高速道路の非常電話はどこにある?設置場所と間隔の目安
高速道路の非常電話は「緊急時に速やかに連絡できる」ことを目的に規則的に設置されています。一般的に路肩やサービスエリア付近、インターチェンジ間の沿道など、ドライバーが安全に降車して到達しやすい位置に配置されており、遠方の目印として看板や路面のマーキングが併設されている場合が多いです。
非常電話の設置は道路管理者(ネクスコ等)や自治体の基準に従い、安全性と迅速な通報を優先して決められています。

非常電話は一定距離ごとに設置されている
ほとんどの高速道路では、非常電話は一定の間隔ごとに設置されています。
道路区間や地域によって差はありますが、目安としては約500m~1km間隔で配置されることが多いです。
設置間隔は道路の種別(都市高速か地方高速か)、交通量、隣接するインターチェンジの距離、路肩の安全確保状況などを考慮して決定されています。
設置間隔が短いほど通報までの時間が短くなり、緊急対応の迅速化につながります。
走行中に見つけるポイント
走行中に非常電話を見つけやすくするためのポイントは次の通りです。
- 路肩側のポールやボックスを探す:非常電話は路肩沿いに縦型のボックスやポール状で設置されていることが多いです。
- 緑・青色のサインや矢印標識:非常電話の位置を示す小さな標示板が路側に取り付けられている場合があります。
- 路面表示・距離標:路肩にある距離標や路面のマーキングが非常電話の近くにあることが多いため、これを目印にすると見つけやすいです。
- サービスエリア・パーキング手前:これらの施設周辺には非常電話が設置されていることが多く、覚えておくと安心です。
安全に停車できる場所を最優先にし、無理に道路中央や車線上で探さないことが重要です。
トンネル内の非常電話の位置と特徴
トンネル内の非常電話は、トンネル特有の危険性を考慮して設置場所や仕様が工夫されています。主な特徴は以下の通りです。
- 短い間隔での設置:視界が限られ、火災や衝突時の影響が大きいため、トンネル内では非常電話の間隔が一般路より短く設定されることが多いです。
- 明確な標識と照明:トンネル内では反射材や明るい表示で非常電話の位置が示され、暗所でも見つけやすくなっています。
- 防火・防水仕様:トンネルの環境に合わせて防火や防水性能が高められた筐体が使われます。また、耐熱や耐衝撃を考慮した設計です。
- 直通の通報経路:トンネル内の非常電話は、トンネル管理者や道路管制センターへ直接つながることが多く、トンネル内部の状態(煙、火、閉塞など)を含む即時の情報伝達が期待できます。
トンネルでの異常を感じたら、まずは安全な場所に停車(可能なら路肩へ寄せる)し、非常電話を使って速やかに通報してください。
非常電話の使い方|つながる相手と伝えるべき情報
高速道路の非常電話は、誰でも簡単に使えるように設計されており、事故や故障などの緊急時に素早く状況を伝え、適切な救援につなげる役割を担っています。「どう使うのか」「誰につながるのか」「何を伝えればよいのか」をわかりやすく説明します。

ボタンを押すだけで道路管理者へ直通
非常電話の使い方はとてもシンプルで、基本的には受話器を取る、または大きな通報ボタンを押すだけで道路管理者の管制センターにつながります。
通話は自動的に発信されるため、番号を押す必要はありません。
- 受話器式:受話器を持ち上げるだけで自動発信されます。
- ボタン式:「通報」「非常」などと書かれたボタンを押すとオペレーターに接続されます。
道路管理者側では通報地点をシステムで把握できる仕組みがあり、通話が始まった時点で大まかな位置情報が伝わっています。そのため、落ち着いて状況を伝えることが救援の迅速化につながります。
伝えるべき情報(場所・状況・ケガの有無・車両情報など)
オペレーターにつながったら、事故や故障の状況を端的に伝えることが重要です。
特に以下の情報は聞かれる可能性が高いため、順番に答えていけば問題ありません。
① 現在位置:キロポスト(道路脇の数字標識)、近くの出口名、トンネル名など。
② 何が起きたか:故障、パンク、ガス欠、事故など。
③ ケガの有無:負傷者がいるか、意識があるかなど。
④ 車両情報:車の色、車種、ナンバーなど。
⑤ 周囲の危険状況:煙が出ている、後続車が多い、路肩が狭いなど。
これらをすべて覚える必要はなく、オペレーターが質問してくれるので、落ち着いて答えるだけで大丈夫です。

救援手配の流れ(警察・ネクスコ・レッカーなど)
非常電話での通報後は、状況に応じて関係機関が連携しながら救助や後処理が進みます。一般的な流れは次の通りです。
① 道路管理者(ネクスコなど)が状況を確認:通報内容と位置情報から危険性を判断します。
② 必要に応じて警察・消防に連絡:事故や負傷者がいる場合は110・119へ同時に通報されます。
③ 路肩確保や交通規制:道路管理者がパトロールカーを派遣し、現場の安全確保を行います。
④ レッカー車の手配:自走できない車の場合、道路管理者またはオペレーターがレッカー業者を手配します。
⑤ 到着後の処理:車両撤去、道路の清掃、規制解除などが行われます。
通報者側が特別な手続きを行う必要はなく、非常電話側が関係機関への連絡を一括して行ってくれるため、緊急時でもスムーズに救援が受けられる仕組みになっています。
非常電話が使える場面|どんなときに利用していい?
高速道路の非常電話は「本当に使っていいのか?」と迷いがちですが、基本的には危険が生じる可能性がある状況=すべて緊急時として利用可能です。
高速道路は一般道よりも助けを求めにくいため、ためらわずに使うことが安全につながります。

事故・故障・ガス欠・パンクなど基本的に「緊急時ならOK」
非常電話は、以下のような走行継続が難しい状況全般で使用OKです。
- 事故を起こした、巻き込まれた
- エンジン故障・異音・オーバーヒート
- ガス欠(高速道路では特に危険)
- タイヤのパンク・バースト
- 車が動かない/煙が出ている
- 車両火災の恐れ
高速道路は停車するだけでも重大事故のリスクがあるため、少しでも「危ないかも」と思ったら非常電話を使うことが推奨されています。
迷惑ではない?通報をためらわなくてよい理由
「こんなことで通報したら迷惑かな…」と思う必要はありません。非常電話は道路管理者が安全確保のために設置した設備であり、以下の理由から、むしろ積極的に使うべきです。
- 道路管理者は状況を正確に把握し、二次事故を防ぐために対応する必要がある
- 通報が早いほど、パトロールカーによる誘導・規制が早く始まり重大事故を防げる
- 運転者が自分で対処しようとすると危険なケースが多い
高速道路では一瞬の判断が命を左右するため、迷うよりもまず連絡することが安全につながります。
危険なときは警察(110)へ優先連絡すべきケース
非常電話は緊急通報のための設備ですが、「命の危険が迫る状況」では110番が最優先となります。特に以下のようなケースです。
- 負傷者がいる、意識がない
- 火災が発生している、爆発の恐れがある
- 逆走車・落下物・多重事故など重大な危険がある
- 車が高速道路上に完全に停止し、逃げ場がない
110番に直接つながることで、救急車や警察が即時に動くため、より迅速な救助が可能になります。
なお、警察と道路管理者は情報共有して動くため、どちらかに連絡すれば連携して対応してくれます。

子供連れでの非常電話使用時の配慮
子供を連れて高速道路で立ち往生した場合は、より慎重に安全を確保する必要があります。非常電話を使う際は、以下の点に注意しましょう。
- まずは全員をガードレールの外側へ避難させる(ベビーカーは使わず抱っこが安全)
- 子供と離れないようにし、大人が必ず手をつなぐ
- 非常電話へ向かうのは大人1人だけ、残りは安全な場所に待機
- 夜間はライトを持ち、子供の衣服の反射材を活かす
高速道路は音や風が強く、子供が驚くと突然動き出す危険があります。
そのため、まずは子供の安全確保 → 次に通報の順で行動することが大切です。
スマホと非常電話の違い|どちらを使うべき?
高速道路上でトラブルが起きたとき、「スマホでいいのか?」「非常電話のほうが確実なのか?」と迷う方は多いです。結論としては、命の危険がある場面では非常電話、軽度のトラブルならスマホという判断が基本になります。ここでは両者の違いを分かりやすく整理します。
スマホより非常電話が優れる点
- 位置情報が正確に伝わる(道路管理側に自動で距離標識の位置が通知)
- 専門オペレーターにつながるため対応が早い
- 電波の影響を受けない(スマホ圏外でも利用可能)
- 事故・火災などの緊急対応が前提で話が進むため、手続きがスムーズ
非常電話は高速道路専用に設置されているため、事故や故障の対応フローが整っています。「スマホより早く確実につながる」のが最大の利点です。

スマホが優れる場面
- ガス欠や軽度のトラブルで保険会社のロードサービスを利用したいとき
- 高速道路上ではなくSA・PAでの発生で緊急性が低いとき
- 電話以外(チャット・アプリ)でのサポートが必要なとき
軽度のトラブルや、普段利用しているロードサービスを呼びたい場合はスマホが便利です。ただし高速道路本線上で停止している場合は、非常電話のほうが安全性が高くなります。
迷わない基準:命の危険 → 非常電話 / 軽度 → スマホ
判断のポイントは「緊急性の高さ」です。
| 状況 | 推奨される連絡手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 車道脇で停車し危険がある (歩道がない・車外に出るのが危ない) |
非常電話 | 正確な位置情報が伝わり、迅速な対応が受けられる。 |
| 事故や故障で車が動かない/煙が出ている | 非常電話 | 重大事故につながるリスクが高く、緊急対応が必要。 |
| SA・PA・待避所に停車できている | スマホ | 安全確保ができており、落ち着いて連絡可能。 |
| ゆっくり状況を確認できる・軽度のトラブル | スマホ | スマホの方が保険会社やロードサービスに直接つながる。 |
命に関わる危険がある状況 → 非常電話
安全が確保できている状況 → スマホ
この基準で判断すれば、迷う必要はありません。
非常電話を利用する際の注意点と安全確保の方法
高速道路でトラブルが発生した際は、非常電話の利用よりもまず自分と同乗者の安全確保が最優先です。
車を路肩に寄せる・ハザード・停止表示器材の設置
- 可能な限り左側の路肩へ寄せて停車する(本線や右車線側での停止は極めて危険)
- ハザードランプを点灯し、後続車に停止を知らせる
- 停止後、停止表示器材(三角表示板)を後方に置く
※高速道路では50〜100m後方が推奨
車が完全に停止した瞬間から高速道路では後続車との衝突リスクが高まります。後続車に「停まっている」ことをいち早く知らせることが重要です。
ガードレールの外へ避難する重要性
- 絶対に車内に留まらない(追突された際に非常に危険)
- 車から降りたらすぐにガードレールの外側へ移動
- 子どもや高齢者がいる場合は、車の陰を使って守りながら素早く非難
高速道路上では、立ち止まったり車の周囲に立つことは大事故につながります。ガードレール外側が最も安全で、非常電話もガードレール外に設置されているため、そのまま安全に向かえます。
夜間・雨天・交通量が多い場所での注意ポイント
- 夜間:黒い服は危険。できればライトやスマホの光で存在を知らせる
- 雨天:視界が悪くタイヤの制動距離も長いため、車道側には絶対に出ない
- 交通量が多い場所:トラックの風圧でバランスを崩すことがあるため、ガードレールのさらに外側へ
- 非常電話へ行く際も車道に近づかず壁側・ガードレール側を歩く
特に夜間や雨の日は、後続車が気付きにくく事故リスクが高まります。安全確保を徹底した上で非常電話を利用しましょう。

高速道路で故障したときの正しい対処手順
高速道路で異常を感じたときは、まず落ち着いて「安全を確保するための手順」を一つずつ進めることが大切です。
どの項目も命を守るための基本動作なので、順番どおりに行動しましょう。
高速道路で故障したときの正しい対処手順
高速道路で異常を感じたときは、落ち着いて手順どおりに行動することが、安全確保につながります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① 路肩へ寄せる | できるだけ左側の路肩へ移動し、本線で停止しないようにする。 |
| ② ハザードを点灯 | 後続車へ異常停止を知らせ、追突を防ぐ。 |
| ③ 三角表示板を設置 | 高速道路では後方50〜100mに設置し、ほかの車に早めに気付いてもらう。 |
| ④ ガードレールの外へ避難 | 車内は非常に危険。必ずガードレール外など安全な場所へ移動する。 |
この4ステップを確実に実行することで、二次事故のリスクを大幅に減らせます。特に「避難」は命を守る最重要ポイントです。
非常電話 or スマホのどちらで連絡するか判断する方法
非常電話を使うべき状況
-
- 車道付近での事故・追突の可能性が高い
- 車が発煙・発火しそう
- スマホの電波が悪い・バッテリー切れ
- 正確な場所を伝えられない(非常電話なら位置情報が自動で伝わる)
スマホを使ってよい状況
-
- 安全な場所に避難済みで危険がない
- ケガ人がいない軽度のトラブル
- ガス欠・軽いパンクなど、慌てなくてもよい状態
迷ったときの基準は「命の危険を感じる → 非常電話」「軽度のトラブル → スマホ」です。
レッカーが来るまでの待機方法・してはいけない行動
- 必ずガードレールの外で待機する(車内や車の近くは絶対にNG)
- 車道側に立ち入らない
- 暗い場合はスマホのライトなどで“存在を相手に知らせる”
- トンネル内の場合は、非常口や待避所へ移動する
- 子どもや高齢者がいる場合は、安全な位置で固まって待機する
レッカー車が接近するときも、整備員の作業を邪魔しないよう、十分に離れた場所で待機します。
高速道路は思っている以上に危険が多く、車内で待つ行動は追突事故につながるため避けてください。
高速道路の非常電話の特徴と仕組み
高速道路に設置されている非常電話は、事故や故障の際に確実に道路管理センターへ連絡できるように設計された設備です。色で種類が分かれているわけではなく、どの非常電話も同じ目的と機能を持っています。

非常電話の外観と見つけ方
高速道路の非常電話は、主に「黄色いボックス型」で統一されています。
道路脇のボックスやトンネル内の壁面に設置されており、近くには非常電話を示す標識が掲示されています。
これにより、運転中でも位置が分かりやすく、緊急時にすぐ利用できるよう配慮されています。
非常電話の機能(道路管理センターへ直通)
非常電話は、受話器を取る(またはボタンを押す)だけで道路管理センターにつながる仕組みになっています。
位置情報は設備側で把握できるため、利用者が場所を詳しく説明できない状況でも救援が手配できます。
非常時でも確実につながる通信方式
非常電話は高速道路専用の通信システムで運用されており、スマートフォンの圏外や回線混雑時でも通話が可能です。
停電時や災害時でも機能するよう設計されているため、緊急時の確実性が確保されています。
事故・故障後の車の処理方法|レッカー後はどうすればいい?

高速道路で事故や故障に遭ってレッカー搬送された場合は、車を「修理するのか」「手放すのか」を早めに判断することが重要です。
破損が大きい場合や修理費が高額になりそうなケースでは、保険会社や修理工場、廃車業者など、複数の選択肢を比較しながら進める必要があります。
修理可能な状態であれば保険を使って修理に進めますが、年式が古かったり、走行距離が多かったりすると、修理費のほうが車の価値を超えてしまうこともあります。また、保険会社から「全損」扱いと判断されると、修理よりも処分を優先する流れになることもあります。
さらに、車が保管されている期間が長くなると保管料が発生することがあるため、レッカー後は早めに今後の方針を決めることが大切です。
値段がつかない車・故障車は「廃車ひきとり110番」へ
事故車や故障車の中には、ディーラーや一般の買取店で「値段がつかない」「引き取り料が必要」と言われてしまう車も少なくありません。しかし、廃車専門の業者であれば、状態に関わらず0円以上で引き取れるケースが多く見られます。
廃車ひきとり110番では、大破して動かない車やエンジン故障車、車検切れで長期間動かしていない車など、通常の買取店では扱いにくい車も無料で引き取り可能です。古くて価値がないと判断された車であっても、部品や資源として活用できるため対応が可能です。
レッカー移動後は保管料がかさむこともあるため、早めに廃車ひきとり110番へ依頼することで余計な出費を防ぐことができます。
まとめ|高速道路の非常電話は“命を守る設備”。迷わず使おう
高速道路でのトラブルは、ちょっとした判断の遅れが大きな事故につながる危険があります。
非常電話とスマホを使い分けながら、まずは「命を守る行動」を最優先にすることが大切です。
非常時は「安全確保 → 連絡 → 待機」が基本
高速道路でトラブルが発生したら、まずは自分と同乗者の安全確保を最優先に行動します。
可能な限り路肩へ寄せて停車し、ハザードランプを点灯、必要であれば三角表示板を設置してからガードレールの外側など安全な場所へ避難してください。
安全が確保できたら、状況に応じて非常電話またはスマホで連絡します。負傷者や発火・煙が見られるなど命に関わる危険がある場合は非常電話での通報を優先し、SA・PAなど安全な場所での軽度トラブルならスマホでロードサービスを呼ぶとよいでしょう。
連絡後は通行車両から十分に距離を取り、現場に留まらず安全な場所で救援を待機してください。上記の流れを頭に入れておけば、緊急時でも冷静に対処できます。
車両の修理・廃車に迷ったときは専門業者に相談を
事故後や故障後の車は、修理すべきか手放すべきか判断に迷うことも多いものです。状態や費用をプロが見れば、最適な選択肢が明確になります。
特に「値段がつかないと言われた」「修理費が高くつく」と感じた場合は、廃車ひきとり110番に相談すると無駄な出費を避けられます。
高速道路の非常電話と同じように、「困ったときは迷わず頼る」ことが安全と経済的負担の両方を守るポイントです。










