1. お車ユーザーの豆知識

車のブレーキの種類を徹底解説!仕組みや性能の違い、寿命による高額修理の判断基準とは?

車ブレーキ種類

1. ブレーキシステムの利点や欠点、性能比較

車のブレーキは、単に「止まる」だけでなく、状況に応じて複数のシステムが使い分けられています。
それぞれのブレーキが持つメリット・デメリットを正しく理解することは、安全運転だけでなく、高額な修理費用を回避する知恵にもつながります。

ブレーキシステムの仕組み

1.1 フットブレーキ|走行中に使うメインのブレーキ

運転席の足元にあるペダルを操作する、最も制動力の強いブレーキです。4つの車輪すべてに強力な油圧を伝えて減速させます。

💡 メリットと欠点

  • 利点:軽い踏力で大きな制動力を得られ、最新車ではABS(アンチロック・ブレーキ・システム)によって急ブレーキ時のハンドル操作も可能です。
  • 欠点:摩擦熱に弱く、過酷な使用を続けると「フェード現象」や「ベーパーロック現象」により、突然ブレーキが効かなくなるリスクがあります。

廃車買取の視点
このシステムの心臓部である「ABSアクチュエーター」などが故障すると、修理代が15万円〜20万円以上に達することも珍しくありません。年式の古い車では、この修理見積もりがきっかけで手放す(廃車にする)決断をされる方が非常に多いパーツです。

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1.2 パーキングブレーキ|駐車時の固定と緊急用

主に後輪を物理的に固定し、停車中の動き出しを防ぐブレーキです。「サイドブレーキ」とも呼ばれます。

サイドブレーキ

タイプ 特徴と性能比較
手動レバー・足踏み式 ワイヤーで物理的に引っ張るため、構造がシンプル。電気系統が故障した際の「緊急ブレーキ」としても機能します。
電動(EPB) スイッチ一つで固定。オートホールド機能など利便性が高い反面、モーター故障時の修理代は高額になりがちです。

ワイヤーが錆びて固着したり、電動モーターが動かなくなったりすると、車検に通りません。特に雪国では融雪剤の影響で下回りの固着トラブルが多発します。

1.3 エンジンブレーキ|エンジンの抵抗を利用した減速

アクセルを離したり、ギアを下げることで発生するエンジンの回転抵抗を利用した減速方法です。

✅ 賢い使い分けとメリット

  • 摩擦ゼロ:フットブレーキのように熱が発生しないため、長い下り坂でも安全に減速を続けられます。
  • 消耗を抑える:適切に使うことでブレーキパッドの寿命を延ばし、メンテナンス費用を節約できます。
  • 燃費向上:多くの車種ではエンジンブレーキ作動中に燃料カットが行われるため、エコ走行にも直結します。

エンジンブレーキを多用しても車は壊れませんが、あまりに急激なシフトダウン(オーバーレブ)はエンジン本体を痛める原因になります。

「下り坂では主役、平地では脇役」として使うのがベストな性能比較の結論です。

2. 構造(仕組み)で分ける2つの「ブレーキ装置」

ブレーキペダルを踏んだ力が最終的に「車輪を止める力」に変わる場所には、主に2種類の構造があります。
現在の車は、「前輪はディスク、後輪はドラム(またはディスク)」という組み合わせが一般的です。
それぞれの仕組みを知ることで、愛車のメンテナンス時期や不調のサインが見えてきます。

ブレーキディスク

2.1 ディスクブレーキ|高い放熱性と安定した制動力

車輪と一緒に回転する円盤(ディスクローター)を、左右からブレーキパッドで挟み込んで止める仕組みです。スポーツカーや普通車の前輪の多くに採用されています。

✅ ディスクブレーキの特徴と注意点

  • 安定した性能:構造がむき出しのため放熱性が非常に良く、連続して使っても効きが落ちにくい(フェードしにくい)のが最大の特徴です。
  • 水に強い:雨天時にローターが濡れても、回転の遠心力で水が弾かれやすいため、制動力が安定しています。
  • 注意点:ブレーキパッドが摩耗した状態で走り続けると、金属のローターまで削ってしまい、修理代が跳ね上がります。

プロの視点
ディスクブレーキは「キャリパーの固着」というトラブルが起こりやすいパーツです。長期間乗っていなかった車や、錆がひどい車の場合、キャリパーごと交換が必要になり、片側だけで数万円の修理費がかかることがあります。

2.2 ドラムブレーキ|強い制動力とコストパフォーマンス

車輪と一緒に回転する桶(ブレーキドラム)の内側に、半円状のブレーキシューを押し付けて止める仕組みです。軽自動車の後輪や、大型トラックなどに多く採用されています。

項目 ドラムブレーキの性能評価
制動力 構造上、回転の力を利用してさらに強く押し付ける性質があり、「止める力」そのものは非常に強力です。
コスト 構造がシンプルで安価。さらに摩耗が少なく寿命が長いため、メンテナンスコストを抑えられるメリットがあります。
弱点 熱が内部にこもりやすく、過酷な使用(長い下り坂など)を続けると熱によって一時的に効きがなくなることがあります。

ドラムブレーキの最大の問題は、「外部から摩耗具合が見えない」点です。車検などの法定点検で分解しない限りチェックが難しいため、異音がした時にはすでに手遅れ(内部がボロボロ)になっているケースも少なくありません。

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3. 【プロが教える】ブレーキの異音と寿命のサイン

ブレーキの不調は、命に関わる最優先の危険信号です。
車は故障しても走ることはできますが、「止まれない」ことは許されません。
毎日運転しているからこそ気づける「いつもと違う音」や「感触」の正体を解説します。

3.1 「キーキー」「ゴーッ」音の種類でわかる摩耗具合

ブレーキを踏んだ時に聞こえる異音は、ブレーキパッドの残量を知らせる重要なアラームです。音の種類によって緊急度が異なります。

ブレーキの異音について詳しくはこちらもご覧ください。 車のブレーキ音の原因と放置リスク

🔊 異音の正体と危険度

  • 「キーキー」という高い音: 【緊急度:中】 ブレーキパッドの摩耗を知らせる「ウェアインジケーター」がディスクに接触している音です。早急なパッド交換が必要です。
  • 「ゴーッ」「シャリシャリ」という濁った音: 【緊急度:最大】 パッドを使い切り、土台の金属がローターを直接削っている音です。この状態で走り続けるとローターも破壊され、修理費が数倍に跳ね上がります。
  • 「チャッチャッ」という断続的な音: 石などの異物の噛み込みや、ローターの歪みが疑われます。

3.2 ブレーキペダルの踏み心地が変わった時の危険信号

音だけでなく「足の裏」から伝わる違和感も重要です。踏み心地の変化は、目に見えないブレーキ油圧系統のトラブルを示唆しています。

ブレーキペダル

ペダルの症状 考えられる原因
スポンジを踏んでいるようにふわふわする ブレーキオイル内に空気が混入している(ベーパーロック)か、オイル漏れの可能性があります。
ペダルが以前より重く(硬く)感じる 踏力を助ける「ブレーキブースター(倍力装置)」の故障が疑われます。非常に強い力で踏まないと止まりません。
踏んだ時に足に「ガガガ」と振動が来る (急ブレーキ時以外なら)ブレーキローターが熱で歪んでいる「ジャダー現象」です。高速走行時に危険です。

3.3 ブレーキパッド・ブレーキシューの交換時期の目安

トラブルが起きる前に、定期的なチェックで寿命を把握しておくのがプロのメンテナンスです。

📅 交換の目安(ディスクパッドの場合)

  • 新品:約10mm
  • 注意:5mm(そろそろ整備工場で点検を!)
  • 交換:2mm〜3mm(迷わず交換。異音が発生し始める直前です)

走行距離では「3万km〜5万km」が一般的ですが、坂道の多い地域や市街地走行が多い車はもっと早く摩耗します。

ドラムブレーキの「ブレーキシュー」は構造上、10万km程度持つこともありますが、車検のたびに分解清掃と残量チェックを欠かさないようにしましょう。

ブレーキパッドについて詳しくはこちらもご覧ください。 ブレーパッドの寿命ってどのくらい?交換費用や方法も解説

ブレーキ修理の見積もりが「10万円」を超えたら……

ローター交換、キャリパーオーバーホール、ABSユニット修理。これらが重なると、古い車の価値を上回ることも。
修理代を払うより、今の車を売却して新しい車に買い替える方が賢い選択かもしれません。

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4. 修理代が10万円超えも?ブレーキ故障で「廃車」を検討すべきケース

ブレーキパッドのような消耗品の交換であれば、数千円〜1万円程度の出費で済みます。
しかし、ブレーキシステム全体の経年劣化が進むと、「修理代が数十万円」に跳ね上がるケースが珍しくありません。
ここでは、プロの視点から見て「これなら廃車(売却)した方がおトク」と判断できる具体的な高額修理の事例を紹介します。

4.1 ABSユニットの故障は高額修理になりやすい

急ブレーキ時のタイヤロックを防ぐ「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)」の心臓部である「ABSアクチュエーター(ユニット)」の故障は、現代の車において最も頭の痛い高額修理の一つです。

ABSアンチロック・ブレーキ・システム

💰 ABSユニット修理の費用感

  • 部品代: 10万円 〜 20万円以上(新品の場合)
  • 工賃: 2万円 〜 5万円程度

※精密な電子機器であるため、基本的に「修理」ではなく「アッセンブリー(丸ごと)交換」となります。中古部品を使っても、適合確認や再設定に手間がかかり、トータルで10万円を切ることはあまりありません

警告灯が点灯したままでは車検に通りません。10年以上経過した車でこの見積もりが出た場合、修理費が車の時価を上回る「経済的全損」の可能性が極めて高いと言えます。

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4.2 ブレーキ配管の錆(腐食)による全交換のリスク

特に雪国や沿岸部を走る車で注意が必要なのが、車体の下を通っている「ブレーキホース・配管」の錆び(腐食)です。

  • 安全性: 配管が錆びて穴が開くと、ブレーキフルードが漏れ出し、ある日突然ブレーキがスカスカになって止まれなくなるという恐怖の事態を招きます。
  • コスト: 錆びが一部に見られる場合、他の箇所も同様に劣化しているため、配管をすべて引き直す「全交換」が必要になるケースが多いです。

配管の交換は燃料タンクやエンジン周辺の分解を伴うなど、非常に手間(工賃)がかかる作業です。錆びによるダメージは車体全体に及んでいることも多いため、「ブレーキだけ直しても、すぐに別の場所が錆びて壊れる」という悪循環に陥るリスクがあります。

4.3 修理して乗り続けるか、売却して買い替えるかの判断基準

ブレーキに不具合が出た時、以下のチェックリストに一つでも当てはまるなら、修理代を払うよりも「廃車(買取)」に出して、その修理代を新しい車の購入資金に充てるのが賢明な選択です。

判断項目 廃車(買取)を推奨する目安
修理費用の総額 10万円以上の見積もりが出た場合
車の年数・走行距離 13年以上経過、または10万km以上走行している
次回の車検時期 あと半年以内に車検が切れるタイミング
直近の修理履歴 他にも故障箇所(オイル漏れやエアコン不調など)がある

「とりあえず直して乗ろう」という考えは、古い車においては結果的に損をすることが多いです。修理代を「ドブに捨てる」ことになる前に、プロの査定を受けて車の「価値」を再確認してみましょう。

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5. まとめ|ブレーキに不安を感じたらまずはプロの査定を

車のブレーキには、操作方法(フット・パーキング・エンジン)や構造(ディスク・ドラム)など、多くの種類と役割があります。
これらすべてのパーツは、あなたの命を守るために24時間過酷な環境で働いています。

もし、ブレーキから異音がしたり、踏み心地に違和感を感じたりした場合は、決して放置してはいけません。
しかし、修理の見積もりが高額になった時、無理に直して乗り続けることだけが正解ではありません。

✅ 記事の重要ポイントをおさらい

  • ブレーキトラブルは命に関わる: 違和感を感じたら即点検を。
  • 修理代の「10万円」が分岐点: ABSユニットや配管の故障は高額になりがち。
  • 「経済的全損」に注意: 修理代が車の時価額を超えるなら、廃車(売却)の方がおトク。
  • プロの査定を活用: 直すべきか手放すべきか、今の「価値」を知れば冷静に判断できる。

「廃車ひきとり110番」では、ブレーキが故障して自走できないお車でも、全国どこでも無料で引き取りに伺います。
パーツとしての価値や鉄資源としての価値を最大限に評価するため、ディーラーで「処分代がかかる」と言われたお車でも、思わぬ高値がつくこともあります。

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