車のATミッションが故障したときの症状は？原因や修理費用の相場も解説

車のミッション（AT）の故障症状まとめ

ATミッションが故障すると、走行性能や安全性に直接影響するさまざまな異常が現れます。 複数の症状が同時に出る場合は、 内部の摩耗や油圧トラブルが進行している可能性が高く、早めの点検が必要です。

鉄の焼けたようなニオイがする（焦げ臭い）

焦げ臭いニオイは、ATF（オートマオイル）が過熱し劣化しているときに出やすい症状です。

油温が高くなると潤滑性能が落ち、クラッチや内部部品が摩擦過多となり焦げたような臭いを発します。

長期間放置すると部品の焼き付きに進行するため、早急な点検が必要です。

加速がスムーズでなくなる・変速ショックが大きい

AT内部の油圧不良やクラッチ摩耗が起きると、変速が遅れたりガクッという変速ショックが増えます。

通常はほとんど感じない変速の切り替わりが、段差を乗り越えたような衝撃に変わるのが特徴です。 また、ギアが適切なタイミングで変わらないため、加速が伸びにくくなることもあります。

燃費が悪化する

変速不良によりエンジン回転数が適正にコントロールされなくなると、 無駄に高回転で走る時間が増え、燃費が悪くなる傾向があります。

ATF劣化や内部部品の摩耗が原因で、ギア比の制御がうまくいかなくなることが多いです。 燃費の急激な悪化は早期故障のサインにもなります。

シフト操作時に異音・振動が発生する

シフトを「P→R」「R→D」などに動かした際、カチッという通常音とは異なる、 ゴリゴリ・ガタガタといった異音が出る場合があります。

これは内部ギアの摩耗、油圧の低下、マウント類の損傷が原因で起こり、 振動を伴う場合は故障の進行が疑われます。早めの診断が必要です。

警告灯（AT警告灯・エンジン警告灯）が点灯する

AT関連のトラブルが発生すると、AT警告灯やエンジンチェックランプが点灯することがあります。

センサーが異常値を検知した際に点灯するため、内部温度の上昇、油圧異常、 電気系統の故障など幅広い原因が考えられます。

点灯を放置すると重大故障につながる可能性があります。

変速しない／ギアが入らない／空回りする

ミッションが深刻にダメージを受けている場合、ギアがまったく切り替わらない、 アクセルを踏んでも回転数だけ上がって前に進まないといった重度の異常が出ます。

クラッチの焼き付き、油圧低下、内部破損などが原因で、ほとんどの場合レッカーが必要になります。 この症状が出たら走行は非常に危険です。

車のミッション修理・交換費用の相場

ミッション修理は作業内容によって大きく費用が変わります。

ATF交換のみの場合の費用相場

ATF交換はミッションを守るための基本メンテナンスで、もっとも費用を抑えられる作業です。

ATミッション修理（部分修理）の費用相場

部分修理は、バルブボディ・ソレノイドなど故障箇所が特定できる場合に実施されます。

ATミッション載せ替え（交換）の費用相場

内部破損が大きい場合や走行不能の場合は、ミッション本体の交換が必要になります。

MT車ミッションの修理・交換費用相場

MT車は構造が比較的シンプルなため、ATに比べて修理費用が抑えられる傾向があります。

ディーラー・整備工場・中古ミッションでの費用比較

修理を依頼する場所によって価格差は大きく、同じ作業でも数万円以上変わることがあります。

車のミッションの修理費用を安くする方法

ミッション修理は高額になりやすいため、どこで修理するか・どの部品を選ぶかによって、 最終的な費用が大きく変わります。

地元の整備工場で修理する

ディーラーに比べて、地元の整備工場は工賃が安く設定されていることが多く、 同じ作業でも総額が数万円以上変わることがあります。

特にミッション修理は工賃の割合が大きいため、 地元工場を利用するだけで費用を抑えやすくなります。また、部品の選択肢が多い点もメリットで、 中古品やリビルド品の持ち込みに柔軟に対応してくれる工場もあります。

新品ではなくリビルドミッションを選ぶ

リビルドミッションは故障した部品を分解・洗浄し、摩耗した部品を新品に交換して 再生したミッションのことです。

新品より大幅に安く、品質も安定しているため、 コストと信頼性のバランスが良い選択肢です。

保証が付く場合も多く、 長期間安心して乗り続けたい人にも向いています。新品交換より10～30万円ほど安くなることもあります。

中古ミッションを活用する場合の注意点

中古ミッションはもっとも費用を抑えられる反面、状態にバラつきがある点に注意が必要です。

走行距離・年式・保管状態により寿命が大きく異なり、安価でも短期間で再度不具合が出る可能性があります。

購入前に「走行距離」「製造年」「動作確認の有無」「保証期間」を必ずチェックすることが重要です。

不確かなミッションを選ぶと結果的に修理が重なり、余計な出費につながることがあります。

早期修理で余計な出費を防ぐ

異音や変速ショックなど軽度の症状の段階で修理すれば、部分修理で済む場合が多く、 費用を大きく抑えることができます。

逆に、症状を放置すると内部部品が損傷し、 ミッション本体交換が必要になることもあり、10万円以上の差がつくことも珍しくありません。

「少し変だな」と感じた時点で点検することがもっとも効果的な節約方法につながります。

車のミッション故障を予防する方法

急加速・急発進を控える

ミッションは瞬間的な大トルクに弱く、急加速や急発進を繰り返すと内部のクラッチやギアに過度の負担がかかります。

日常的にアクセル操作を滑らかにするだけでも摩耗を遅らせられるため、急な踏み込みや無駄な加速は避けましょう。

特に重い荷物を積んだ状態や坂道発進では丁寧な操作を心がけることが重要です。

ATFを定期的に交換する

ATF（オートマチックトランスミッションフルード）は潤滑・冷却・油圧制御の要となるため、劣化すると変速不良や部品摩耗を招きます。

メーカーの推奨交換時期を基準に、使用状況に応じて早めに交換するのが安全です。

街乗り中心で短距離が多い場合や積載が多い用途では、交換間隔を短めに設定することをおすすめします。

警告灯が点灯したらすぐ点検する

AT警告灯やエンジンチェックランプが点いたら、内部の油圧異常やセンサー不具合など何らかのトラブルが発生しているサインです。

点灯している状態で走行を続けると症状が悪化し、修理費用が大幅に増える可能性があります。

表示が出たら速やかに専門店でコード診断や点検を受けましょう。

変速ショックが増えたら早めに整備する

変速時に「ガクン」「ショックが大きい」と感じたら、油圧やクラッチ、ソレノイドなどの初期不良が疑われます。

早期に点検・整備すれば、ATF交換や部品の部分交換で改善できる場合が多く、結果として総費用を抑えられます。

違和感を無視せず、初期段階で整備を受ける習慣をつけましょう。

ミッションが故障した車は修理すべき？買い替えるべき？

ミッション故障に直面したとき、「修理で直すべきか」「買い替え・廃車にするべきか」は多くのオーナーが悩む判断です。 

修理したほうが良いケース

次のような条件に当てはまる場合は、修理を優先して検討する価値があります。

• 車両の年式・走行距離が比較的若く、車体のコンディションや外装・内装に価値がある
• 最近まで大きなトラブルがなく、主要な部品（エンジンや足回り）が良好である
• 修理見積りが車両時価の30〜50％未満で収まり、長く乗る予定がある
• 愛着や特別な仕様（カスタム・限定車など）があり、再購入の難易度が高い

上記に該当する場合は、まず複数の整備工場で診断・見積りを取得し、修理の可否や保証内容を比較することをおすすめします。

買い替えや廃車にしたほうが良いケース

一方で、以下のようなケースでは買い替えや廃車の検討が合理的です。

• 修理見積りが車両の現時点での買取査定額や時価に近い、または超える
• 車両自体が10年以上経過・走行距離が多く、他の部分にも大規模な整備が必要な見込みがある
• 代替車をすぐに用意したい、または維持コスト（税金・保険・車検など）を下げたい
• 事故歴や構造的ダメージが大きく、修理しても再発リスクが高いと判断された場合

このような場合は「修理費用の回収見込み」が低くなるため、買い替えや廃車のほうが合理的な判断になることが多いです。

修理費が高額になるなら買取専門店に相談する選択肢

修理費が高額で判断が難しいときは、まず修理見積りと同時に車両の買取査定を受けることをおすすめします。

これにより「修理して乗り続けた場合」と「売却・廃車にする場合」の金銭的なメリット・デメリットを比較できます。

相談のポイント

• 故障車の買取に慣れている業者なら、動かない車でも査定・引取が可能
• 廃車手続きや廃車引取の窓口を一括で任せられると手間が減る
• 査定を比較すれば、想定以上の金額がつくこともある

廃車ひきとり110番では、ミッション故障などで動かない車の引取り・買取対応を行っています。

専門スタッフが費用対効果に基づいて最適な提案（修理継続・買取・廃車のいずれか）を行い、面倒な廃車手続きやレッカー手配もサポートします。

まずは無料査定・相談をご利用ください。専門スタッフが車両情報をもとに、最も合理的な選択を一緒に考えます。

修理か廃車か悩んだら、まずはお気軽にご相談ください！