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車が差し押さえられたらどうなる?原因・手続き・対処法をわかりやすく解説

差し押さえ

車の差し押さえとは?基本情報と法律のポイント

差し押さえとは何か?法的な意味

「差し押さえ」とは、債権者(例:税務署、自治体、金融機関など)が債務者(お金を支払っていない人)に対して金銭の支払いを強制するため、債務者の財産(この場合は自動車)を一時的に処分できない状態にする法的手続きのことです。
債務があるにもかかわらず支払いがない場合、裁判所や行政の手続きを経て、自動車が差し押さえの対象になることがあります。

この段階では、車は自由に売ったり譲ったりできず、処分も制限されます。つまり「この財産を勝手に動かさないでください」という法的なブロックがかかる状態です。

どんなケースで車が差し押さえられるのか理由と原因

滞納

車が差し押さえられる理由は主に以下のような「支払い義務の滞納や不履行」によるものです。

  • 自動車税や住民税などの税金滞納
    税金滞納は最も多い理由の一つで、自治体が法的権限に基づいて強制執行します。
  • 車のローンやリース料金の延滞
    自動車ローンの契約条件を守らなかった場合、ローン会社やリース会社が所有権を行使して車を差し押さえることがあります。
  • 養育費や損害賠償などの法的債務の不履行
    裁判によって支払い義務が確定しているのに応じない場合、財産の差し押さえが命じられることがあります。

このような状況では、所有している車が「回収できる資産」として対象となるのです。

差し押さえと差し止め、差し引きの違いとは

似たような言葉に見えますが、法的な意味は全く異なります。

  • 差し押さえ
    先述の通り、債務者の財産の自由な処分を禁じて、債権回収の手段として使われる法的措置。
  • 差し止め
    不当な行為(著作権侵害・騒音など)をやめさせるための命令や手続き。対象は“行為”です。
  • 差し引き
    日常的に使われる言葉で、「何かから何かを引く(控除する)」という意味。法的制限とは関係ありません。

混同しやすい言葉ですが、差し押さえは財産を動かせなくする法的制限であり、車が対象になる可能性があるのはこの「差し押さえ」です。

差し押さえの通知(督促状・催告書)が届いたら

差し押さえ執行予告書

差し押さえは突然執行されるわけではなく、事前に以下のような通知が届きます。

  • 督促状
    支払いの催促として送られ、一定期間内に納付を促すもの。無視を続けると差し押さえの前段階に進みます。
  • 催告書(催促書)
    督促状とほぼ同様の性質で、自治体や裁判所から支払いを強く求められる文書です。

この段階で適切に対応すれば、差し押さえを回避できる可能性があります。たとえば、納税相談窓口に連絡して分納の相談を行ったり、速やかに支払いを済ませれば、強制執行には至りません。放置することが最も危険です。

差し押さえられた車の権利に関する法律

差し押さえられた車には、法律上さまざまな制限が課せられます。たとえその車が本人名義であっても、差し押さえが執行されると、もはや自由に売却したり、名義を変更したり、廃車処分を行ったりすることはできません。これは、車の所有権そのものに法的な「制限」がかかるからです。

具体的には、車の登録情報に「差し押さえ登記」が記録され、運輸支局などの公的な手続き機関では、名義変更や抹消登録(廃車手続き)を受け付けてもらえなくなります。こうした「登録事項のロック」がかかると、所有者の意志で車を動かすことは難しくなり、事実上その車の処分権は失われた状態になります。

さらに、差し押さえられた車は、法律的には「担保物」として扱われます。つまり、債務を抱えている所有者の代わりに、債権者(差し押さえを請求した側)の管理下に置かれる形です。所有権は形式上残っていたとしても、その効力は制限されており、車は債権回収の手段として確保されている状態です。

この状態を解除するためには、原則として、差し押さえの原因となった未納の税金や債務をすべて完済する必要があります。あるいは、場合によっては裁判所の命令や和解によって解除手続きを進めることも可能ですが、それには時間と費用がかかるうえ、任意での売却や廃車とは比べものにならないほど負担が大きくなります。

したがって、車が差し押さえられてしまう前に、手続きを済ませておくことが非常に重要です。差し押さえ後では、法的に何もできない状況に追い込まれる可能性が高くなるからです。

車が差し押さえられる原因とよくあるケース

自動車税や住民税などの滞納

車が差し押さえられる原因として、もっとも多いのが「自動車税」や「住民税」といった地方税の滞納です。これらの税金は市町村や都道府県などの自治体が徴収するものであり、支払いが遅れたまま督促や催告に応じない場合、行政は法的手続きを経て財産を差し押さえる権限を持っています。

自動車税は毎年4月1日時点で車を所有している人に課される税金で、普通車・軽自動車問わず納付義務があります。とくに普通車の場合、車両のナンバーから簡単に所有者情報が把握できるため、未納が続くと自治体は比較的スムーズに差し押さえに着手できます。場合によっては、所有者の銀行口座や勤務先に照会をかけ、車だけでなく他の財産も含めた差し押さえが行われる可能性があります。

また、住民税についても同様に、滞納状態が長引くと、自治体は口座、給与、そして所有している車両にまで強制執行をかけることができます。とくに軽自動車税は、車検の更新と直接結びついていないため、納付を忘れがちで放置されやすい傾向がありますが、これも立派な滞納と見なされ、差し押さえの対象となります。

いずれの税金についても、督促状や催告書を無視したまま放置すれば、ある日突然車が差し押さえられるという事態に発展することは珍しくありません。少額の税金であっても、未納を重ねることのリスクは非常に高いため、早期の対応が重要です。

ローン・自動車リースの支払い遅延

自動車ローンやリース契約における支払い遅延も、車の差し押さえに直結する典型的なケースです。これらの契約では、購入者や利用者が車を使用していても、ローンの完済や契約期間満了までは車の所有権が信販会社や販売ディーラー、リース会社にあることが一般的です。

つまり、ローンやリースの利用者は「使用者」であり、完全な意味での所有者ではありません。そのため、毎月の支払いが滞ると、契約違反(債務不履行)として法的手続きが開始され、所有者である金融機関やリース会社が車両の引き上げを求めることができます

このような差し押さえは、税金滞納による行政措置とは異なり、契約に基づく民間間の措置であり、速やかに執行される場合が多いのが特徴です。とくにリース契約では、未納が一定期間を超えると自動的に契約解除となり、その後はリース会社が所有権に基づき、車の返還を求めて差し押さえや引き上げに踏み切る流れになります。

この場合、車は債務者(利用者)の財産ではなく、単に“貸与されていたもの”とみなされるため、差し押さえにあたって債務者の意思確認や同意は不要です。支払いの遅延が長引くことで、突然車を回収されてしまうケースも多いため、ローンやリースの支払い管理は極めて重要です。

養育費や損害賠償命令などの債務不履行

養育費や慰謝料、損害賠償など、法律上の義務として支払いが命じられている金銭債務を滞納した場合も、車の差し押さえが実行される可能性があります。これらの債務は、裁判所による判決や調停などの法的手続きによって支払いが確定されているため、債務者がそれを無視すると、債権者は強制執行の申立てを行い、差し押さえという手段に進むことができます。

このとき、債権者は差し押さえる財産として車を指定することが可能です。とくに車は目に見える資産であり、登記情報や所有者登録をもとに比較的容易に差し押さえ対象として特定されるため、債権回収の手段として選ばれやすい傾向にあります。

近年では、養育費の不払いが社会問題として注目されるようになり、行政や司法が強制執行に積極的に取り組むケースも増えてきました。差し押さえによって日常の移動手段を失うなど、生活に大きな影響を及ぼすことから、精神的なストレスも大きく、家庭や仕事への悪影響も無視できません。

このような債務不履行に陥った場合は、無視や先延ばしを避け、できるだけ早く専門家に相談し、分割払いの交渉や支払い計画を立てるなどの対応を行うことが重要です。差し押さえが実行されてしまう前に行動を起こすことで、生活へのダメージを最小限に抑えることができます。

差し押さえられた車のその後は?

タイヤロック

運転や売却はできるのか

車が差し押さえられた状態では、法的には「処分の禁止」が課されています。

売却や譲渡:原則不可。運輸支局での名義変更もできず、買取業者にも引き渡せません。

運転:物理的には可能ですが、違反となるわけではない一方で、事故などで損害が出た場合、法的責任が複雑になることがあります。

また、差し押さえを無視して無理に売却した場合、「詐害行為取消し」や「強制執行妨害罪」に問われる可能性があるため、処分の一切は控えるべきです。

レッカー移動・保管・処分の流れ

差し押さえが実行された後、自治体や債権者は物理的に車両を移動させ、管理することがあります。

レッカー移動:任意に応じない場合、駐車場所から強制的に移動されるケースも。

保管:指定の保管場所で一定期間保管。費用は債務者負担となることが多く、長期になると高額に。

処分:法定期間経過後に売却・廃車処分される場合もあり、売却代金は債務返済に充てられます。

これらの流れは、債務者にとっては不利益の連鎖となるため、差し押さえに至る前の対処が極めて重要です。

名義や車検への影響

差し押さえの影響は、車の登録情報や公的手続きにも及びます。

名義変更の制限:差し押さえ登録が運輸支局に記録されると、名義変更手続きが不受理となります。

車検更新が困難になる場合も:金融機関によっては、差し押さえ車両の車検費用をローンに含めることを拒否するケースも。

自賠責や任意保険の更新にも影響:差し押さえ車両は契約対象から除外されることもあり、万が一の事故時に補償を受けられない可能性もあります。

つまり、差し押さえられた車は“動かせるけど使えない”状態となるリスクが大きく、法的にも実務的にも自由な利用が著しく制限されるのです。

差し押さえを回避・解除するための方法

督促状

滞納税金の支払いと分納交渉

差し押さえを回避または解除するための基本的な方法の一つは、滞納している税金や債務をきちんと支払うことです。特に自動車税や住民税などの地方税の場合、未納が続くと差し押さえの対象となるため、早期の対応が重要となります。

しかし、全額を一度に支払うことが難しいケースも多いため、そうした場合は「分納」、つまり分割払いの交渉を行うことが有効です。分納の相談は、税金の滞納先である市区町村の税務課や担当部署に連絡して行います。多くの自治体では、分納の約束を示す「分納誓約書」を提出すれば、差し押さえの手続きを一時的に保留したり、場合によっては解除してもらえることがあります。

ただし、差し押さえがすでに執行されてしまった後は、解除の手続きが難しくなるため、督促状や催告書が届いた時点で早めに税務課に連絡し、誠実に対応することが肝心です。分納が認められるかどうかは、本人の収入状況やこれまでの滞納の経緯、そして何よりも誠意ある対応が判断材料となります。

つまり、滞納税金の支払いと分納交渉は、差し押さえを回避・解除するための最も現実的で重要なステップといえます。

差し押さえ前に車を処分・売却する選択肢

差し押さえが実際に行われる前の段階であれば、法律上は車を売却したり廃車にすることが可能です。この方法は、車の価値を活かして現金化し、滞納している税金やローンの返済に充てるための有効な手段となります。

通常、車の自動車税の納税義務者は車の名義人です。そのため、差し押さえがまだ実行されていない状態であれば、名義人が自由に車を売却することができます。特に差し押さえが近づいている場合は、運輸支局での名義変更や廃車手続きができる最後のタイミングとなることが多いため、速やかな対応が求められます。

また、車の価値が時間とともに下がることもあるため、できるだけ早く高価買取をしてくれる信頼できる業者に相談し、適正な価格で売却することが重要です。これにより、税金やローンの返済資金を確保しやすくなります。

ただし、差し押さえ通知(催告書など)が届いた後に急いで車を処分すると、「資産隠し」や「詐害行為」とみなされるリスクがあるため注意が必要です。こうしたトラブルを避けるためには、事前に専門の廃車買取業者や法律の専門家と相談しながら手続きを進めることが安心です。専門家のアドバイスを受けることで、合法的かつ安全に車の処分が可能となります。

弁護士や専門家への相談

裁判所

車が差し押さえの対象となった時点、あるいはその可能性が出てきた段階で、法律や債務整理の専門家に相談することは非常に効果的です。弁護士に相談すれば、債権者との交渉を代行してもらえたり、差し押さえを回避するための法的な手続きについて具体的なアドバイスが得られます。たとえば、自己破産や任意整理といった債務整理の方法を検討することも可能です。

税金の滞納が原因の場合は、税理士や行政書士といった専門家が、自治体との交渉や分納の調整などをサポートしてくれるケースもあります。特に、すでに差し押さえが実際に執行されてしまった後では、専門的な法的知識や交渉力がなければ問題解決が難しくなるため、できるだけ早期の相談が重要です。

さらに、費用面での不安がある場合でも、法テラスや市区町村が実施している無料法律相談窓口を利用すれば、費用をかけずに初期相談ができるので、まずはそうした公共サービスを活用して情報収集を始めるのがおすすめです。専門家に早めに相談することで、差し押さえリスクを減らし、最適な解決策を見つけやすくなります。

差し押さえリスクがある場合の廃車・買取の注意点

登録が残っているとリスクあり

車の「登録」が残っている状態では、たとえ実際にその車に乗っていなかったり車検が切れて動かせなくても、差し押さえの対象となるリスクが高くなります。これは、登録がある限りその車が資産として認識され、自動車税などの納税義務が発生するためです。

例えば、自分名義の車を使っていなくても、自動車税が課され続け、もし未納が続けば自治体は差し押さえ手続きを進めることができます。車検が切れていたり、動かせない不動車であっても、登録が抹消されていなければ行政はその車を差し押さえ可能な財産として扱います。

また、「いずれ廃車にするつもり」として放置している間に、税金の督促状が届き、差し押さえが始まってしまうケースも珍しくありません。こうした事態を防ぐためには、車を使わない、あるいは手放す予定がある場合は早めに登録抹消の手続きを済ませておくことが非常に重要です。そうすることで、無用なリスクを避けることができるのです。

名義変更や抹消登録は早めに

名義変更や抹消登録は、差し押さえを避ける上で最も基本かつ有効な手段です。これらの手続きを放置すると、以下のような問題が発生します。

  • 差し押さえリスクのある人の名義のままでは、新しい所有者が手続きを進められない(売却もできない)。
  • 差し押さえ手続きに入ってしまうと、名義変更や抹消登録ができなくなる可能性も。

手続きには次のような方法があります。

手続き名 概要 必要な場面
名義変更 所有者を変更する 売却や譲渡の場合
一時抹消登録 一時的に登録を停止(再登録可能) 使用しない場合
永久抹消登録 車を解体し、完全に登録を抹消 廃車処分時

抹消登録は自動車税の課税停止にもつながるため、滞納リスクの回避にも役立ちます。

売却・廃車のタイミングと優先順位

差し押さえのリスクがある場合、車を現金化するタイミングが極めて重要です。実行の順番を間違えると、「売却できない」「抹消できない」といった事態にもなりかねません。

タイミングの目安

  1. 催告書・督促状が届く前
    この段階なら、売却・廃車は自由。最も有利に動けるタイミングです。
  2. 催告書が届いた後
    まだ実際の差し押さえが始まっていなければ、ギリギリ売却や抹消も可能。ただし、スピード対応が求められます。
  3. 差し押さえが執行された後
    車の売却や登録変更がほぼ不可能になります。早めの判断がカギです。

また、売却と廃車の優先順位は状況により異なりますが、

  • 価値が残っていれば「売却優先
  • 廃車費用が不要・逆に買取されるなら「廃車手続きで即現金化

といった判断が基本です。

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