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リサイクル預託金とは?料金や勘定科目の仕訳などをわかりやすく解説

リサイクル預託金とは?料金や勘定科目の仕訳などをわかりやすく解説

リサイクル預託金とは、車の所有者に義務づけられた、車の廃棄時のリサイクル料金を負担するための前払い金のこと。リサイクル料金は、車を売るなどして廃棄しなければ発生しないはずですが、預託金は戻ってくるのでしょうか。この記事ではリサイクル預託金の仕訳や勘定科目についても解説します。

リサイクル預託金とは?

リサイクル預託金とは?

リサイクル預託金とは、金属をはじめさまざまな原材料でできている自動車を廃車にするにあたり、大部分をリサイクルまたは適正に処分するためにかかる費用として、前払いしておくお金です。

地球の環境保護の観点から、廃車となった自動車の金属やゴム部分はほぼ100%が、シュレッダーダスト(廃車くず)は熱エネルギーや塗装材料などにリサイクルされ、自動車全体の90%以上がリサイクルされるといわれています。リサイクル預託金は、このようなリサイクルにかかる費用として使われる、いわば環境を守るためのお金です。

便利な自動車を利用するためには欠かせない費用といえるでしょう。

リサイクル預託金の内訳

リサイクル預託金は、次の5つの項目で構成されています。

  • シュレッダーダスト料金
  • フロン類料金
  • エアバッグ類料金
  • 情報管理料金
  • 資金管理料金

料金は、シュレッダーダスト料金とフロン類料金、エアバッグ類料金は自動車メーカーや輸入業者が設定します。ただし並行輸入者などの場合の設定者は自動車リサイクル促進センターです。また情報管理料金と資金管理料金は、自動車リサイクル促進センターが料金を設定します。

シュレッダーダスト料金

シュレッダーダストとは、廃車となった自動車にあるリサイクルできる部品から鉄などの金属資源を取り除いた後に残る、樹脂やゴムなどのくずをいいます。さまざまな原材料のくずが混ざり合った、再利用のしづらい廃棄物です。

シュレッダーダストのなかには、一部のゴムのように原材料に戻し再利用できるものもありますが、そうでないものも燃やして熱源とするなどして何かしらに再利用します。とはいえ、大小さまざまなくずを原材料ごとに選り分けるのは大変です。

シュレッダーダスト料金は、このように手間のかかる作業のコストを賄う費用として設定されています。

フロン類料金

フロンは、多くが何かモノを冷やすために利用される、本来自然界には存在しない物質です。冷蔵庫やエアコンによく使われていますが、廃車となる自動車のエアコンにももちろん使われています。

フロンは空気中に漏れてしまうと、地球表面の空気の層「成層圏」にあるオゾンを破壊し、太陽からの有害な紫外線によって地上の生命に大きな影響を与えるような危険な物質です。残さず回収して高熱で分解、無害化する必要があります。

フロン類料金は、環境に直接影響を与えてしまう物質の処理に必要な費用です。

エアバッグ類料金

エアバッグ類料金にはエアバッグだけでなく、衝突時にシートベルトを瞬時に巻き取り、体を抑えるための装置「シートベルトプリテンショナー」も含まれます。エアバッグ類は瞬時に動作するため、取り扱いや廃棄には十分な注意が必要です。エアバッグの適正な処理には専門的な技術が欠かせません。

エアバッグ類料金には、エアバッグの適正な処理と、金属部分との分離にかかる費用が含まれます。

情報管理料金

情報管理料金とは、自動車のリサイクルのしくみを公平に適切に運用、維持するとともに関係する問い合わせなどに必要なコンタクトセンターの運営費用など、一連の実務にかかる費用をまかなうためのお金です。情報管理料金は、自動車1台あたり130円とされています。

自動車リサイクルセンターでは、廃車となった自動車のリサイクルに関連する事業者からの報告を受け、各種の情報を保存し適正に管理しているため、必要に応じて関連する事業者等への情報提供が可能です。提供には別途に料金が設定され、書類の入手は有料となっています。

資金管理料金

資金管理料金とは、自動車リサイクルに関する資金管理業務にかかる費用をまかなうためのお金です。資金管理業務とは、新車購入時にユーザーから預かったリサイクル預託金を、実際に廃車となってリサイクルされるまでの期間の、次のような業務を指します。

  • 自動車のユーザーからリサイクル預託金を受け取る
  • 自動車が廃車となるまでの間、リサイクル預託金を適切に管理、運用する
  • 廃車となったとき、シュレッダーダスト類、エアバッグ類、フロン類のリサイクルにかかった費用を支払う

料金は、自動車1台あたり290円(新車購入時預託)または410円(使用済み自動車引取時)です。

対象外になる車種

リサイクル預託金は乗用車だけでなくトラックやバスと言った大型自動車、キャンピングカーなどの特種自動車、私有地内で利用するナンバープレートのない構内車などほとんどの自動車を対象としています。

対象外となるのは次の自動車です。

  • 被けん引車:駆動装置を持たず自走できない車
  • 二輪車:原動機付自転車や側車付きも含む
  • 大型特殊自動車
  • 小型特殊自動車
  • その他政省令で定めるもの:農業機械、林業機械、スノーモービルなど

所有者が変わる場合に料金を負担する人は?

新車を購入するとき、リサイクル預託金は代金と合わせて購入するユーザーが負担します。そのとき負担する証明書となるのがリサイクル券です。

その後自動車を売却すると、自動車の売却代金にリサイクル預託金を上乗せした金額がユーザーに戻ってくる、つまりリサイクル預託金の負担者は新しい所有者に変わります。

中古車として買ったユーザーがさらに別のユーザーに売却するということを繰り返しても、リサイクル預託金の負担は常に新しいユーザーです。こうして引き継がれたリサイクル預託金は、最後自動車を廃車にするときの所有者が負担します。

リサイクル預託金の活用先

リサイクル預託金は、自動車リサイクル促進センターによって適切に記録、管理され、実際に廃車となった自動車にかかった費用として、シュレッダーダスト料金、フロン類料金、エアバッグ類料金が、自動車メーカーや輸入業者に対して払い渡されます。

情報管理料金と資金管理料金は、リサイクル預託金のしくみの維持に使われる、いわば必要経費です。純粋なリサイクルのための費用ではありませんが、このしくみの維持には業務に携わる人の人件費や機器代金、消耗品などの費用もかかります。広い視野で見れば、リサイクルの一部と見なすこともできるでしょう。

リサイクル預託金の料金は?

リサイクル預託金の料金は?

自動車のリサイクル預託金は、自動車メーカーや輸入業者が車種ごとに定めています。これは自動車を実際に解体し粉砕した後に出るシュレッダーダストやフロン類、エアバッグ類といった廃棄物の量や取り外しにかかる手間が異なるためです。

それぞれの金額はリサイクル券に記載されていますが、その他にも確認する方法はあります。

料金の確認方法

リサイクル預託金の金額は、リサイクル券4枚のうち「A券」、預託証明書に記載されています。右半分の「料金欄」に、シュレッダーダスト料金、エアバッグ類料金、フロン類料金、情報管理料金、として記載されている金額です。

もしリサイクル券を紛失しても、自動車リサイクル促進センターには預けた履歴が残っており、事実として証明してもらえます。自動車リサイクルシステムホームページなら、今所有している自動車の車体番号などを入力によって、リサイクル料金の確認が可能です。

ただ車種の金額が知りたいだけなら、自動車メーカーや輸入業者のホームページを参照しましょう。メーカーの発売している車種ごとに「車種別リサイクル料金」が、車種や年式ごとに確認できます。

料金の相場

リサイクル預託金はメーカーだけでなく車種や年式によって細かく設定されています。しかし自動車のタイプや特定の装備品の数によってある程度相場を把握することは可能です。金額の大部分を占めるシュレッダーダスト料金とフロン類料金、エアバッグ類料金の合計金額相場は、次のようになっています。

自動車のタイプ リサイクル料金合計の相場
軽自動車・小型乗用車(エアコン付き・エアバッグ類4個装備) 7,000円〜16,000円程度
普通乗用車(エアコン付き・エアバッグ類4個装備) 10,000円〜18,000円程度
中型・大型トラック(エアコン付き・エアバッグ類2個装備) 10,000円〜16,000円程度
大型バス(エアコン付き・エアバッグ類2個装備) 40,000円〜65,000円程度

上記に、情報管理料金と資金管理料金を加えると、リサイクル預託金の合計金額がわかります。

リサイクル預託金はいつ支払えばよい?

リサイクル預託金はいつ支払えばよい?

法律で定められているリサイクル預託金ですが、これまで支払った覚えがないという人もいるかもしれません。新車を購入する場合、リサイクル預託金は必ず代金に含まれるため、自動的に支払いが済んでいる仕組みです。

また、中古車の場合も、すでに法律の施行からかなりの年月がたっているため、リサイクル預託金が代金に含まれていると考えられるでしょう。並行輸入車や個人的に輸入した車に関しては、初度登録する際に支払います。

ただ、理由はさまざまですが、まれにリサイクル料金の預託されていない車があるのも事実です。また、エアコンやエアバッグがオプション装備の場合は、その部分の預託金が未預託という形になります。

その場合は、廃車時に解体する車(使用済自動車)の引取業者に支払う形になり、引取業者が納める仕組みです。

リサイクル預託金はいつから、そしてなぜ始まった?

リサイクル預託金はいつから、そしてなぜ始まった?

そもそもリサイクル預託金はいつから、そして何のために始まったのでしょうか。基礎的な事柄について解説します。

2005年(平成17年)施行の自動車リサイクル法に基づく制度

リサイクル預託金は「使用済み自動車の再資源化等に関する法律」(通称「自動車リサイクル法」)によって定められた制度です。この法律は2005年に施行され、以来リサイクル預託金の支払いが義務化されています。

二輪車、被牽引車(キャンピングトレーラーなど)、小型特殊自動車、大型特殊自動車、農業および林業機械については、自動車リサイクル法および自動車リサイクル料金の対象外です。

最終処分場のひっ迫対策のため

リサイクル預託金の支払いが義務化された背景には、最終処分場がひっ迫している状況があります。

車を処分する際、リサイクルできない残渣物は埋め立てるしかありません。自動車1台当たりおよそ7キログラム発生します。しかし、近年国内の最終処分場の空きが少なくなってきているため、処分にかかるコストが年々上がっているのが現状です。

日本で1年間に廃車となる自動車の台数は300万台を超えており、リサイクルのためのお金をあらかじめ徴収することでコストの問題を改善し、リサイクル法施工前は増加傾向にあった不法投棄も減らす効果が期待されていました。

結果、不法投棄の数は年々減少傾向にあります。

車はさまざまな製品の中でもパーツを含め90%がリサイクル可能といわれる、リサイクルの優等生です。不法投棄を減らし、しっかりリサイクルすることで産業廃棄物の削減に繋がります。

環境への負担を減らすため

車には環境に有害な物質が使われているため、正しく処分しないと環境を汚染する恐れがあります。

たとえば、有害物質が流出することにより土壌や地下水が汚染されたり、大気に放出されたフロン類がオゾン層を破壊したりすることが考えられるでしょう。

このような、不法投棄を減らすことができれば、環境への負担の軽減が可能です。実際、環境省の調査によると、自動車リサイクル法施行前の2004年には約22万台あった不法投棄・不適正保管車両の数は、2012年には約9,000台、2020年には約4,000台と大きく低下しています。

リサイクル預託金の効果があったといってよいのではないでしょうか。

違反した場合の罰則

リサイクル預託金は法律で定められているものです。しかし、車の購入者は購入時もしくは廃車時に必ず支払うことになるため、違反の恐れはなく、罰則の規定はありません。

罰則の規定があるのは、その処分についてです。登録や許可を得ないで車の解体・分解作業をおこなうと、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。さらに、廃棄物処理業の許可すらない場合は、5年以下の懲役または1,000万円の罰金と、さらに重い罰が下されることに。また、法令上の行為義務を遵守しない場合は、自治体の指導、勧告、命令によって是正され、悪質な業者には登録や許可の取り消しがおこなわれます。

購入者にとっては直接関係ないとはいえ、処分するときに委託する業者には気をつけなければいけません。

リサイクル券とは?

リサイクル券とは?

リサイクル預託金を支払うと、支払った証として「リサイクル券」を受け取ります。このリサイクル券についてもう少し詳しくみてみましょう。

リサイクル料金を支払ったことの証明書

前述の通り、リサイクル券はその自動車のリサイクル預託金が支払済であることを示す証明書です。A4サイズの薄緑色の専用用紙に、A券~D券と呼ばれる部分が印字されています。個別にみていきましょう。

  • A券:購入した車のリサイクル料金が預託されていることを証明するための書面
  • B券: 自動車が使用済となったときに引取業者が必要事項を記入して最終所有者に交付する書面
  • C券:自動車リサイクル促進センターによる資金管理料金の受領を証明する書面。法人の自動車ユーザーに対しては、資金管理料金を費用処理する上での証明書。
  • D券: 事業者等が自動車ユーザーにリサイクル料金の額を通知する際に使用する書面(リサイクル料金を通知した後は事業者の控えになる)。

A券からD券のうちD券は車を販売する事業者などが保管する控えのため、購入者にはA券からD券までが交付されます。

リサイクル券が必要になる状況

リサイクル券が必要になるのは、車を手放すときです。中古車販売店などに売却した場合は、後述の通り預託金返還のために必要になり、廃車の際はリサイクル預託金を支払い済みであることを証明します。

リサイクル券を紛失した場合

では、リサイクル券を紛失してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。残念ながらリサイクル券は再発行ができない書類であり、車の購入時以外には手に入りません。

その代わり、紛失時には「リサイクル券の預託状況」の画面印刷により代用可能です。自動車リサイクルシステムのホームページから、「自動車ユーザー向け」→「あなたの車のリサイクル料金は?」→「リサイクル料金検索」とクリックしていくと、自分の車の車台番号・自動車登録番号でリサイクル預託金の預託状況を確認できます。

検索後、預託状況のPDFファイルを入手できます。それを印刷することで代用することが可能です。なお、リサイクル券の預託状況の発行に手数料はいらず、無料で入手することができます。

上記のように車台番号と登録番号さえわかればだれでも確認、印字が可能です。買取業者や解体業者はもし書面がなくても、確認できます。

リサイクル預託金は返ってくるのか?

リサイクル預託金は返ってくるのか?

リサイクル預託金はリサイクルする目的で支払うもののため、手放した車がリサイクルされない場合は返還されます。詳しく説明しましょう。

中古車として売却した場合は戻ってくる

まず、車を中古車販売業者などに売却した場合、リサイクル預託金は一緒に買取されます。これは、手放した車がリサイクルされずにほかの人によってそのまま利用されるためです。そのため、売却した本人にリサイクル預託金が戻り、代わりに新たな車のオーナーが中古車としてその車を購入する際にリサイクル預託金を支払うことになります。

なお、すでに書いたように、ほとんどの自動車は預託済であるため、車の買取店などでの査定などの際には、他の還付金や手数料、預託金を含めて全部でいくらという形で買い取り額を提示される場合がほとんどのようです。

ただし、戻ってくるのは満額ではありません。5つの料金のうち資金管理料金は返って来ません。

廃車にした場合は戻ってこない

解体する場合は、その作業料、処分料として使用されるため、リサイクル預託金は戻ってきません。あくまで車そのものとして使う場合のみ返還されます。

解体業者は既定の解体作業工程が完了すると、そのことを自動車リサイクル促進センターに都度オンライン報告します。自動車リサイクル促進センターは購入者が支払ったリサイクル預託金の一部を保管しており、車種により規定の料金を解体業者など手数料、処分代として受け取るという仕組みです。

リサイクル預託金の仕訳や勘定科目は?

リサイクル預託金の仕訳や勘定科目は?

法人や個人事業主としてリサイクル預託金を処理する場合、注意すべき点があります。購入時、売却時、廃車時に分けて解説するため参考にしてください。

車の購入時

まず、車を購入した際に支払ったリサイクル預託金を、この時点で現金化することはできません。これは、リサイクル預託金は将来的に返還される可能性があるためです。

このため、勘定科目は預託金・保証金などとして計上しましょう。ただし、前述の通りリサイクル預託金のなかにある5つの料金のうち、資金管理料については返還されることがないため、支払手数料などの科目で費用処理が可能です。

なお、リサイクル預託金には、新車/中古車問わず、消費税はかかりません。

車の売却時

車を売却した際は、リサイクル預託金が返還されますので、購入時に計上していた預託金・保証金を減額します。このとき、消費税上は金銭債権の譲渡となるため、非課税取引として扱います。

廃車時

廃車にした際は、計上していた預託金を支払手数料に計上し、費用処理しましょう。

廃車サービスを受けるサービス料として預託金を廃車時の税率で課税仕入れをし、預託金を経費に振り替えます。

リサイクル預託金を知り廃車を円滑に進めよう

リサイクル預託金を知り廃車を円滑に進めよう

リサイクル預託金は、多くの廃棄物を発生させる廃車による環境への悪影響を、可能な限り抑えるために必要なお金です。新車購入時に預け入れ、その後売却すれば負担は新しい所有者に移り、最終的に廃車にするときの所有者が負担します。そのためリサイクルする費用がないからと廃車をガマンする必要はありません。

リサイクル預託金は、自動車リサイクル促進センターが適切に保管、管理し、自動車メーカーや輸入業者に対して適切に払い渡されます。新たな費用の負担はないため、廃車は適切なタイミングで、スムーズに手続きを進めましょう。

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