竜巻で車が壊れたらまず確認すべきこと
安全確保が最優先!まずは命を守る行動を
竜巻によって車が被害を受けた際、第一に優先すべきは自身の安全確保です。車の状態を確認する前に、周囲に飛来物や倒壊物がないか、二次災害の危険がないかを慎重に見極めましょう。
特に注意したいのは、竜巻の通過直後の行動です。電線が切れていたり、ガソリンが漏れていたり、建物や樹木が不安定な状態になっている場合があります。避難が必要な状況であれば、車内に留まらず、安全な場所へ迅速に移動することが重要です。
また、同乗者がいる場合は互いの無事を確認し、必要であれば119番(救急)や110番(警察)へ連絡しましょう。車の損傷確認や保険会社への連絡は、あくまで安全が確保されてからで構いません。
車が被害を受けた場合の初期対応(記録・連絡)
安全が確保できたら、次に行うべきは被害の状況を正確に記録することです。スマートフォンなどで以下のポイントを写真・動画に残しましょう。
- 車両全体と損傷箇所の外観
- 飛来物などの原因物(あれば)
- 周囲の環境(倒木、破損した建物など)
これらの記録は、自動車保険の請求時や修理・廃車の判断において非常に重要な資料となります。
続いて、加入している自動車保険会社に速やかに連絡を入れましょう。連絡時には以下の情報を伝えるとスムーズです。
- 発生日時と場所
- 被害の内容と程度
- 現在の車の状態(動くかどうか、レッカーが必要かなど)
また、第三者による被害(倒壊物や隣家の飛来物など)が関係している可能性がある場合には、念のため警察にも報告しておくと、後のトラブル回避に繋がります。
竜巻による車の被害|主な損傷パターンと事例
飛来物による破損・窓ガラスの損壊
竜巻の特徴の一つは、強風によりあらゆる物が飛散することです。屋根のトタン板、看板、木片などが猛烈なスピードで飛来し、車のボディや窓ガラスに衝突することで、深刻な損傷を引き起こします。
特にフロントガラスやリアガラスの破損は多く、ガラス片による車内の破損や汚損も併発することがあります。また、ボンネットやドアのへこみは一見軽度に見えても、内部構造に影響を及ぼしているケースもあるため、専門家による点検が必要です。
横転・水没・倒木による全損例
竜巻の風速は最大で秒速50メートルを超えることもあり、車両が横転するほどの力があります。軽自動車やミニバンなど、重心の高い車は特に影響を受けやすく、横転によってフレームがねじれたり、エンジンルームが潰れるなど、修理困難なレベルの全損状態になるケースも少なくありません。
また、大雨を伴う場合は浸水や水没のリスクも高まり、電装系やエンジンの深刻な故障につながることも。さらに、街路樹や電柱などの倒木が車に直撃する事例も全国で確認されています。
このような場合、保険会社の判断で「全損扱い」とされることが多く、修理よりも廃車や買い替えの選択が現実的になることも多いです。
過去の竜巻被害ニュースから見る実例
実際に報道された事例を振り返ると、竜巻による車の被害は決して珍しくありません。たとえば、2021年に埼玉県で発生した突風では、住宅街で20台以上の車が損傷し、中には完全に横転・水没していたケースも報告されました。
また、過去には北海道や九州などでも、突風による倒木が車に直撃し、ドライバーが一時意識不明になるほどの重大事故も起きています。
これらの実例からも分かるように、竜巻の被害は地域を問わず発生しうる災害であり、備えと対応策を知っておくことが非常に重要です。
車の保険は使える?竜巻被害と補償の関係
竜巻補償保険の種類と特徴
竜巻によって車が被害を受けた場合、補償の対象となるかどうかは、加入している車両保険の種類によって大きく異なります。
竜巻や台風、洪水といった自然災害による車両の損害は、一般的には「車両保険(一般型)」または「車両保険(エコノミー型)」に加入していれば、補償対象となります。
保険の種類 | 竜巻被害の補償 | 主な対象例 |
---|---|---|
車両保険(一般型) | ◎ 補償される | 自損事故、盗難、自然災害など広範囲 |
車両保険(エコノミー型) | ◎ 補償される | 飛来物・水災など(自損事故は対象外) |
車両保険なし | × 補償されない | 任意保険のみ、または対人・対物のみ |
特に「エコノミー型」でも竜巻による損害は「飛来物」または「自然災害」扱いで補償対象となることが多いため、該当の保険に加入していれば被害後も安心です。
ただし、保険会社によって補償内容に差があるため、契約内容を必ず確認しておきましょう。
補償されないケースも?「免責」に注意
注意すべきなのが、「保険に入っていても補償されない」ケースがあるということです。その代表例が「免責条項」の存在です。
たとえば以下のような条件では、補償が一部制限されたり、そもそも対象外となることがあります。
- 免責金額が設定されている(例:5万円の免責=5万円以下の損害では保険金が出ない)
- 自然災害特約が外されている(保険料を下げるため一部補償を外しているケース)
- 契約時の申告内容に虚偽がある(ガレージ保管としていたが実際は屋外など)
また、車内に積んでいた私物の破損や、故障が後から発覚した電装品などについては、車両保険の対象外となる可能性もあります。
さらに、保険を使うことで等級が下がり、次年度の保険料が上がる点も踏まえたうえで、保険金を請求するかどうかの判断が必要です。
台風や落雷とは違う竜巻特有の保険扱い
台風・落雷・豪雨などと竜巻は、発生メカニズムは似ているものの、保険上の扱いが異なることがあるため注意が必要です。
多くの保険会社では、竜巻被害は「風災」または「飛来物損害」として分類されます。一方、台風や豪雨による水没被害は「水災」、落雷によるエンジンやバッテリーの損傷は「落雷損害」として別枠で管理されます。
この違いにより、
- 「水災のみ補償」→ 竜巻による飛来物の破損は対象外
- 「飛来物補償あり」→ 台風の浸水は補償対象外
というように、同じ自然災害でも保険の適用可否が分かれることがあるのです。
特に「エコノミー型車両保険」に加入している方は、竜巻を含む「風災・飛来物」が補償範囲に含まれているかどうかを、事前に確認しておくことが大切です。
修理?廃車?車の損傷度別・判断の目安
修理できるレベルか、フレーム損傷かがカギ
竜巻による車の被害を受けた場合、最も大きな判断材料となるのが「フレーム(骨格)に損傷があるかどうか」です。
- バンパーの凹みやドアの傷、ガラス割れなどの表面的な損傷であれば、基本的に修理可能です。
- 一方、車体がねじれたり、屋根が潰れたり、車が横転しているようなケースでは、フレームの損傷=全損の可能性が高いです。
フレーム損傷があると、
- 修理費用が非常に高額になる
- 走行安全性や車両価値が著しく低下する
といった理由から、保険会社でも「修理不適」と判断されやすく、廃車の選択肢が濃厚になります。
保険会社の査定額と修理費のバランスで判断
竜巻で損傷を受けた車が「修理すべきか、廃車にすべきか」の判断では、保険会社が算出する査定額と、実際の修理費のバランスが重要になります。
例えば、
- 車の時価評価額:30万円
- 修理見積もり:50万円
このようなケースでは、「経済的全損」とみなされ、保険会社からは時価額(30万円)の支払いのみとなり、修理費の不足分(20万円)は自己負担となります。
つまり、
・修理費が時価額を超える → 廃車にした方が経済的
・修理費が時価額を下回る → 修理して乗り続けるのも選択肢
また、修理しても再販価値がほとんどない場合や、見た目が大きく損なわれる場合も、「廃車+買い替え」のほうが現実的です。
見落としがちな“二次被害”にも注意
竜巻被害では、目に見える損傷以外に“二次被害”があることも少なくありません。
たとえば
- 雨水の侵入による電装系の腐食や故障(時間差で不具合が出る)
- 窓割れからの浸水でシートや内装がカビてしまう
- 見えないヒビ割れが足回りやエンジンマウント部に生じている
こうした見えない損傷は、初期点検では発見されず、修理後に不具合が出て追加費用がかかることがあります。
そのため、
修理を希望する場合でも、信頼できる整備工場での精密点検が必要不可欠です。
廃車を検討する場合は、「廃車買取専門業者」に相談することで、価値を最大限に引き出すことができます。
やってはいけない!竜巻時の車での危険行動
車内にとどまるのは危険?逃げるべき?
竜巻が近づいているとき、車内に留まるのは非常に危険です。
状況に応じて、車から降りて安全な場所へ避難する判断が必要になります。
なぜ車内は危険なのか?
危険ポイント | 内容 |
---|---|
横転・吹き飛びの危険 | 車体が軽く、強風で転倒したり数十メートル飛ばされる恐れがある |
飛来物との衝突 | ガラスやパネルが破損し、車内に破片が飛び込む危険性が高い |
密閉空間のリスク | 気圧差でドアが開かなくなり、脱出困難になるケースも |
安全な避難行動の目安
状況 | 対応行動 |
周囲に避難できる建物がある | → 速やかに建物内へ避難(学校・商業施設・公共施設など) |
周囲に避難場所がない | → 車を停車し、低い場所(側溝やくぼ地)に伏せて頭を守る |
車内にとどまるしかない場合 | → 窓から離れ、シートベルトを締めて低姿勢に。エアバッグのある席に移動 |
基本ルール:命を守るための優先順位
- 安全第一! 車を捨ててでも避難
- 車にこだわらず、近くの丈夫な建物へ
- 避難できない場合は“低く・守る”姿勢を意識
走行中に竜巻を目撃したときの正しい対応
運転中に竜巻に遭遇した場合、パニックにならず、冷静な判断が求められます。
絶対に避けるべきこと
- 竜巻から逃げようと無理にスピードを出して走り続ける
- 高速道路で急停車や急ハンドルを切る
安全な対応としては以下の行動が推奨されます。
- 進行方向の脅威を確認:竜巻が自車の進行方向にいる場合は、即座に進路を変更。
- 早めに停車してエンジンを切る
- 堅牢な建物へ避難:コンビニ、ショッピングモール、道の駅など。
- 近くに避難先がない場合
- 車外に出て低い場所(側溝など)へ避難
- 車内では窓から離れ、シートベルトを締めて低姿勢で待機
避けるべき場所|ガード下・橋の下・木の下
「とっさにガード下や橋の下に逃げ込むのは正解」と思われがちですが、実は非常に危険です。
【避けるべき場所とその理由】
ガード下・高架下
→ 空気の流れが集中し、竜巻の風が強まることがある。コンクリ片や鉄骨など落下物の危険も。
橋の下
→ 川の氾濫や水位上昇で水没のリスクあり。強風で車両ごと落下する事故も。
木の下
→ 木が倒れる、枝が飛ぶなど、致命的な飛来物になる危険性大。
また、「トンネルの中に避難すれば安全」と思われがちですが、竜巻がトンネル周辺を通ると、車内が真空に近くなりドアが開かなくなる恐れもあります。
万一に備える!竜巻被害から車を守る方法
突発的に発生し、大きな被害をもたらす竜巻ですが、日ごろの備え次第で車の損傷を防いだり、被害を最小限に抑えたりすることが可能です。
屋根付き駐車場の確保と日ごろの準備
竜巻による車の被害で多いのは、飛来物による破損や突風による転倒などの「物理的衝撃」です。そのため、物理的に車を守れる駐車環境の有無が、被害の有無を大きく左右します。
以下は、駐車環境ごとのリスクと対策の違いをまとめた表です。
駐車環境 | 特徴 | 対策のポイント |
---|---|---|
ガレージ(屋内型) | 四方を囲まれ、風や飛来物から車を守れる | 最も安全。可能ならここに駐車を |
カーポート(簡易屋根) | 上部は守れるが側面が無防備 | 強風に弱く、飛来物対策が不十分 |
屋外駐車(青空駐車) | 無防備で最も被害リスクが高い | 風の当たりにくい建物の陰などに工夫して駐車を |
また、自宅周辺にある植木鉢やゴミ箱、物干し竿などの「飛びやすい物」は、日ごろから片付けたり固定しておくことで、車への被害を間接的に防ぐことができます。
さらに、竜巻注意報が出た際に車を一時的に避難させる「避難先の駐車場(屋根付き)」を事前に把握しておくと、緊急時にも落ち着いて対応できます。近くのショッピングモールや立体駐車場などが該当するでしょう。
地域のハザードマップを確認しておこう
意外と見落とされがちですが、竜巻の発生しやすさには「地域差」があります。特に、平地や海風が吹き抜ける場所、過去に突風被害が多かった地域などは注意が必要です。
こうしたリスクを把握するには、気象庁や自治体が提供しているハザードマップが役立ちます。最近では、竜巻や突風の発生傾向も掲載されており、自宅だけでなく、職場やよく使う駐車場のエリアについても確認しておくのがおすすめです。
ハザードマップ活用のポイント
確認対象 | 理由・目的 |
自宅の周辺 | 駐車場の安全性の見直しに役立つ |
職場・実家・日常的に車を停める場所 | 意外と盲点。複数の場所の安全性確認を |
駐車場選びの判断基準に | 新たに契約する際の判断材料になる |
災害は「知らなかった」ことで命や財産を失うこともあります。日常の延長線上で、少しずつでも備えをしておきましょう。
竜巻注意情報が出たときの対処法
「竜巻注意情報」が出たときは、すぐに行動することが大切です。
- まずは気象情報の受信設定を確認
スマートフォンの防災アプリや気象庁の通知設定をオンにしておきましょう。
夜間の通知音がオフになっていると、重要な情報を見逃す恐れがあります。 - 安全な場所へ車を移動(ただし慎重に)
屋外駐車中であれば、屋根のある場所へ速やかに移動。
ただし、移動中に突風が発生する可能性もあるため、無理は禁物です。 - 出先で警報を受けたらすぐに退避
ショッピング中や職場で警報が出た場合、車から離れて建物内に避難し、風が収まってから対応するのが安全です。
被災した車の買取や処分の方法
竜巻で被災した車は「廃車するしかない」と思われがちですが、実は適切な方法で処分すれば負担を軽減し、場合によっては現金化も可能です。
修理不能でも価値がある?廃車買取の可能性
たとえ車が動かなくても、破損していても、廃車買取の対象になる場合があります。
- 鉄やアルミなど金属資源としての価値
車体そのものがリサイクル資源として利用できるため、重量や素材によって価格がつくことがあります。 - エンジンや電装部品が無事ならさらにプラス査定に
仮に外観が壊れていても、内部パーツが使える状態であれば、部品取り車として買取価格がアップするケースも。 - 「事故車」「冠水車」専門の買取業者に相談を
通常の中古車買取業者では断られても、廃車や事故車専門の業者なら対応可能です。
保険金請求後の買取や廃車もスムーズに
保険を使っても、その後の車の処分で悩む方は少なくありません。実は、保険金を受け取ったあとでも車は買取可能です。
- 「全損扱い」になった車の処分先は選べる
保険会社が査定・支払いを終えた後、車両の所有権が戻る場合は自由に売却可能。
保険会社が引き取らないなら、自分で買取業者に出すことも可能です。 - 買取金と保険金は両立できることも
保険会社と話し合いのうえ、残存車両の売却益が自分の手元に残るケースもあります。
買取を前提としたスムーズな保険処理のサポートをしてくれる業者を選ぶのがコツです。 - 抹消登録の代行もしてもらえるか確認
廃車処理には「一時抹消」「永久抹消」などの手続きが必要ですが、専門業者に任せれば書類対応まで含めて完了します。
再利用可能な部品のリサイクル
たとえ車が全損状態でも、部品ごとに見ればまだ使えるものは多く存在します。これらのパーツは国内外のリユース市場で需要が高く、高値で取引されることも少なくありません。
例えばエンジンやタイヤ、ドア、ミラー、カーナビといった主要部品は正常に動作すれば、単体でも価値が認められます。こうした部品は再利用されることで新たな製品として生まれ変わり、環境負荷の軽減にも貢献しています。
廃車業者は車を解体し、資源を循環させる仕組みを整えています。車体から取り出した部品や金属はリサイクルされ、無駄なく活用されるため、エコで効率的な処分が可能です。
ポイント | 内容 |
---|---|
部品の価値 | エンジン・タイヤ・ドア・カーナビなど、正常稼働するパーツは高値で取引される |
環境面のメリット | 資源循環を前提に分解・再資源化し、エコで無駄のない処分が可能 |
個人での対応 | 部品ごとの査定や販売は手間と法的リスクが高く、専門業者に一括依頼が安心 |
個人で細かくパーツを売却するのは難しく、トラブルのリスクもあります。信頼できる専門業者に一括で依頼することで、効率よく価値を引き出しながら安心して処分できます。
迷ったら専門家に相談!後悔しないための一歩
竜巻など自然災害で車が被害を受けたとき、「修理するか」「廃車にするか」「保険を使うべきか」といった判断を、すぐに下すのは難しいものです。こうしたときこそ、経験豊富な専門家に相談することで、後悔のない決断がしやすくなります。
保険・買取・修理の「総合的な判断」が重要
車が損傷を受けた際に考えるべきことは一つではありません。たとえば保険を使えば修理費用を軽減できるかもしれませんが、免責金額の負担や保険等級のダウンなど、長期的な影響もあります。また、修理費用が高額になりそうな場合、感情的には直したくても、費用対効果の面では廃車や買い替えが妥当というケースもあります。
さらに、外から見て分からない“フレームの歪み”や“電装系の故障”など、目に見えないダメージがあると、修理後にトラブルが続く可能性もあります。こうした点を冷静に判断するには、やはりプロの視点が必要です。保険、修理費、市場価値、維持費など、複数の視点から総合的に検討することで、もっとも損のない道を選べます。
事故車の相談なら「廃車ひきとり110番」へ
被災車や事故車の処分でお困りの方には、「廃車ひきとり110番」が心強い味方になります。全国対応でレッカー代や手数料が無料、さらに年式が古い車や動かない車でも、資源価値やパーツ利用によって買取の可能性があります。
また、保険金の請求と並行しての廃車相談にも対応しており、書類の手続きや引き取りもすべて代行可能です。被害のあった直後は気持ちが動揺している方も多いですが、「こんな状態の車でも引き取ってくれるの?」という相談からでも丁寧に対応してくれます。
査定依頼はLINEや電話、WEBフォームから24時間受付中。写真を送るだけで簡易査定も可能なので、まずは気軽に問い合わせてみるのが第一歩です。