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【違法?OK?】トラック荷台に人は乗れる?事故例・罰則・代替手段

トラック荷台

トラック荷台に人が乗ることは法律で許されている?

道路交通法で定められている「荷台乗車禁止」の基本ルール

トラックの荷台に人が乗ることは、道路交通法で原則禁止と定められています。

荷台は人を安全に乗せるための設備がなく、走行中の振動や揺れで転落や事故のリスクが非常に高いためです。
このため、通常の移動や人の輸送を目的として荷台に人を乗せる行為は、法律上明確に違反になります。

また、荷台に人を乗せた状態で公道を走行すると、運転者に対して座席以外乗車積載違反が適用され、罰則や違反点数の対象となる点にも注意が必要です。

荷台乗車禁止

例外的に荷台に人が乗れるケースとは?(法令上の特例)

ただし、道路交通法には一部の特例があり、一定の条件下では荷台に人が乗ることが認められる場合があります。これらは、通常の輸送とは異なり、荷台に人が乗る必要性が客観的に認められる状況に限られます。

代表的な例として、荷物の積み下ろしに必要な作業を行うために短距離を移動する場合や、農作業や工事などでやむを得ない作業を伴う運行が該当します。いずれも、法律に定められた条件を満たし、安全が確保されていることが前提です。

つまり、例外が存在するとはいえ、あくまで特殊な状況限定での許可であり、一般的な目的で人を荷台に乗せることは認められていません。

仕事中の荷台乗車は可能?

作業目的の荷台乗車が認められる条件

業務中であっても、トラックの荷台に人が乗る行為は原則禁止です。ただし、道路交通法では「作業のために必要な場合」に限り、例外的に荷台乗車が認められるケースがあります。
具体的には、荷物の積み下ろしや設備点検など、荷台上で作業をしながらごく短距離だけ移動する必要がある場合が該当します。ただしこれは、業務の性質上どうしても必要と判断される場合に限られ、かつ運行区間や速度が厳しく制限されます。

つまり、作業目的であっても「必要性」「安全性」「短距離」が揃っていない限り、法律上は認められないことを理解しておく必要があります。

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走行中に作業員が荷台に乗ることは許可される?

荷物整理や見張りなどを理由に、作業員が荷台に乗ったまま走行することは、法律上認められていません。たとえ低速であっても、急ブレーキや車体の揺れによる転落リスクが高く、重大事故につながる可能性があるためです。
また、作業員本人の行為だけでなく、運転者にも座席外乗車の責任が及ぶため、業務命令であっても違法となります。

現場で慣習的に行われているケースがあっても、法律上は明確に禁止されているため、正当化はできません。

労働安全衛生面で問題となるポイント

荷台乗車は、法律面だけでなく労働安全衛生上も大きな問題があります。荷台には身体を支える設備がなく、作業員は振動や揺れにより姿勢を保つことが難しくなります。これにより、転落・挟まれ・落下物による負傷など、さまざまな事故につながる危険があります。

さらに、使用者側には安全配慮義務が課せられており、危険が予見できる作業方法を指示した場合、労災の対象となるだけでなく責任を問われる可能性もあります。
そのため、業務上必要な作業であっても、荷台に人が乗らなければならない状況は避け、より安全な作業方法を検討することが望まれます。

イベント・祭り・撮影などで荷台に人を乗せるのは合法?

パレード・山車代わりの利用は違法?

祭りや地域イベントで、トラックの荷台を山車やパレード車両として使うケースがありますが、通常の道路で荷台に人を乗せて走行することは法律上違法です。
道路交通法では「座席以外に人を乗せて走行してはならない」と定められており、荷台のような座席設備のない場所に人を乗せる行為は、イベントであっても例外にはなりません。

自治体の許可を受けて道路使用を行う祭礼行事でも、特例として認められているのは“歩行による山車の移動”が中心で、トラック荷台に人を乗せて走る行為は基本的に認められません。

映画・ドラマ撮影時の扱い

映画やドラマの撮影で、役者が荷台に乗った状態で公道を走行するシーンが撮られることがあります。
この場合、通常の運行とは異なり、「道路使用許可」および「道路占用許可」などを取得したうえで、撮影区間を一時的に管理する形が取られます。
つまり、撮影隊が道路を管理する特例的な状態となり、一般車両の走行とは異なる扱いになるため、荷台乗車が可能となります。

ただしこれは、あくまで撮影行為に限定した特例であり、撮影区間や速度、誘導員の配置などが厳密に管理されます。一般利用として同じことを行うことはできません。

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イベントで合法に行うための必要手続き

イベントでどうしてもトラックを使いたい場合、荷台に人を乗せたまま公道を走るには、通常の道路使用ルールでは認められません
合法的に運行するためには、以下のような特別な手続きや代替手段を選ぶ必要があります。

  • 道路使用許可の取得(警察署)
  • 道路占用許可の取得(道路管理者)
  • 走行ルートの規制・歩行者天国化など、車両を一般車両として扱わない状態を作る
  • 荷台に人を乗せず、代わりにステージトレーラー・山車専用車両を使用する

実務的には、多くの自治体が安全面の理由から荷台乗車を伴う運行を認めていません
そのため、イベントで人を乗せて移動させたい場合は、専用のステージ用車両や台車の使用が最も現実的な方法となります。

トラック荷台に人が乗ることの危険性

転落・急ブレーキ・車体揺れによる事故リスク

トラックの荷台には座席やシートベルトがなく、囲いも強固ではありません。このため、急ブレーキ・急加速・カーブでの車体揺れなど、わずかな動きでも人が大きく振られます。
特に荷台は滑りやすい素材も多く、支えがないため、強い揺れが加わると簡単に転倒・転落してしまう危険性があります。
走行中にバランスを取ること自体が困難で、車外へ投げ出されるリスクは想像以上に高いといえます。

実際に発生した事故例

荷台乗車に関する事故は毎年報告されており、転落・頭部外傷・死亡事故につながるケースもあります。
例えば、作業員が荷台に立った状態で移動していた際、道路の段差で体が跳ね上がり、そのまま後方に転落して重傷を負った事故が発生しています。
また、祭りの準備中に荷台に複数名が乗って移動していたところ、急ブレーキで全員が前方へ投げ出され、重軽傷者が出た事例も確認されています。

これらの事故は、荷台が「人を安全に乗せるための構造ではない」ことが直接的な原因となっています。

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荷台乗車が禁止されている安全上の理由

荷台乗車が法律で禁止されている最大の理由は、人を守るための安全装備が一切ないという点にあります。
座席・シートベルト・頭部保護・側面の強固な囲いなど、人が乗る場所に必要な要素が欠けているため、事故が起きれば被害が大きくなるのは避けられません。

さらに、荷台は整備工具・資材・荷物を積む前提で設計されており、急な揺れで荷物が倒れて人に当たる危険や、滑って踏み外すリスクもあります。
こうした構造上の問題から、荷台乗車は禁止されているというより「危険すぎて許可できない」行為と言えます。

一般利用で荷台に人を乗せたい場合の注意点

「ちょっとだけだから」は違法になる?

荷台に人を乗せる行為は、走行距離が短くても、速度が遅くても、公道であれば明確に違法です。
「近所まで少し移動するだけ」「数分だけだから」といった理由は一切考慮されず、道路交通法上は違反として同じ扱いになります。
事故はわずかな移動中にも発生しており、わずかな時間でも転落・接触事故のリスクが高いため、短距離であっても絶対に避けるべき行為です。

家族や友人を乗せるケースでの罰則

家族や友人を荷台に乗せて走行した場合も、法律違反として扱われます。
運転者には「乗車積載方法違反」が適用され、違反点数1点・反則金(大型車12,000円/普通車9,000円)が科されます。
また、事故が発生すれば運転者は重過失責任を問われ、民事・刑事の双方で大きな負担が発生します。

「本人が了承していた」「安全に配慮していた」という主張も、法律上は免責になりません。
運転者の責任で、人を適切な座席に乗せてシートベルトをさせる義務があるためです。

シートベルト

公道以外(私有地)なら乗ってもよいのか

私有地のように道路交通法が適用されない場所であれば、法的には荷台に人が乗ること自体は違法ではありません
しかし、法律で罰則がないだけで、危険性がなくなるわけではなく、事故が起きれば運営者や所有者の管理責任が発生します。

特に広い敷地内でのイベントや農作業などでは、荷台乗車による転落事故が実際に起きているため、速度を出さない・走行中は人を立たせない・荷物を固定するなど、安全への配慮が不可欠です。
公道以外であっても、可能な限り荷台に人を乗せない運用が望ましいといえます。

荷台に乗らずに済む代替手段

トラック荷台に人を乗せる代わりに、安全かつ実務的に目的を達成する方法を紹介します。作業効率や演出効果を損なわず、かつ危険と法的リスクを避ける選択肢を優先してください。

作業用ステップ・作業台など安全に作業する方法

荷台上で行っていた積み下ろし・点検・軽作業は、専用の作業用ステップや折りたたみ式作業台を使うことで安全に行えます。作業台は荷台脇に固定できるタイプや、地面に設置して荷物を下ろす際の高さを補うタイプなど用途別に選べます。安定性の高い脚部や滑り止め、手すりがついている製品を選び、作業時は必ず荷物を固定し、同時に複数人での作業を避けるなど作業手順も見直してください。
また、作業が高所に及ぶ場合は可搬型の脚立や昇降機(リフト)を用い、荷台に人が長時間立つ必要がないように工程を組むことが重要です。安全帯やヘルメットなどの保護具も必須です。

仕事

移動が必要な場合の安全な輸送手段

人を移動させる必要があるときは、荷台以外の安全な輸送手段を選びます。具体的には以下のような選択肢があります。まず最も安全なのは「座席のある車両(乗用車・ワゴン)」での輸送です。人数が多い場合は、送迎用のミニバスや複数台に分ける方法が現実的です。業務で近距離を複数回移動する必要がある場合は、台車や人を載せられる専用の作業車(架装車)を利用すると良いでしょう。これらは座席や手すり、シートベルトなど人を守る構造が備わっています。
いずれの場合も、輸送前に乗員の安全確保(座席での着座・シートベルト着用)を徹底し、必要ならば労災保険や業務手順の整備を行ってください。

イベントならトレーラー・台車・特設車両の活用

祭礼やパレード、撮影などイベントで「見せる」必要がある場合は、荷台に人を無理に乗せるのではなく、目的に合わせた専用車両や装置を用意します。ステージトレーラーや舞台車(荷台を改造して安全柵や床面を整えた車両)、足場付きの台車、または公道を使う演出なら車両を停止して周囲を規制したうえで所定の場所で行う等、安全管理を前提とした設計が必須です。
さらに、公道での移動を伴う場合は警察への道路使用許可や道路管理者への調整が必要になることが多く、イベント保険の加入や誘導員・救護班の配置など安全対策を事前に整える必要があります。運用は自治体や関係機関の指導に従い、荷台での簡易的な代用は避けてください。

まとめ:荷台乗車は原則NG。利用目的に応じた安全な方法を選ぼう

トラック荷台への乗車は公道では原則禁止であり、危険と法的リスクを伴います。

作業や移動、イベントの目的がある場合でも、まずは荷台に人が乗らずに済む方法を優先してください。

作業は作業台やリフトで代替し、人の移動は座席付き車両や専用輸送で行い、イベントでは専用車両や必要な許認可・安全対策を整えて実施することが基本です。安全対策や手続きが煩雑な場合は、運送業やイベント運営の専門業者に相談するのが最短で確実な方法です。

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