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ブレーキパッドの寿命ってどのくらい?交換費用や方法も解説!

ブレーキパッド

ブレーキの制動に関わるブレーキパッドは、安全に運転をするうえでとても重要なパーツです。寿命がきた場合は、速やかに交換しなければなりません。ではブレーキパッドの寿命とはどのくらいなのでしょうか?今回はブレーキパッドの寿命をはじめ、パーツの交換費用や方法なども合わせて解説します。

ブレーキパッドってどんな部品?

ブレーキパッドとは

そもそもブレーキパッドがどのようなパーツであるのか、詳しくご存知でしょうか。「ブレーキ」とつくからには、車の制動に関わる重要なパーツであることは、想像に難くありません。しかしその細かな役割や仕組みなどを知らないまま、車を運転している方も多いのではないでしょうか。ここではブレーキパッドが担う役割や、パーツの仕組みを解説していきます。

ブレーキの制動を担う重要なパーツ

繰り返しになりますが、ブレーキパッドとはブレーキ部分の制動をおこなうパーツです。自動車とバイク、どちらの乗り物にもついています。

自動車の場合のブレーキパッドは、タイヤ内部についた「ブレーキローター」とセットとなっているパーツです。ブレーキローターとは、タイヤと連動して稼働する金属製の部品のことを指します。

ブレーキの仕組みは?

ブレーキパッドの仕組みについて理解するために、まずはブレーキ全体の仕組みを説明します。普通の乗用車であればフロント部分は「ディスクブレーキ」リア部分は「ドラムブレーキ」方式が採用されています。熱につよいディスクブレーキが前輪、制動力の強いドラムブレーキが後輪に採用されているようです。ブレーキパッドはディスクブレーキ方式に使われています。

ディスクブレーキ方式では、主に以下3つのパーツから成っています。

1. ブレーキパッド 2. ディスクローター 3. ブレーキキャリバー

上記3つが連動することによって、ペダルを踏むだけでブレーキ機能が使えるのです。

運転手がブレーキペダルを踏むと、まず初めにマスターシリンダーを介してブレーキキャリバーへ力が加えられます。ブレーキキャリパーにはブレーキパッドが取り付けられており、その力でブレーキローターを挟み込みます。挟み込むときに生じた摩擦を使い、ローターの回転を止め、車を停止させることができるのです。

これらの仕組みから、ブレーキパッドが他2つのパーツと密接に繋がっていることがおわかりいただけるでしょう。つまり3つのうちひとつでも不具合が生じれば、ブレーキ機能が損なわれるということです。

ブレーキパッドを交換しないとどうなる?

ブレーキパッド交換しないと

寿命を迎えたブレーキパッドを、そのまま放置して運転を続けた場合、どのような事態が想定されるでしょうか?

ブレーキパッドの交換を怠ることで起こる最悪の事態は、ブレーキが効きにくくなることによる事故です。摩擦力のあるブレーキパッドがなくなれば、ブレーキパッドの底の金属部分でディスクローターを挟むことになり、制動力が大きく下がります。通常時の運転から、ブレーキは必ず使う機能であり、これが効かなくなれば急ブレーキなどを伴う場合、事故は免れません。

防止的にブレーキパッドが薄くなってくるとブレーキをかけた時にキーキーと高音がなるようになりますが、それも無視しているとブレーキキャリパー自体に傷がいってしまいます。また、音もブレーキをかけるたびにゴリゴリと違和感のある音になります。

ディスクローターに傷が行ってしまうと、当然交換しないといけなくなるので、早めに対処していればブレーキパッドの交換のみですむものが何倍もの部品代を払うことになります。

まとめるとブレーキパッドを交換せずに、放置することのデメリットは、事故を起こすリスクが高くなる他、いずれ高額な交換費用が発生することになるということです。

ブレーキパッドの寿命は?

ブレーキパッド寿命

ではどの程度使ったタイミングで、ブレーキパッドを交換すればよいのでしょうか?ブレーキパッドを交換するタイミングの目安は、車を運転する頻度などによって異なります。

ここではブレーキパッドの寿命を、厚みや異音(警告音)、走行距離といった3つの視点から解説していきます。もちろん、走行距離が目安に達していない場合でも、厚みが寿命を迎えているなどのケースがあるでしょう。4つのうち、いずれかの項目で寿命と判断された場合は、速やかにブレーキパッドの交換を検討してください。

厚みから見る寿命

ブレーキパッドの厚みは、目視で簡単に確認できます。ブレーキパッド本体の内側を見て、残量を確認するときは、以下の手順に沿っておこなってください。

  1. ジャッキを用いてホイールを外す
  2. 外したタイヤをディスクローターの下におき、安全確保する
  3. キャリパーの点検窓よりブレーキパッドの厚みを確認する

新品のブレーキパッドは、厚みが1cmほどあります。前回交換してからの期間などを計算しながらタイミングを図ってください。半分くらいになっていたら、次回の点検や車検のタイミングで交換しましょう。

万が一、3mm以下になっていた場合は、車検が近くない限りはこのタイミングで交換しましょう。1mm以下であれば、直ちに交換してください。

なお、メーカーなどでは残り2mmが限度(交換目安:30,000km~50,000km)が推奨されています。

異音や警告音

先ほどブレーキパッドの厚みが、残り3mm以下となっている場合、早急に交換しましょうと説明しました。このようなケースでは、目視をするまでもなく異音や警告音が発生している可能性があります。逆にいえば、異音や警告音が発生しているときは、ブレーキパッドの残りが3mmを切っている証拠ともいえるでしょう。

ブレーキパッドの残りが少なくなった場合の警告音や異音は、「キーキー」とした甲高い音や、「シャリシャリ」とした音であることが多いです。他にも、ブレーキパッドに割れが生じている場合には「カラカラ」、錆などの異物がついている場合には「ゴー」といった異音が発生します。いずれにしても異音が発生している場合は、なんらかの不具合が生じている可能性が高いため、すぐに点検してください。

センサー付きの高グレード車であれば、ブレーキパッドの残りが少なくなると、警告灯で知らせてくれるものもあります。

走行距離から見る寿命

走行距離も、ブレーキパッドの寿命を知るうえでの目安となります。乗り方にもよりますが、一般的に走行距離が1万キロごとに、ブレーキパッドは1mm減るといわれています。つまり走行距離が、5万〜7万キロに達している車は、ブレーキパッドの交換を検討するべきでしょう。

また、ブレーキパッドは薄くなればなるほど、減っていくスピードがあがります。0〜5万キロまでと、5万〜7万キロまでの速度は異なることを覚えておきましょう。基本的に、5万キロを超えたら次の点検時に交換するのがおすすめです。

当然急ブレーキやブレーキの頻度が少ないほうが、ブレーキパッドの消費は少ないので、エコ運転を心がけましょう。

ブレーキパッド交換にかかる費用は?

ブレーキパッド交換費用

ここからは実際にブレーキパッドを交換する場合について、説明していきます。まず気になるのが、交換に必要となる費用ではないでしょうか。ブレーキパッドの交換費用の内訳は、ブレーキパッド本体の費用+交換工賃であることが一般的です。ブレーキパッドには、フロント用とリア用といった2種類があります。そして、それぞれ左右の車輪分を合わせて1セットです。

ではブレーキパッド本体と交換工賃の費用の相場を、以下で紹介します。

ブレーキパッド本体価格の相場

ブレーキパッド本体にかかる費用の相場は、軽自動車が7,000円、普通自動車で8,000円ほどです。どちらも1セットの価格となるので、重量級のミニバン、高級車などリアにもディスクブレーキ方式を採用していて、どちらも交換する場合は、2セット必要となります。

ブレーキパッドの本体価格は、車種によっても異なり、高額な場合は1万円を超えることもあります。ミニバンやスポーツカー、高級車は15,000円以上であることも珍しくありません。これらの車種が高額でるのは、ブレーキパッド本体のサイズが大きいためです。2セットで3万円以上であるため、ある程度高額なパーツといえるでしょう

交換工賃の相場

工場などでブレーキパッドを交換する際は、本体価格に加えて交換工賃も発生します。交換工賃においても、車種によって差が生じます。

ブレーキパッド1セットを交換する際、工賃の相場は、軽自動車で6,000円、普通自動車で8,000円ほどです。ブレーキパッド本体と同様に、スポーツカーなどは高額になる可能性があります。

また工賃の相場は、依頼先によっても差が生じます。ディーラーに依頼する場合は、本体価格と交換工賃がともに、少し高くなることもあるでしょう。いずれにしても数千円の差なので信頼できる業者に依頼すればよいでしょう。

交換費用を安くしたいなら?

ブレーキパッド交換費用安く

比較的、交換費用が高額となるブレーキパッド。安全に直結するパーツとはいえ、抑えられるものならば費用を節約したいというのが本音でしょう。ブレーキパッドの交換費用を安く済ませる方法は、以下のとおり4パターンあります。

  • カー用品店
  • 整備工場
  • 車検のタイミング
  • 自分で

カー用品店や修理工場の場合、純正ではない社外品のパーツを使用します。なかには本体価格が半額ほどに抑えられるケースも少なくありません。また純正でないから、品質が落ちるともいえず、社外パーツであっても引けを取らない製品もあります。

車検や12ヶ月点検のタイミングで交換すると、交換工賃を抑えることができます。その他の点検作業とともにおこなうので、場合によっては実質交換工賃が無料となるケースもあります。

環境さえ整っていれば、ユーチューブで見ながら、ブレーキパッドは自分でも交換できるかもしれません。その場合、必要となる費用は本体価格のみであるため、当然コストを削減できるでしょう。しかし、正しく装着できておらず、後々トラブルになってしまうこともあり、その場合に別途費用がかかる可能性も考慮しなければなりません。結果的には「工場やディーラーに任せたほうが安かった」という可能性もあるため、注意してください。

ブレーキパッドの交換方法は?

ブレーキパッド交換作業

ブレーキパッドを交換するためには、いくつかの方法があります。「業者」や「ガソリンスタンド」へ依頼する方法に加えて、自分で交換するという方法です。ブレーキパッドは、安全運転に関わる重要なパーツ。費用だけでなく、信頼できるか否かを重視して、交換方法を検討しましょう。ここでは既出のケース3つについて解説します。

整備事業者に依頼して交換する

ひと言で業者といっても、ディーラーやカー用品店、民間整備工場などのパターンがあります。ブレーキパッドの交換作業は、地域ごとの運輸局長から認証(または指定)を受けた整備事業者でなければできません。

ブレーキパッドを交換する際は「指定自動車整備事業」または「自動車分解整備事業」といった標識(オレンジや青)のある業者に依頼してください。

飛び込みでは対応できない場合もあるため、必ず事前予約しましょう。

ガソリンスタンドで交換する

ガソリンスタンドでも上記認証を受けていれば対応してもらえるでしょう。

自分で交換する

先程も触れましたが、ブレーキパッドは自分でも交換できるパーツです。ブレーキパッド本体の費用のみで交換できるため、コストを抑えることができます。次の項目で解説します。

自分でブレーキパッドを交換する方法

ブレーキの制動に直接関わるブレーキパッドですが、実は自分自身でも交換することができるのです。しかし手順を間違えると、修復できない可能性もあります。セルフでブレーキパッドを交換する際は、工具や手順をしっかりと確認しておきましょう。

事前に用意するもの

ブレーキパッドを交換する際は、以下の工具を用意しておきましょう。

  • グリス
  • ウエス
  • ジャッキ
  • クロスレンチ
  • トルクレンチ
  • C型クランプなどピストンを戻す道具(代用可能)
  • スパナ(メガレンチ・メガネレンチでも可能)

いずれの工具も、カーショップまたは、ネットで購入できます。またスムースに作業をすすめるうえで、以下のようなグッズも揃えておくと安心です。

  • 作業用の手袋
  • 紙やすり(荒削り)
  • 部品や工具を置く器

交換する手順

  1. ジャッキを用いて、車体を持ち上げる
  2. クロスレンチを用いて、ホイールのボルトを外す
  3. ホイールを外す
  4. スパナ(またはレンチ)を用いて、ブレーキキャリパーのボルト外し、開く
  5. ブレーキパッドが減った分、ピストンが出ていることを確認
  6. C型クランプなどを用いて、元の位置まで押し込む(傷つけないように布やゴムをかます)
  7. ブレーキローター側のブレーキパッドを外側に向かって引き、外す(向きをよく確認しておく)
  8. 周辺の部品をクリーニングしたうえで、ブレーキパッドの外側にグリスを塗る
  9. 紙やすりを用いて、内側を磨く
  10. 新しいブレーキパッドを装着
  11. 新しいブレーキパッドを装着
  12. ホイールを装着し、ボルトを締めて完了

点検テストをする

すべての作業が完了したら、点検しテストをします。ブレーキフルートの残量を確認したのち、エンジンをかけずにブレーキペダルを30回ほど踏みます。

ブレーキの感触が戻るまでペダルを踏み、新たなブレーキパッドを押せる状態にします。この作業を怠ってしまうと、ブレーキがまったく効かない状態となってしまうので、注意してください

その後、安全なところで徐行し、ブレーキの効き目を確認します。しっかりと停止できることは当然として、以前までと同じ力で踏み込んでも問題ないかを確認しましょう。

ブレーキパッド交換の注意点

ブレーキパッド交換作業2

自分でブレーキパッドを交換する際は、注意点があります。ここでご紹介する2点を無視してしまうと、法律違反を犯してしまったり、いざというときにブレーキが効かなかったりなどのリスクを抱えることとなります。ここではブレーキパッドを交換できるのは、自分の車のみであることや、テスト走行の重要性について解説します。

交換できるのは、自分の車のみ

ブレーキパッドを交換できるのは、自分の車だけです。他の人に頼まれたからといって、他人のブレーキパッドを交換してしまうと、道路運送車両法78条に違反することとなってしまいます。

たとえ、自身が整備士の資格を保有していたとしても、認証された工場以外で交換作業をすることは法律違反です。また交換作業を代行した車に、万が一のトラブルが起きたとしても、責任を負えませんよね。絶対に止めましょう。

テスト走行は必ずしよう!

自身の車のブレーキパッドを交換した際にも、注意が必要です。それは作業完了時に、必ずテスト走行をおこなうことです。

万が一テスト走行の時点で、ブレーキに違和感がある場合は、早急に近くの整備工場で検査を受けてください。ブレーキに違和感がある状態での走行は危険なので、念のため、レッカーサービスを利用すると安心です

バイクのブレーキパッドはここが違う!

バイクブレーキ

ブレーキパッドは、バイクにも付いたパーツです。しかし車に装着されているブレーキパッドとは、少し異なります。ここではバイクと自動車、それぞれの交換時期や、交換方法の違いを解説していきます。ライダーにとって、ブレーキの不備は、即、 命に関わります。バイクを保有している方は、車との違いをよく確認しておきましょう。

交換時期が違う

バイクと車のブレーキパッドは、仕組み自体は同様です。そのため交換する手順自体に大きな差はなく、車と同様に、バイクのブレーキパッドもセルフで交換できます。

しかし、ブレーキパッドに付随する部品は、車よりもバイクのほうが細かくなります。作業のしにくさや、部品の紛失などといった可能性があるため、認証工場への依頼がおすすめです。

ブレーキパッドは定期的に交換しよう!

ブレーキパッドまとめ

ブレーキパッドの寿命について解説しました。寿命とともに仕組みや費用、交換方法などもおわかりいただけたでしょう。ブレーキの制動は、事故を未然に防ぐためには欠かせません。つまりブレーキの効き目を左右するブレーキパッドは、安全に直結するパーツなのです。交換には相応の費用が発生しますが、安全に関わるため、節約しすぎないように注意してください。

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