1. お車ユーザーの豆知識

走るほど損をする?話題の「走行距離課税」とは|導入の背景と私たちの暮らしへの影響

目次
  1. 1. 走行距離課税(走行課税)とは?議論されている新税の正体
    1. 1.1 「燃料」ではなく「走った距離」に対して課税する仕組み
    2. 1.2 なぜ今?「EVシフト」によるガソリン税収の減少が最大の理由
    3. 1.3 ハイブリッド車も対象に。燃費向上に伴う「公平性」の議論
  2. 2. 私たちの生活を直撃?走行距離課税がもたらす具体的リスク
    1. 2.1 地方在住者・長距離通勤者の負担増という「地域格差」の問題
    2. 2.2 物流コストへの転嫁。配送料や食品価格が上がる可能性
    3. 2.3 二重課税の懸念|ガソリン税や自動車税との兼ね合いはどうなる?
  3. 3. 導入への高い壁。解決すべき3つの大きな課題
    1. 3.1 走行距離をどう測る?GPSやOBD、車検時の目視確認など
    2. 3.2 プライバシーの侵害。「いつ・どこへ行ったか」を政府が把握する懸念
    3. 3.3 走行メーター改ざんや不正利用をどう防ぐか
  4. 4. 海外ではすでに導入?先行事例から見る「車の税金」の未来
    1. 4.1 ニュージーランドのディーゼル車・EV向けの先行事例
    2. 4.2 アメリカの一部の州で始まっている実証実験の内容
  5. 5. 結論:維持費がさらに上がる前に。私たちが今からできる備え
    1. 5.1 「多走行・大排気量」の車を維持し続けるリスクを再確認
    2. 5.2 「所有」か「利用」か。税制の変化に強いライフスタイルへの転換
  6. 6. まとめ:負担が増える前の賢い判断は「廃車ひきとり110番」へ
    1. 6.1 どんなに走った古い車でもOK!「廃車ひきとり110番」の買取サービス
    2. 6.2 複雑な手続きを無料代行。増税や新税の不安を早めに解消

1. 走行距離課税(走行課税)とは?議論されている新税の正体

近年、ニュースやインターネット上で「走行距離課税(走行課税)」という言葉を耳にすることが増えました。これは、これまでの日本の自動車税制を根本から覆す可能性を秘めた新しい税制案です。まずは、その仕組みと議論の背景を正しく理解しましょう。

走行距離

1.1 「燃料」ではなく「走った距離」に対して課税する仕組み

従来の自動車関係の税金(ガソリン税など)は、燃料の購入量に応じて課税されていました。これに対し、走行距離課税は「車がどれだけの距離を走行したか」を基準に税額を決定します。

  • 課税の単位: 例えば「1km走行につき◯円」といった形で計算されます。
  • 対象: 自家用車だけでなく、トラックやバスなどすべての車両が検討対象とされています。
  • 目的の変化: これまでは「ガソリンをたくさん使う(環境に負荷をかける)人」が負担していましたが、新税では「道路をたくさん使って、摩耗させた人」が負担するという考え方(受益者負担)へシフトしようとしています。

1.2 なぜ今?「EVシフト」によるガソリン税収の減少が最大の理由

政府がこの新税を検討し始めた最大の理由は、「ガソリン税収入の激減」に対する危機感です。

  • 脱炭素の流れ: 政府が推進するカーボンニュートラルにより、ガソリンを使わない電気自動車(EV)が普及し始めています。
  • 財源の枯渇: 道路の維持管理や補修費用は、主にガソリン税によって賄われてきました。しかし、EVはガソリンを一切使わないため、ガソリン税を1円も納めずに道路を走行していることになります。
  • インフラ維持の限界: EVが普及すればするほど道路補修の財源がなくなるため、「燃料」に代わる「走行距離」という新たな課税対象が浮上したのです。

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1.3 ハイブリッド車も対象に。燃費向上に伴う「公平性」の議論

この議論は、EVだけでなく、現在主流のハイブリッド車(HV)にも深く関わっています。

  • 燃費向上の功罪: ハイブリッド技術の向上により、1リットルのガソリンで走れる距離が飛躍的に伸びました。その結果、「同じ距離を走っていても、燃費の良い車に乗っている人の方が、道路維持費(税金)を払っていない」という不公平感が生じていると指摘されています。
  • 公平性の確保: 「燃費の良し悪しに関わらず、道路を傷めた分(走った分)は等しく負担すべき」というロジックのもと、ハイブリッド車を含めた全車両を走行距離ベースで課税すべきという議論が進んでいます。
【チェックポイント】
走行距離課税は、単なる増税案ではなく、「化石燃料から電気へ」という時代の転換期において、インフラ維持の財源をどう確保するかという深刻な問題への一つの回答として提案されているものです。

3. 導入への高い壁。解決すべき3つの大きな課題

理論上は「走った分だけ課税する」というのはシンプルですが、いざ日本全国の数千万台の車両に適用しようとすると、技術的にもプライバシーの観点からも極めて困難な課題が山積みです。

道路交通法

3.1 走行距離をどう測る?GPSやOBD、車検時の目視確認など

まず、最大の課題は「どうやって正確な走行距離を把握し、報告させるか」という計測方法です。現在、いくつかの案が浮上していますが、どれも一長一短があります。

  • GPS機器の搭載: 車両に専用のGPSデバイスを取り付け、走行距離を自動送信する案。正確ですが、通信コストや機器の設置費用を誰が負担するのかが問題となります。
  • OBD(車載診断装置)の利用: 車のコンピューターから直接データを吸い上げる方法。近年の高機能な車には有効ですが、古い車には対応できません。
  • 車検時の自己申告・確認: 2年に一度の車検時に走行メーターを確認する方法。最も現実的ですが、「2年分の税金をまとめて払う」という多大な負担が一度にのしかかることになります。

3.2 プライバシーの侵害。「いつ・どこへ行ったか」を政府が把握する懸念

SNS等で最も激しい反発が起きているのが、このプライバシー問題です。

  • 行動履歴の監視: 正確に課税するためには、「いつ、どこを、何キロ走ったか」という詳細なデータが必要になります。これは政府が「国民の移動履歴をすべて把握する」ことに繋がりかねません。
  • 情報の流出リスク: 万が一、走行データがサイバー攻撃などで流出した場合、個人の生活圏やプライバシーが完全に暴かれるという重大なリスクを伴います。

「税金のために自分の居場所を常に監視される」という心理的抵抗は非常に大きく、民主主義国家としての根幹に関わる議論となっています。

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3.3 走行メーター改ざんや不正利用をどう防ぐか

課税額が高くなればなるほど、「不正に距離を少なく見せようとする人」が現れるのは避けられません。

  • メーター戻しの横行: 中古車業界でも長年の課題である「メーター改ざん」が、節税目的で行われる可能性があります。
  • 不正アプリやデバイスの登場: GPS信号を偽装したり、走行距離をカウントさせないようにする「違法デバイス」がブラックマーケットで出回るリスクがあります。
  • 取り締まりの限界: 全国のすべての車両のメーターが正しいかどうかを監視・摘発するには、膨大な警察力や行政コストがかかり、結果として税収よりもコストが上回ってしまう懸念もあります。
【結論として】
これらの課題は、どれも一朝一夕に解決できるものではありません。走行距離課税の議論が進む一方で、「あまりにコストとリスクが大きすぎる」という慎重論が根強いのは、こうした物理的・倫理的な壁があるためです。

4. 海外ではすでに導入?先行事例から見る「車の税金」の未来

「走った分だけ課税する」という考え方は、日本独自のものではありません。世界中で電気自動車(EV)へのシフトが進む中、多くの国がガソリン税に代わる新しい財源を模索しています。

アウトバーン

4.1 ニュージーランドのディーゼル車・EV向けの先行事例

走行距離課税の「先進国」として知られるのがニュージーランドです。この国では「道路利用者賦課金(RUC)」という名称で、すでに実用化されています。

  • 対象車種: もともとはガソリン税が課せられない「ディーゼル車」や「大型トラック」が対象でしたが、2024年4月からは電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)も対象となりました。
  • 支払い方法: 事前に「1,000km単位」などの走行権をオンラインで購入し、発行されたラベルをフロントガラスに掲示する仕組みです。
  • 罰則: 走行距離が購入分を超えたまま走っていると、厳しい罰金が科せられます。

ニュージーランドの事例は、「燃料の種類に関わらず、道路を使うコストを公平に負担させる」というモデルの成功例(あるいは先行例)として、日本政府も強い関心を持って注視しています。

4.2 アメリカの一部の州で始まっている実証実験の内容

広大な国土を持つアメリカでも、州単位で「走行距離に応じた課税」のテストが始まっています。

  • オレゴン州(OReGO): 2015年からボランティア参加者による実証実験を行っています。1マイル(約1.6km)走行するごとに一定額を課税する代わりに、支払ったガソリン税を還付(返金)する仕組みです。
  • 計測方法: 自動車の故障診断ポート(OBD-II)に専用の小型デバイスを差し込み、走行距離データをワイヤレスで送信する方法が試されています。
  • ユタ州: EVユーザーを対象に、走行距離に応じた課税か、定額の登録料を支払うかを選択できる制度を導入しています。
【世界的なトレンド】
海外の事例に共通しているのは、「ガソリン車からEVへの過渡期における、不公平感の解消」が最大の目的である点です。日本でも同様の理屈で導入が議論されており、「海外でできているなら日本でも」という論調が強まる可能性があります。

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5. 結論:維持費がさらに上がる前に。私たちが今からできる備え

走行距離課税の導入はまだ決定事項ではありません。しかし、日本の自動車税制が「所有から走行(利用)」へと大きく舵を切ろうとしているのは事実です。将来のコスト増に備え、私たちは今のうちから愛車との付き合い方を見直す必要があります。

5.1 「多走行・大排気量」の車を維持し続けるリスクを再確認

もし走行距離課税が導入された場合、最も大きなダメージを受けるのは「たくさん走る、大きくて古い車」です。

  • 増税の三重苦
    13年・18年超の「自動車税・重量税の増税(重課)」に加え、燃費の悪さによる「ガソリン税の負担」、そして「走行距離課税」が加われば、維持費は現在の数倍に膨れ上がる可能性があります。
  • 「負の資産」になる前に
    走行距離が多い古い車は、新しい税制案が出るたびに中古車市場での価値(下取り価格)が下落する傾向にあります。「まだ走れるから」と維持し続けた結果、税負担だけが増え、売る時には価値がゼロ……という最悪のシナリオを避けなければなりません。

5.2 「所有」か「利用」か。税制の変化に強いライフスタイルへの転換

「走るほど税金がかかる」時代への最大の防衛策は、「車の持ち方を柔軟に変えること」です。

  • ダウンサイジングの検討
    もし走行距離課税が「車両重量」や「排気量」と連動して単価が決まる場合、より軽量でコンパクトな車へ乗り換えることが、ダイレクトに節税へと繋がります。
  • カーシェア・サブスクリプションの活用
    「たまにしか乗らないけれど所有している」という方は、維持費がパッケージ化されたカーリースやサブスク、あるいは必要な時だけ使うカーシェアへ移行することで、「税金リスク」を自分から切り離すことができます。
  • 「走らない」工夫を考える
    近所の買い物は自転車や徒歩、あるいはネットスーパーを活用するなど、「車の走行距離を減らすライフスタイル」を今から少しずつ取り入れることも、将来の増税に対する立派な備えになります。
【賢いドライバーの判断】
新しい税金が導入されてから慌てて車を手放そうとしても、同じことを考える人が増え、中古車相場が暴落したり、廃車手続きが混雑したりすることが予想されます。「議論されている今」こそ、自身の走行距離と維持費を天秤にかける絶好のタイミングです。

カーシェア

6. まとめ:負担が増える前の賢い判断は「廃車ひきとり110番」へ

走行距離課税の議論は、これまでの「車を持っているだけでかかる税金」から、「道路を利用した分だけ負担する税金」への大きな転換点を示唆しています。もし導入されれば、長年連れ添った多走行車や、燃費の悪い古い車を維持するハードルは今以上に高くなるでしょう。

6.1 どんなに走った古い車でもOK!「廃車ひきとり110番」の買取サービス

走行距離課税が話題になる中で、「もう10万キロ以上走っているから、税制が変わったら維持できないかも…」「古い車だから売却先がない」と不安に思っている方も多いはずです。

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6.2 複雑な手続きを無料代行。増税や新税の不安を早めに解消

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