キッチンカーが故障したときにまず確認すべきこと
キッチンカーの故障は「少し様子を見る」では済まないケースが多く、初動判断を誤ると事故や営業停止、修理費用の増大につながります。
まずは営業を続けてよい状態か、それとも即中止すべきかを冷静に切り分けることが重要です。

営業を続けてよい故障・すぐに止めるべき故障
故障が発生した場合、すべてが即営業停止になるわけではありません。
ただし、次のような故障は安全・法令・食品衛生の観点から、すぐに営業を止めるべき状態です。
- エンジン警告灯が点灯し、異音や振動を伴っている
- ブレーキの効きが悪い、異音がする
- 走行中にエンジンが止まりそうになる
- 発電機が停止し、冷蔵・冷凍設備が動かない
- 給排水設備から水漏れがあり、床が濡れている
- ガス・電気設備に異常があり、焦げ臭さや異臭がする
一方で、次のようなケースは慎重に様子を見ながら営業継続が可能な場合もあります。
- 外装の軽微な破損や看板のぐらつき
- 一部照明が点かないが調理・衛生に影響がない
- 警告灯は点灯しているが走行・営業に異常がない場合(※後で点検必須)
判断に迷う場合は、「走行・調理・衛生のどれか一つでも安全を欠くなら中止」を基準にすると、重大トラブルを避けやすくなります。
その場でできる応急確認と注意点
レッカーや修理業者を呼ぶ前に、その場で確認できるポイントもあります。
ただし、無理な対処は故障を悪化させる可能性があるため、確認はあくまで簡易的に留めます。
- 警告灯の種類(エンジン・バッテリー・水温など)を確認する
- 異音・異臭・煙が出ていないか周囲を目視する
- 発電機・ブレーカーが落ちていないか確認する
- 給排水ホースや接続部から水が漏れていないか確認する
注意点として、次の行為は避けるべきです。
- 警告灯が点灯したまま長距離を走行する
- 異音が出ている状態で発電機や調理機器を使い続ける
- 原因不明のまま電源を何度も入れ直す
その場で解決しない場合は、「とりあえず営業を続ける」よりも、早めに専門業者やロードサービスへ相談する判断が、結果的に被害を最小限に抑えます。
車両部分の故障と対処法
キッチンカーの故障の中でも、車両部分のトラブルは「その場での営業」だけでなく「安全に走行できるか」に直結します。
無理に移動や営業を続けると事故や高額修理につながるため、症状ごとの特徴を理解しておくことが重要です。
エンジン・警告灯・走行トラブル
エンジンに関するトラブルは、警告灯の点灯や走行時の違和感として現れることが多くあります。
加速が鈍い、アイドリングが不安定、振動や異音が出るといった症状がある場合は、すでに不具合が進行している可能性があります。
特にエンジン警告灯が点灯したまま走行を続けると、軽微なセンサー異常で済むはずだったものが、エンジン本体の修理や交換に発展するケースもあります。
営業場所へ到着できたとしても、その後の移動を考えると早めに点検を受ける判断が安全です。
バッテリー上がり・電装系の不具合
キッチンカーは調理機器や照明、冷蔵設備などで電力を多く使用するため、一般車両よりもバッテリーへの負荷が大きくなります。
エンジンがかからない、メーターやライトが暗いといった症状は、バッテリー上がりや電装系トラブルの典型例です。
一時的にジャンプスタートで復旧しても、根本原因がオルタネーター(発電機)や配線にある場合、再発しやすくなります。
「動いたから大丈夫」と判断せず、電装系全体の点検を前提に行動することがトラブル防止につながります。
ブレーキ・足回りの異常
ブレーキや足回りの異常は、走行中の安全性に直結するため特に注意が必要です。
ブレーキを踏んだときの違和感、キーキーという音、段差での突き上げが強いと感じた場合は、部品の摩耗や重量負荷による不具合が考えられます。
キッチンカーは架装によって車両重量が増えているため、ブレーキやサスペンションへの負担が大きくなりがちです。
異常を感じた状態での走行や営業継続は非常に危険なため、早めに走行を中止し、整備工場へ相談する判断が求められます。

架装部分の故障と対処法
キッチンカー特有のトラブルとして多いのが、架装部分の故障です。
架装部分は営業に直結するため、「走れるが商売ができない」状態になりやすく、判断を誤ると食材ロスや営業停止につながります。
発電機・電源トラブル
発電機や電源トラブルは、キッチンカーの営業を成り立たせなくなる代表的な故障です。
発電機が始動しない、途中で停止する、電圧が不安定といった症状が見られる場合、調理機器や冷蔵設備が正常に動作しなくなります。
一時的な燃料不足やブレーカー落ちであれば、その場で復旧できることもありますが、エンジン部分の故障や内部部品の劣化が原因の場合は、現地対応が難しくなります。
無理に再始動を繰り返すと故障を悪化させることもあるため、早めに使用を中止する判断が重要です。
冷蔵庫・冷凍庫・調理機器の不具合
冷蔵庫や冷凍庫、フライヤーやグリドルなどの調理機器の不具合は、食品の安全性に直結するため特に注意が必要です。
冷えが弱い、設定温度まで下がらない、加熱に時間がかかるといった症状が出た場合、見た目では分かりにくくても内部で異常が起きている可能性があります。
一時的に動作していても、営業中に停止するリスクがある状態での使用は危険です。
特に冷蔵・冷凍設備は、保健所の基準にも関わるため、異常を感じた時点で営業継続の可否を慎重に判断する必要があります。
給排水設備の故障や水漏れ
給排水設備のトラブルは、振動や経年劣化によって発生しやすい故障のひとつです。
配管の緩みやホースの劣化による水漏れ、排水の詰まりなどは、営業中に突然発生することも少なくありません。
水漏れを放置すると、床材の腐食や電装系への影響につながる可能性があります。
また、排水が正常に行えない状態では、衛生面の問題から営業自体が難しくなります。
軽微に見えるトラブルでも、早めに修理や点検を行うことが結果的に被害を抑えることにつながります。
修理費用と修理期間の目安
キッチンカーの修理は、通常の乗用車と比べて費用も期間も幅が出やすいのが特徴です。
車両部分と架装部分では修理内容・対応業者が異なり、「どこが壊れているか」によって営業再開までの時間が大きく変わります。

車両部分の修理費用・期間
エンジンや足回りなど車両部分の修理は、一般的な自動車整備工場で対応できることが多く、比較的見積もりが出やすい傾向があります。
ただし、キッチンカーは重量があるため、同じ故障でも費用が高くなるケースがあります。
| 故障内容 | 修理費用の目安 | 修理期間の目安 |
|---|---|---|
| エンジン警告灯・軽度不調 | 1万~5万円程度 | 半日~1日 |
| バッテリー交換 | 2万~4万円程度 | 即日 |
| ブレーキ関連修理 | 5万~15万円程度 | 1~3日 |
| 足回り・サスペンション修理 | 10万~30万円程度 | 3日~1週間 |
架装部分の修理費用・期間
架装部分の修理は、専門業者が必要になることが多く、内容によっては修理までに時間がかかる点が特徴です。
発電機や給排水設備は、部品の在庫状況によって期間が大きく左右されます。
| 故障内容 | 修理費用の目安 | 修理期間の目安 |
|---|---|---|
| 発電機の軽度修理 | 3万~10万円程度 | 1~3日 |
| 発電機交換 | 20万~50万円以上 | 1~2週間 |
| 冷蔵・冷凍設備修理 | 5万~20万円程度 | 数日~1週間 |
| 給排水設備の修理 | 3万~15万円程度 | 1~5日 |
部品待ち・業者手配で長引くケース
修理期間が長引く主な原因は、部品の取り寄せや対応できる業者が限られていることです。
特に古い車両や特殊な架装をしている場合、部品が国内に在庫されていないケースもあります。
また、イベントシーズンや繁忙期は修理業者の予約が埋まりやすく、実作業自体は短期間でも、着手までに時間がかかることがあります。
「すぐ直ると思っていたが、結果的に数週間かかった」という事例も珍しくありません。
修理期間中の「代車(レンタルキッチンカー)」活用
長期間の修理が必要な場合、代車やレンタルキッチンカーを活用する選択肢もあります。
営業を完全に止めるよりも、固定費や顧客離れを抑えられるメリットがあります。
ただし、レンタル費用は1日あたり数万円かかることが多く、修理費と合わせると負担が大きくなるケースもあります。
修理費用・修理期間・レンタル費用を総合的に考え、「修理を続けるか、次の選択肢を検討するか」を判断することが重要です。
キッチンカー特有の故障しやすい箇所
キッチンカーは通常の車両とは使われ方が大きく異なります。
常に重い設備を積み、発電機や給排水を動かしながら営業するため、「キッチンカーならでは」の故障が起こりやすい傾向があります。
ここでは特に発生しやすいポイントを、理由とあわせて解説します。
重量過多による「タイヤ・サスペンション」の不具合
キッチンカーは調理機器や冷蔵庫、水タンクなどを積載しているため、常に車両重量が大きくなりがちです。
その負担が最も表れやすいのが、タイヤとサスペンションです。
タイヤの偏摩耗やバースト、サスペンションのへたりは、走行中の安定性低下や異音として現れます。
特に片側に重量が偏っているレイアウトの場合、左右で摩耗具合が大きく異なることもあります。

電力消費による「バッテリー上がり・オルタネーター故障」
冷蔵庫、照明、換気扇、レジなど、キッチンカーは電力を大量に使用します。
その結果、バッテリーやオルタネーターに大きな負荷がかかります。
短距離移動が多い営業スタイルでは充電が追いつかず、バッテリー上がりを繰り返すケースも少なくありません。
放置すると、オルタネーター自体の故障につながることもあります。
振動による「給排水設備の水漏れ・詰まり」
走行時の振動は、給排水設備にとって大きな負担になります。
ホースの緩みや接続部の劣化により、少量の水漏れが徐々に広がるケースがよく見られます。
また、排水タンク内の汚れが固着し、詰まりや悪臭の原因になることもあります。営業に直接影響するため、早期発見が重要なポイントです。
経年劣化による「外装・コーキングの雨漏り」
キッチンカーの外装は、屋外での営業や洗車、雨風に常にさらされています。特に窓枠や開口部周辺のコーキングは、年数が経つと硬化やひび割れが起こりやすくなります。
雨漏りは見えない場所で進行することも多く、内装や電装系への二次被害につながる恐れがあります。「少し濡れているだけ」と軽視せず、早めの対処が重要です。
ロードサービス・レッカー対応はできるのか
キッチンカーが故障した場合、「ロードサービスは使えるのか」「普通のレッカーで対応できるのか」と不安になる方は多いです。
結論から言うと、条件次第で対応可能ですが、一般車とは異なる注意点があります。
キッチンカーはロードサービス対象になる?
キッチンカーでも、多くの場合ロードサービスの対象になります。ただし、加入している保険やサービスの契約内容によって扱いが分かれます。
自家用車向けプランでは「事業用車両」が対象外になっているケースもあり、キッチンカーが営業用登録の場合は、事前に確認が必要です。
一方、事業用車両対応の保険やJAFであれば、ロードサービスを受けられることが多いです。
レッカー車を呼ぶ際の注意点
キッチンカーは車体重量が重く、全高も高いため、通常のレッカー車では対応できない場合があります。
そのため、依頼時には「キッチンカーであること」「車両総重量」「車高」を必ず伝える必要があります。また、車内に調理機器や水が残っている状態だと、積載時に転倒や漏れのリスクが高まります。
可能であれば、発電機停止や水タンクの確認を行ってから搬送するのが安全です。
保険適用範囲と申請方法
レッカー費用やロードサービス費用が保険で補償されるかどうかは、加入している自動車保険の特約内容によって異なります。
多くの場合、一定距離までのレッカー費用は補償対象ですが、長距離搬送や特殊作業は自己負担になることもあります。
申請の際は、故障状況や場所、走行不能の理由を正確に伝えることが重要です。
事後申請が可能な場合もありますが、現場で一度保険会社に連絡して指示を仰ぐ方が安心です。

イベント会場・路上で故障した場合
イベント会場や路上で故障した場合は、安全確保が最優先です。周囲の交通や来場者に影響が出ないよう、可能であれば主催者や管理者に早めに連絡しましょう。
イベント会場ではレッカーの手配に制限がかかることもあり、指定業者でなければ入場できないケースもあります。
事前に主催者と調整しながら対応することで、トラブルを最小限に抑えることができます。
キッチンカーの買い替え・手放しの判断するポイント
キッチンカーは「直せばまだ使えるのか」「ここで区切りをつけるべきか」の判断が難しい車両です。
車としての価値と、設備としての価値が混在しているため、一般的な乗用車よりも判断基準が複雑になります。
修理費が高額になりやすいケース
エンジンやミッションなどの重整備に加え、発電機や電装系、給排水設備まで同時に不具合が出ている場合、修理費が一気に高額になる傾向があります。
特に「一か所直したら別の不具合が見つかる」という状態が続くと、修理を重ねるほどコストと営業停止期間が増えていきます。
この段階に入ると、修理か手放しかを冷静に比較する必要があります。
車両の寿命と買い替え時期
キッチンカーのベース車両は、走行距離だけでなく積載重量や使用環境の影響を強く受けます。
一般的な使用よりも負担が大きいため、同じ年式・距離でも劣化が進んでいるケースは珍しくありません。
「修理すれば走れるが、安心して営業できるか」という視点で考えることが重要です。
頻繁なトラブルが続くようであれば、買い替えを検討するタイミングに入っている可能性があります。
架装部分の価値維持と減価償却
キッチンカーは架装部分に多くの費用がかかっていますが、その価値は年数とともに下がっていきます。
減価償却が進んだ設備は、帳簿上の価値がほぼ残っていないこともあります。
設備が使える状態でも、車両側の不具合で営業ができない場合、「架装を活かせない」という判断になることもあります。
車と設備を一体で考えることが、現実的な判断につながります。
故障したキッチンカーは売れるのか
「ディーラーに行ったら改造車は見れないと言われた」「器具設備の修理業者に相談したら、車のことは分からないと言われた」こうした声は、キッチンカーオーナーから実際によく聞かれます。
キッチンカーは、車と設備の両方を理解していないと評価が難しく、相談先を間違えると「引き取り不可」「価値がない」と判断されてしまうことがあります。
廃車ひきとり110番では、年式が古い車、故障車、改造車、キッチンカーでも買取が可能です。
走行できない状態や修理途中の車両でも対応できるため、「直すか迷っている」「売れるか分からない」という段階でも相談できます。
修理を続けるか、ここで一度手放すか。その判断材料の一つとして、現在の車の価値を確認してみるのも一つの選択です。










