故障した車に保険は使える?基本の考え方を解説
事故と故障の違いとは?保険対象になるケース・ならないケース
まず押さえておきたいのが、「事故」と「故障」は自動車保険の上で明確に区別されているという点です。
原則として、自動車保険は「偶然の事故」による損害を補償するものであり、自然な劣化や経年劣化による「故障」は対象外となります。
たとえば以下のような違いがあります。
保険の対象になる例(事故)
- ガードレールにぶつけてフロントバンパーが破損
- 台風で車が冠水し、エンジンが故障した
- いたずらでボンネットを壊された
保険の対象にならない例(故障)
- 長年の使用でエアコンが効かなくなった
- 経年劣化によるバッテリー上がり
- オイル漏れやセンサーの不具合など機械的故障
つまり、「突然の外的要因」がある場合は保険適用が可能ですが、「自然に壊れた」だけでは、たとえ修理費が高額でも保険金は支払われません。
とはいえ、全ての「故障」が対象外というわけではなく、ある条件や特約を満たすことで補償される場合もあります。次の項目で詳しく見ていきましょう。
故障で使える自動車保険の種類
基本的な自動車保険(自賠責+任意保険)で、故障に対して直接使える補償は多くありません。しかし、車両保険に加入している場合や、特約を付けている場合には一部対応可能です。
以下のような保険が、故障に関連して使える可能性があります。
- 車両保険(一般型)
→ 事故や災害に伴う故障(衝突、水没、火災など)に対応 - 車両保険(エコノミー型)
→ 盗難や火災には対応するが、自損事故・相手のいない衝突などは対象外 - ロードサービス特約
→ レッカー移動や応急修理が無料で受けられる - 故障修理費用特約(加入者のみ)
→ 経年劣化による一部の機械故障も補償対象になる可能性あり
つまり、「故障=即アウト」ではなく、加入している保険の内容によって補償の幅は変わるのが実情です。
その中でも、特に見落とされがちで注目すべきなのが「故障修理費用特約」です。
「故障修理費用特約」って何?加入しているか確認しよう
「故障修理費用特約(名称は保険会社によって異なる)」とは、事故とは関係ない機械的な故障を一部カバーする数少ない保険のオプションです。
この特約を付けていれば、以下のような修理費用が補償される場合があります。
- エンジン内部の機械的故障
- トランスミッションや電気系統の異常
- ブレーキ、ステアリング、サスペンションなどの構造部品のトラブル
ただし、以下のような制限も多く見られます。
- 補償対象の年式・走行距離に上限あり(例:初度登録から5年以内、走行10万km未満など)
- 1回の修理上限額(例:10万円〜30万円)あり
- 一部の消耗品や部品(バッテリー、タイヤ、オイル等)は対象外
この特約は全ての保険に標準で付いているわけではなく、契約時に明示的に申し込みをしていないと加入していない可能性が高いため、今すぐ保険証券や契約内容を確認するのがおすすめです。
故障リスクの高い年式・車種に乗っている方にとっては、有効な備えとなる特約です。未加入の場合は、次回更新時に検討してみても良いでしょう。
故障時に使える保険の種類
ロードサービス特約による補償内容
故障が原因で車が動かなくなった場合、多くの任意保険に付帯されている「ロードサービス特約」が力を発揮します。これは修理そのものを補償するものではありませんが、現場対応や搬送を無料で受けられる重要なサービスです。
代表的な補償内容は以下の通りです。
補償内容 | 詳細 |
---|---|
レッカー移動 | 故障現場から一定距離(例:15〜100km)まで無料搬送 |
バッテリー上がり対応 | 現場でジャンプスタート対応 |
パンク修理・スペア交換 | 作業スタッフが現地で対応 |
キー閉じ込み対応 | 開錠作業の実施(電子キーの一部除く) |
燃料切れ | 一定量のガソリンまたは軽油を無料で給油 |
ただし、補償範囲や利用回数制限は保険会社ごとに異なるため、自分の加入内容を確認しておくことが大切です。
故障時の代車提供サービス
車が故障して修理に日数がかかる場合、保険に付帯する代車特約(または「レンタカー費用補償特約」)によって、代替車両の貸出費用をカバーできる場合があります。
この特約のポイントは以下の通りです。
項目 | 内容例 |
補償対象 | 故障・事故・災害などで自車が使用不能な場合 |
貸出日数 | 最大15日〜30日程度(保険会社による) |
対象となる車種 | 軽自動車〜コンパクトカー相当が中心 |
補償金額 | 日額5,000円〜10,000円程度が上限の目安 |
代車の提供は「車両保険加入+特約あり」が前提になることが多く、車両保険に未加入の方は対象外となることがある点に注意が必要です。
保険を使うとどうなる?等級・保険料への影響
車両保険を使うと翌年の保険料は上がる?
車両保険を使えば修理費用の補償を受けられますが、その代わりに翌年の保険料が上がるリスクがあります。これは「等級制度」によって決まっており、保険金を請求すると等級が下がり、保険料が割増になります。
たとえば、20等級(最上位)から1事故で3等級下がった場合、以下のような差が生じます。
項目 | 保険金請求なし | 車両保険を使用した場合 |
翌年の等級 | 20等級(割引約63%) | 17等級(割引約45%) |
割引率の変化 | 維持 | 約18%減 |
保険料(例) | 年間4万円 | 年間5〜6万円になる可能性あり |
つまり、保険を使って得られる金額より、保険料の上昇分の方が高くなる場合があるということです。
等級が下がるパターンと、ノーカウント事故の違い
すべての保険利用が等級に影響するわけではありません。中には「ノーカウント事故」と呼ばれ、保険を使っても等級が下がらないケースもあります。
種別 | 等級に影響 | 主な内容 |
通常の車両保険利用 | あり(通常3等級ダウン) | 事故・衝突・災害による損傷の補償 |
ノーカウント事故 | なし | 盗難、台風などの自然災害、いたずらなど |
ロードサービス利用 | なし | レッカー、鍵開け、バッテリー対応など |
「ノーカウント事故」であれば等級ダウンを気にせず利用できますが、内容によって保険会社の判断が分かれることもあるため、申請前に確認を取るのが安全です。
保険金額よりも負担増?“保険を使って損する”ケースとは
保険を使って修理費用が出ても、結果的に「使わない方が得だった」と後悔するケースは少なくありません。とくに以下のような状況では注意が必要です。
- 修理費:12万円
- 保険免責額:5万円(自己負担)
- 実際に受け取れる保険金:7万円
- 翌年以降の保険料:年間1.5万円アップが3年続く=合計4.5万円増
この場合、保険金で得られる金額(7万円)より、保険料増による負担(4.5万円+免責5万円)で赤字になる可能性があるのです。
目先の負担を抑えるために保険を使いたくなる気持ちはわかりますが、トータルで見て損になることもあるので、判断は慎重に行いましょう。
保険を使うか自費にするかの判断ポイント
修理費用がいくら以上なら保険を使うべき?
「保険を使うかどうか」の判断基準は、修理費用が保険を使うことで得られる金額を上回るかどうかです。具体的には、「免責金額(自己負担分)」と「将来的な保険料の増加(等級ダウン)」の合計よりも、保険金の方が多ければ使う価値があるといえます。
目安としては以下のように考えられます。
修理費用(目安) | 判断の目安 |
---|---|
~10万円未満 | 原則として自費修理の方が得なケースが多い |
10万円~20万円 | ケースバイケース。免責額・等級などと比較が必要 |
20万円以上 | 保険利用の検討価値あり(等級への影響と保険料を考慮) |
ただし、事故の内容や保険会社の評価によっては「ノーカウント事故」に該当する可能性もあるため、判断に迷うときは事前に保険会社へ相談することが重要です。
「免責金額」と「割増保険料」の計算イメージ
実際に保険を使った場合、どのくらいの金銭的差が出るのか、以下のシミュレーションをご覧ください。
例:修理費が15万円の場合
項目 | 内容 |
修理費用 | 150,000円 |
免責金額(自己負担) | 50,000円(契約により異なる) |
保険で受け取れる額 | 100,000円 |
等級ダウンによる増加保険料 | 年15,000円 × 3年間 = 45,000円 |
実質的な損得 | 保険利用による得:100,000円、負担:95,000円 → 差額5,000円の得 |
このように、わずかに得でも、今後の保険料アップや手続きの手間を考えると「使わない方が気楽だった」と感じることもあるため、金額だけでなく気持ちの負担も考慮しましょう。
保険を使う前にやっておくべきチェックリスト
実際に保険を使う前には、以下の点をしっかり確認しておくことが大切です。
チェック項目 | 内容 |
① 保険の種類と補償範囲を確認 | 車両保険か、特約が適用されるかどうか確認 |
② ノーカウント事故かどうかを確認 | 等級に影響する事故かを保険会社に相談 |
③ 免責金額がいくらか確認 | 契約時に設定した自己負担額を再確認 |
④ 修理費と受取額、将来の保険料負担を比較 | どちらがトータルで得か、簡単な試算をして判断 |
⑤ 等級がどのくらい下がるか確認 | 3等級ダウンの場合、次年度の保険料が大きく変動する |
このチェックを通じて、「保険を使って得か損か」を冷静に判断できるようになります。焦って使ってしまう前に、一度立ち止まって確認しておきましょう。
故障がひどい・修理不能ならどうする?最適な対処法とは
修理不能・高額修理なら“廃車”という選択も
もし故障の程度が深刻で、「修理しても再発のリスクが高い」「修理費用が車の価値を大きく上回る」といった状況であれば、思い切って廃車を検討するのも一つの有効な判断です。
特に、エンジンやトランスミッションといった中核部品が壊れた場合は、修理費が数十万円から時には100万円近くに達することも珍しくありません。そのような高額修理は、年式の古い車では“費用対効果”が見合わなくなるケースが多く、「また別の部分が故障するかもしれない」という不安もつきまといます。
修理して乗り続けるか、廃車にして買い替えるかの判断には、車の現在の価値、修理費、今後の維持費などを総合的に見て判断することが大切です。
廃車でも保険金が出る?「全損扱い」の基準と申請方法
故障が事故や災害を伴うものであった場合、車両保険に加入していれば、廃車時に「全損扱い」として保険金が支払われる可能性があります。全損とは、簡単に言えば「修理費が車の時価(保険会社が算出する現在の市場価値)を超える」と判断された状態を指します。例えば、時価が20万円の車に対して修理費が25万円かかる場合、保険会社が「全損」と認定する可能性が高く、時価相当額を上限として保険金が支払われます。
申請の際にはいくつかのポイントに注意が必要です。まず、故障の原因が事故や災害など保険の対象であることが条件となります。また、修理見積書など修理費用が確認できる書類を提出しなければなりません。さらに、車両の査定や保険会社による確認が行われる場合もあります。
全損扱いとなった後は、車検証の返納やナンバーの返却といった廃車手続きも必要となるため、これらの手続きの流れを事前に把握しておくとスムーズに進められます。
廃車買取サービスを使えば、保険未使用でも損せず処分可能
故障が「保険の対象外」であったり、「全損にはならない」と判断された場合でも、廃車買取サービスを活用すれば、無駄な費用をかけずに車を手放すことができます。
一般的に、「動かない車」や「車検切れの車」は処分費用がかかると思われがちですが、実は鉄資源や部品としての再利用価値があるため、買取対象となるケースが多いのです。
特に、以下のようなサービスを選ぶと、手間もコストも抑えられます。
- レッカー引き取り無料(不動車でもOK)
- 廃車手続き代行無料
- 査定後すぐに買取金額を提示
- 自動車税やリサイクル料の還付サポートあり
保険を使っても等級が下がるリスクがある場合には、あえて保険を使わず、買取金額だけを受け取って手放す方が得になることも十分にあります。
たとえば、弊社「廃車ひきとり110番」では、全国対応・完全無料で故障車や事故車の買取を行っており、「保険を使わずに車を処分したい」「手続きが面倒で困っている」といったお客様にも多数ご利用いただいています。
修理に悩んだら、まずは一度無料査定を受けてみるのも、冷静な判断材料になります。
まとめ|「保険を使うか迷うとき」は、総額と今後の負担を比較しよう
等級・保険料・修理費のトータルバランスが判断のカギ
故障時に自動車保険を使うべきか、それとも自費で修理すべきかの判断は、「今の修理費」だけを見て決めるのは危険です。
保険を使えば短期的には負担が軽減されても、等級ダウンによる保険料の増加が数年にわたってのしかかる可能性があり、トータルで見れば損をしてしまうこともあります。
逆に、修理費が高額で「等級ダウンしても補償額が大きい」ようなケースでは、保険を活用するのが正解です。
つまり重要なのは、
・修理費用の実額
・免責金額(自己負担分)
・等級変動による将来の保険料負担
この3つを組み合わせて総合的に判断すること。目先の出費だけでなく、長期的な損得を冷静に比較することが必要です。
保険以外のサポート(ロードサービス・故障特約)も見直しを
意外と見落としがちなのが、保険に付帯されている「特約」や「無料サービス」の内容です。
たとえば、ロードサービス特約があればレッカー代や応急修理が無料になることもあり、「保険金を使わずにトラブルを乗り切れる」場合もあります。
また、「故障修理費用特約」に加入していれば、自然故障でも一部補償が受けられるため、通常の車両保険とは違う形でカバーできることも。
保険証券やマイページを確認して、自分がどんなサポートを受けられるのか、一度チェックしておくと安心です。
必要に応じて、次回の更新時に特約の追加やプラン変更を検討することも、有効な備えになります。
廃車か修理か悩んだら「プロの無料査定」で冷静に判断を
故障の程度によっては、「修理してもすぐ別の部分が壊れるかもしれない」「思ったより高くつくかも」と不安になることもあるでしょう。
そんなときは、修理と廃車、両方の選択肢を持ったうえで判断することが大切です。
特に、「もう乗り換えを考えていた」「年式が古い」などの場合は、廃車も現実的な選択肢になります。
最近では、故障車でも無料で引き取ってくれて、買取金額がつくサービスも増えており、保険を使わずに車を手放す方法としても有効です。
たとえば「廃車ひきとり110番」では、全国対応・レッカー無料・書類代行込みで、面倒な手間なく故障車を処分できます。
まずは修理費の見積もりとあわせて、廃車査定を取ってみることで、より納得のいく選択がしやすくなるでしょう。
迷ったときは、感情や勢いで判断せず、金額・将来の負担・選択肢の広さを比べて、冷静に決断することが大切です。