の指示に従い、「通行受取券」を受け取るか、後日の支払い依頼書を受け取ります。
- すでに通過してしまった場合:もしサポートレーンで止まれずに通過してしまったら、これまでに解説した「Webフォーム」や「カスタマーセンター」へ、当日中に必ず連絡を入れてください。
「専用とは知らなかった」「入ってしまったものは仕方ない」と放置せず、ルールに従って後日精算を行うことで、法的なトラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ:ETCトラブルは早めの解決が「愛車」を守る近道
ETCゲートが開かずに通過してしまうというトラブルは、どんなに注意深いドライバーであっても起こりうるものです。
高度に自動化された高速道路網では、大切なのは「ミスをしないこと」よりも、「ミスをした後にいかに迅速かつ正しく行動するか」です。
ゲートでの安全確保と、その後の誠実な自己申告さえ行えば、法的な罰則や高額な割増金を科されることはありません。まずは冷静になり、ルールに則った対応を心がけましょう。
不安なまま放置せず、まずは公式窓口へ一本の連絡を
「後から連絡するのが面倒」「警察に怒られるのが怖い」と放置してしまうことが、最も事態を悪化させます。
未払いのまま放置された記録は、道路会社のデータベースに確実に蓄積されており、後日になって「悪質な不正通行」と判定されてしまうと、取り返しがつきません。
「うっかり」を「誠実な対応」で上書きすること。これが、あなた自身の免許と愛車を守る唯一の方法です。SA・PAに立ち寄った際、あるいは帰宅して落ち着いたタイミングで、迷わず公式サイトの申告フォームかカスタマーセンターへ連絡を入れてください。一本の連絡で、その不安はすぐに解消されます。
【廃車ひきとり110番より】車両売却・廃車時のカード抜き忘れにもご注意を
最後になりますが、廃車や買取で愛車を手放す際にも、ETCに関連したトラブルが多発しています。それは、「車載器の中にETCカードを挿したまま引き渡してしまう」というミスです。
車両を引き渡した後にカードの抜き忘れに気づくと、以下のようなリスクが発生します。
- 不正利用のリスク:悪意ある第三者に渡った場合、多額の通行料金を請求される恐れがあります。
- 個人情報の漏洩:カードには決済情報が紐付いており、セキュリティ上の懸念が生じます。
- 解約・停止の手間:カードを紛失扱いにして再発行する手間や手数料がかかります。
「廃車ひきとり110番」では、車両の引き取り時にスタッフが車載器のチェックを行っていますが、ご自身でも必ず「カードは抜いたか」「有効期限は切れていないか」を最終確認してください。高速道路のトラブルも、売却時の手続きも、事前のちょっとした確認があなたの大切な資産と時間を守ることに繋がります。








