急停止の原因① エンジンの故障によるトラブル
車の急停止で最も深刻なのがエンジントラブルです。エンジンは車の心臓部ともいえる存在で、少しの不具合でも走行に大きく影響を与えます。以下に代表的なエンジントラブルの原因を解説します。
エンジン内部の部品摩耗や破損
エンジン内部にはピストン、シリンダー、バルブなど多くの金属部品が稼働しています。長年の使用や過走行により、これらの部品が摩耗したり破損したりすると、エンジンの動作が停止することがあります。異音や振動、加速不良といった前兆がある場合は注意が必要です。
チェックランプが点灯していたら要注意
エンジンチェックランプが点灯しているのに放置していると、重大な故障に発展する恐れがあります。点灯の原因はセンサー異常からエンジン本体の異常まで多岐にわたります。点灯した段階で整備工場での診断が必要です。
オーバーヒートが原因となるケース
冷却水不足やラジエーターの詰まりなどにより、エンジンが過熱状態(オーバーヒート)になると、保護機能によって強制的にエンジンが停止することがあります。煙や警告灯が出ていたら、すぐに車を安全な場所に停めて対処する必要があります。
オーバーヒートの対策を詳しく解説-車のオーバーヒートの原因は?症状や対策法
エンジンオイル不足による問題
エンジンオイルは部品同士の摩擦を減らす潤滑剤として不可欠です。不足や劣化が進むと、エンジン内部に強い負荷がかかり、最悪の場合エンジンが焼き付き停止することも。オイルの交換時期を守ることがトラブル予防に繋がります。
エキゾーストシステムの詰まり
排気系(エキゾーストシステム)が詰まると、排ガスが正常に排出できずエンジンの動作に悪影響を及ぼします。触媒コンバーターやマフラー内部の詰まりが原因で、加速不良やエンジン停止が発生することもあります。
クラッチを踏んでいるか(マニュアル車)
人から車を借りたなどの場合、手順がわからない場合もあるかもしれません。マニュアル車の場合、安全のため、古い車種を除き、クラッチペダルを踏みこんだ状態でないとエンジンはかかりません。また、たとえ踏み込んでいたとしても、踏み込みが甘い場合にもかからない可能性があります。しっかりと奥まで踏み込んだ状態でエンジンがかかるかどうか試してみましょう。
ギアがPに入っているか
オートマ車の場合、何かの勘違いでギアがパーキングレンジに入っていないと、キーも回らず、エンジンをかけられません。落ち着いてPに入っているか確認しましょう。
また、車種によってはブレーキペダルを踏んだ状態でないとエンジンがかからないものもあります。
急停止の原因② 燃料切れや燃料系の不具合
「突然止まった」原因として意外に多いのが燃料系の問題です。エンジンは燃料がなければ動かないため、小さなトラブルでも致命的な結果を招くことがあります。
燃料ゲージの故障による誤表示
燃料があると思っていても、燃料計の誤作動で実際には空になっているケースがあります。古い車やセンサーに問題がある車両で見られる症状です。普段より早く減っていると感じたら疑ってみましょう。
燃料タンク内の詰まりや汚れ
燃料タンク内部に錆や異物が溜まっていると、燃料の流れが阻害されてエンジンに供給できず停止することがあります。長期間使われていなかった車両に多く見られ、定期的なメンテナンスが必要です。
燃料ポンプのトラブル
燃料ポンプはガソリンをエンジンに送り込む重要な部品です。このポンプが故障すると、エンジンが燃料を受け取れなくなり走行不能に。走行中に突然停止した場合、燃料ポンプの劣化が原因のこともあります。
レギュレーターやインジェクターの問題
燃料の圧力を調整する「レギュレーター」や、燃料を噴射する「インジェクター」に問題があると、エンジンに適切な量の燃料が届かず、停止や失速を引き起こします。加速時のガクガクやエンジンの息継ぎがあれば要注意です。
急停止の原因③ 電気系統のトラブル
現代の車は電子制御の比重が高く、電気系統にトラブルが起きると、突然のエンジン停止やシステムの誤作動を引き起こすことがあります。以下は、急停止につながる主な電気系の故障原因です。
バッテリー上がりや配線のショート
車の電気系統の中心となるのがバッテリーです。バッテリーが寿命を迎えていたり、電気を大量に消費する装備の使用でバッテリー上がりが発生すると、エンジンが始動しなかったり、走行中に電力供給が絶たれて停止することがあります。
また、配線のショート(絶縁不良などにより電気が異常な経路を流れる状態)も深刻です。突然の電圧変動でECUやセンサー類が誤作動を起こし、エンジンが制御不能に陥ることも。
オルタネーターの故障
オルタネーター(発電機)は、エンジンの力で電力を発生し、バッテリーの充電や各電装品に電力を供給しています。この装置が故障すると、走行中でも徐々に電力が失われ、最終的にはエンジンが停止してしまいます。
警告灯(バッテリーマーク)が点灯していた場合は、オルタネーターの異常の可能性が高いので早急な点検が必要です。
電気配線のショートや断線
経年劣化や振動、ネズミなどによる噛み切りで、車の内部配線が断線したりショートしたりすることがあります。重要な配線が断線すると、エンジン制御系や燃料供給系が正常に動作せず、急停止を招くこともあります。
とくに古い車両や長年ガレージ保管されていない車に多く見られるトラブルです。
ヒューズの切れ
ヒューズは過電流が発生した際に電装品を保護する装置ですが、ヒューズが切れることで突然ライトやエンジン制御、燃料ポンプなどの動作が止まることがあります。原因が単なるヒューズ切れなのか、背後にショートなど重大な問題があるのかを見極めることが重要です。
ECUの故障や誤作動
ECU(エンジン・コントロール・ユニット)は、エンジンの動作や燃料噴射、点火時期などを制御するコンピューターです。この部分が故障したり、誤作動したりすると、エンジンが始動しなかったり、走行中に制御不能になって停止することがあります。
診断機が必要になるため、専門の修理工場での点検が不可欠です。交換には高額な費用がかかるケースも多く、車の年式や走行距離によっては「修理より買い替え」を検討することも現実的です。
スマートキーの電池は残っているか
スマートキーとは、キーをポケットやバッグに入れたまま車のドアの解錠・施錠、およびエンジンのON/OFFができるものです。非常に便利なものではあるのですが、スマートキーの電池切れが起きるといつものようにエンジンをかけようとしても、かかりません。
電池が完全に切れていない場合は、例えばプッシュスタートの場合は、エンジンスタートボタンにスマートキーを接触させるとエンジンはかかります。早々にスマートキーの電池を交換しましょう。
ハンドルロックがかかっていないか
車のなかには、盗難防止機能としてハンドルロック機能が装備されています。これは、エンジンがついておらずかつキーを抜いた状態でハンドルを操作すると、異常行動と判定してハンドルを固定する機能です。ハンドルロック作動中は、キーを挿してもキーが回らず、エンジンをかけることができません。
そんなときは、ハンドルロックを解除するようにしてみましょう。解除の仕方は、キーを刺して、ハンドルを左右に回しながらキーを回すと解除できます。
実はなかなかうまくいかない場合もあります、ハンドルを一方に回しながら、キーを回せばガチャとまわるはずですのでトライし続けてください。
急停止時の緊急対策と確認ポイント
突然のエンジン停止や車両の異常は、多くのドライバーにとって焦りや不安を感じさせるものです。しかし、状況を冷静に判断し、適切に対処することで事故やトラブルを最小限に抑えることが可能です。ここでは、車が急停止した際に行うべき対策と確認すべき項目について、順を追って解説していきます。
車両の安全を確保するための手順
車が突然止まってしまった際、まず最優先すべきは「自分と同乗者の安全の確保」です。エンジンが停止しても車両は惰性で進むことがあるため、ハンドル操作とブレーキでできるだけ安全な場所まで車を移動させましょう。たとえば、路肩や非常駐車帯が確保できる場所に車を停め、周囲の車両の邪魔にならないようにします。
停車後は、すぐにハザードランプを点灯させ、後続車に異常を知らせましょう。高速道路や夜間であれば、三角停止表示板や発炎筒を使用して、さらに視認性を高めることが重要です。必要があれば車外に出ますが、その際は後方からの車に注意を払い、可能であれば反射ベストの着用が望まれます。
セルフチェック法と基本メンテナンス
車両の安全を確保したら、次は自分でできる範囲のチェックを行います。再始動できる場合もあるため、原因の特定につながるヒントが得られることがあります。たとえば、燃料メーターが「空」を示していないか、キーを回してもエンジンがうんともすんとも言わないなどの状況は、それぞれ燃料切れやバッテリー上がりの可能性が考えられます。
また、エンジンルームを軽く確認し、明らかな異常(煙や焦げた匂い、オイル漏れなど)がないかを確認することも、次の行動を判断するうえで役立ちます。
よくある確認ポイントとその内容
確認ポイント | チェック内容 | 推測される原因 |
---|---|---|
燃料メーター | ガソリンが残っているか/メーターの針は動いているか | 燃料切れ、燃料計の誤作動 |
エンジン始動の可否 | キーを回しても音がしない or すぐ止まる | バッテリー上がり、ECUトラブルなど |
メーター類の警告灯 | エンジン、バッテリー、油圧等のランプが点灯していないか | 故障の事前警告 |
ボンネットからの異常 | 焦げた臭い、白煙、液体の漏れなどがあるか | 冷却水漏れ、オーバーヒート、オイル漏れ |
このようなセルフチェックを通じて、問題の概要がつかめれば、無駄に車を動かすリスクを減らし、的確な対応が可能になります。
プロによる診断が必要なケース
初期点検で異常が見つからなかった場合や、再始動ができない場合、あるいは異常音・振動が続くといった状況であれば、専門の整備工場やロードサービスによる診断が必要です。特に、ECU(エンジン制御ユニット)やセンサー系のトラブルは、外観や簡易チェックでは分からないことが多く、専用の診断機器が必要になります。
初期症状の見極め方
車が止まる前には、多くの場合、何らかの前兆があります。エンジンの回転数が不安定であったり、加速が鈍くなっていたり、燃費が急激に悪化するなどの現象が見られた場合は、早めの点検を受けることで深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。また、メーター内の警告灯が一瞬だけ点いた経験がある場合も、車が不調のサインを出していた可能性があります。
エンジンがかかるか確かめる手順
エンジンがかからずに車が動かない場合、どのような手順で原因を確かめればいいのでしょうか。ここでは2つのかんたんなステップで確かめる方法をご紹介します。
1. キーを挿して状態を確認
まず、エンジンキーを挿入し、ACCまたはONの位置で止めます。そして、ライトがつくか、パワーウィンドウが動くかどうかたしかめてください。
もしライトがつき、パワーウィンドウが動くようであれば、バッテリーは正常であると考えられます。そうでない場合は、バッテリーが原因でエンジンがかからない可能性があるといえるでしょう。
2. キーを回す
バッテリーが正常であると考えられる場合、エンジンキーを最後まで回して「キュルキュル」というモーター音がするか確認してください。音がしない場合は、セルモーターが故障していると考えられます。
しかし、モーター音はするもののエンジンがかからない場合は、バッテリーやセルモーター以外の部品が故障、例えば燃料ポンプなどが故障しているかもしれません。
エンジンがかからないときの対処方法
エンジンがかからず車が動かないとき、どのように対処すればいいでしょうか。原因ごとに6つの対処法をご紹介します。
1. ジャンピングスタートやジャンプスターターを試す
バッテリー上がりによってエンジンが始動しない場合は、ジャンピングスタートと呼ばれる、ほかの車のバッテリーを利用して自分の車のエンジンをかけるという対処方法があります。
この方法を使う場合、ブースターケーブルと呼ばれるケーブルが必要です。また、救援をおこなう車がトラックやハイブリッド車であるときはこの方法は利用できません。
ジャンピングスタートをおこなう手順は以下の通りです。
- 自車のバッテリーのプラス側に赤いケーブルを接続
- 救援車のバッテリーのプラス側に赤いケーブルを接続
- 救援車のバッテリーのマイナス側に黒いケーブルを接続
- 自車のエンジンの金属部分(取付時のショートなどを防ぐためにバッテリーとは離れたところ)に黒いケーブルを接続
- 救援車のパーキング(オートマ車)あるいはニュートラル(マニュアル車)にギアを入れ、サイドブレーキをかけ、エンジンをかけてアクセルを踏んで回転を少し高く保つ
- 自車のエンジンをかける
エンジンが始動したら、ケーブルをつないだのと逆順で取り外してください。
- 黒いケーブルを自車のエンジンの金属部分から取り外す
- 黒いケーブルを救援車のバッテリーのマイナス側から取り外す
- 赤いケーブルを救援車のプラス側から取り外す
- 赤いケーブルを自車のプラス側から取り外す
救援をおこなう車がいない場合には、ジャンプスターターと呼ばれる機器が役立ちます。これは、相手の車なしにジャンピングスタートをおこなうためのもの。車のなかに置いておくいざというときに頼りになるかもしれません。
なお、プラスマイナスを間違って接続した場合や他ショートを起こすようなことをした場合、火花が散って火災や爆発をまねく危険性があるため、自信がない方はJAFやロードサービスに依頼するのがおすすめです。
2.ハンドルロックの解除
前述のとおり、ハンドルロックによりキーが回せない状態に陥っている場合、ハンドルを左右どちらかに回しながら同時にキーを回すことでハンドルロックを解除できます。
このとき、「同時に」回すという点が重要です。右回しのほうが解除しやすかったり、左回しのほうが解除しやすかったりしますので、一度でうまくいかないときは何回か回し方を変えて試してみてください。
3. スマートキーの電池切れの対処方法を試す
スマートキーの電池切れによってエンジンがかからない場合のやり方は前述の通りです。
たとえばトヨタのプリウスであれば以下のような手順です。
- ギアがパーキングになっていることを確認
- ブレーキを踏みながら、スマートキーのメーカーロゴが入っている面でエンジンスイッチをタッチ
- スマートエントリー&スタートシステムのインジケーターが緑色の点灯したことを確認
- ブレーキを踏みながらエンジンスイッチを押してエンジンを始動
4. ガソリンスタンドに連絡する
ガソリン切れで車が動かない場合、近くにガソリンスタンドがあればガソリン専用の携行缶を貸し出してくれることもありますので、事情を話して依頼してみましょう。まずは少量だけ運び、給油し、そのあとでガソリンスタンドまで車で行って給油しましょう。懇意にされているガソリンスタンドがあればもってきていただけるかもしれません。
JAFやロードサービスを呼ぶべき状況とは
車両が自走不能な状態になった場合や、再始動が困難である場合には、無理に動かそうとせず、JAFや自動車保険に付帯されているロードサービスに連絡するのが賢明です。特に高速道路や交通量の多い市街地では、止まった場所自体が危険になることもあるため、プロによる搬送や応急処置を頼りましょう。
修理工場・ディーラー・ロードサービスの使い分け方
車が急に止まった時、まず困るのは「どこに頼めばいいのか?」という判断です。自走できるかどうか、発生した時間帯、保証の有無などによって、最適な依頼先は異なります。
状況別の適切な依頼先(自走可能・不可能)
状況 | 最適な依頼先 | 解説 |
---|---|---|
エンジンがかかる・走行可能 | 修理工場 or ディーラー | 軽度な不具合なら最寄りの修理工場でもOK。保証期間内ならディーラーへ。 |
走行中に異音や警告灯が点灯 | ディーラーを優先 | ECU系など診断が必要な場合は、メーカー専用診断機のあるディーラーが安心。 |
完全に停止し再始動不可 | ロードサービスを呼ぶ | バッテリー上がりや故障で動けない時は、レッカーまたは応急対応が必要。 |
夜間や休日で営業していない | JAFまたは保険会社の24h対応 | 営業外の時間帯は、24時間対応のロードサービスを活用。 |
レッカー移動の費用目安と保険対応の確認ポイント
レッカー移動の費用は、走行距離と時間帯によって大きく変動します。一般的には以下のような目安があります。
項目 | 費用の目安(一般) | 補足 |
基本料金(出動費) | 約8,000円〜15,000円 | 深夜・早朝は割増あり |
レッカー移動(1kmあたり) | 約500円〜800円 | 10km移動で+5,000円〜8,000円程度 |
高速道路上の作業 | 割増になるケースが多い | SA・PA以外での作業は別途通行料が加算されることも |
ただし、多くの任意自動車保険には「ロードサービス特約」が付帯しており、レッカー代無料・ガソリン補給・バッテリー上がり対応もカバーされている場合がほとんどです。急なトラブルに備え、事前に補償内容を確認しておくことが重要です。
保険会社に連絡する
自動車保険に入っていれば、基本的には無料付帯でロードサービスがついています。自分が入っている自動車保険にロードサービスが付帯しているかを確認し、あれば専用ダイヤルがありますので、電話をしましょう。タイミングや場所により時間がかかる場合がありますが、提携先のロードサービス会社がきてくれます。
なお、JAFとは異なり、要請できる回数は1契約期間のうち1回など限度があります。
保険会社の無料付帯サービスについて詳しくは”困った時の保険付帯のロードサービス“をご参照ください。
夜間や休日のトラブル時に頼れる窓口一覧
夜間や年末年始など、一般の修理工場やディーラーが営業していない時間帯には、24時間対応のサポート窓口が頼りになります。以下に代表的な連絡先をまとめました。
窓口名 | 電話番号/連絡方法 | 対応内容 |
JAF(日本自動車連盟) | #8139(携帯可) | バッテリー上がり、レッカー等全般対応 |
各保険会社ロードサービス例 | 例:東京海上日動 0120-119-110 | 保険契約に基づく無料サポート |
カーディーラーの緊急窓口 | 各社専用番号(例:トヨタ 0800-700-7700) | 保証内容確認、必要に応じて搬送案内 |
高速道路緊急ダイヤル | #9910(携帯可) | 高速道路上での事故・故障に即時対応 |
トラブル時には落ち着いて、「場所・車の状態・時間帯」を伝えることがスムーズな対応につながります。もし、車両の老朽化や頻繁なトラブルが続くようであれば、修理を重ねるよりも廃車買取を検討するタイミングかもしれません。
急なエンジントラブルに備えるためにできること
車は日々の生活に欠かせない存在ですが、突然のトラブルが起きやすい乗り物でもあります。特にエンジンの不調や故障は、場合によっては命に関わる重大なトラブルにもなりかねません。そのため、ドライバー自身が日常的にできる備えや、万が一の際に役立つ準備をしておくことが重要です。
普段からできるメンテナンスの習慣
エンジントラブルを未然に防ぐためには、日頃から車の状態に目を向ける習慣が欠かせません。たとえば、月に一度はボンネットを開けてエンジンオイルの量と汚れ具合を確認しましょう。オイルの量が少なかったり、色が真っ黒になっていたりする場合は、オイル交換のサインです。
また、冷却水の量も重要です。リザーバータンク内の水位が“LOW”ラインを下回っていると、オーバーヒートの原因になります。バッテリーの端子部分にも注意が必要で、白い粉のようなもの(硫酸鉛)が付着していたら、それは腐食の兆候です。早めに清掃や点検を行いましょう。
さらに、運転中にいつもと違う異音がしたり、焦げたような臭いを感じたり、ハンドルや足元に異常な振動があった場合は、すぐに整備工場で見てもらうべきです。小さな違和感でも、放置すると大きな故障につながることがあります。
自動車メンテナンスはここを見て!-確認すべき項目や依頼先を解説
トラブル予防には定期点検と早めの対処がカギ
車検だけでなく、半年または1年ごとに定期点検を受けておくと安心です。プロの整備士による点検では、素人では気づきにくい部分までしっかり確認してもらえます。たとえば、点火プラグやタイミングベルトの摩耗状態、燃料ポンプやインジェクターの詰まり、さらにはセンサー類やECU(電子制御ユニット)の異常など、専門的なトラブルの予兆を早期に見つけることができます。
また、メーター内のチェックランプが点灯した際に「様子を見よう」と判断するのは危険です。警告灯は車からの重要なサインであり、早めに点検を受けることで、最悪の事態を避けられる可能性が高まります。初期の対応を怠ると、修理費が倍以上に膨れ上がるケースもあるため、注意が必要です。
万が一に備える緊急キット・連絡先リストの準備
いざというときに備えて、車内には「緊急キット」を常備しておくと安心です。具体的には、スマートフォンの充電切れに備えたモバイルバッテリー、夜間でも作業や避難ができるように懐中電灯、バッテリー上がりの際に役立つジャンプスターター、そして停止時に後続車に注意を促す反射板や発煙筒などがあると便利です。
さらに、保険会社やJAF、ディーラー、ロードサービスなどの連絡先をリスト化しておきましょう。紙に書いたメモを車に保管しておくだけでなく、スマートフォンのメモアプリにも登録しておけば、万が一メモを紛失したときや急に電源が切れた場合にも対応できます。
スマートキーの電池を気にしておく
スマートキーに使われる電池はボタン電池なので、コンビニなどでかんたんに手に入らない可能性があります。このため、予備の電池を1個持っておくと安心です。しかし、電池も置いておくだけで劣化していくもの。反応が悪くなりだしたなと感じたら購入しておきましょう。
また、スマートキーの電池が切れた際にエンジンを始動する方法を事前に取扱説明書を読み、頭に入れておくとさらに安心です。
車が動かなくなった時に備えてやっておきたいこと
どんなに準備をしていても、車が動かなくなり、かつ自分では対処できない状況に陥る可能性はあります。そんなときに備えておくのも重要です。
車の急停止は“乗り換え”のサインかも?
何度も修理を繰り返している車が、ある日突然止まってしまった――そんな経験があれば、それはもしかすると“買い替え”や“手放し時”のサインかもしれません。とくに年式が古く、走行距離が多い車両ほど、これからもトラブルが増えていく可能性が高くなります。
「また修理費がかかるのか」と思ったときは、無理に修理を重ねるよりも、廃車買取などの選択肢を考える良い機会です。最近では、不動車や故障車でも無料でレッカー引き取りを行い、パーツや資源としての価値を査定してくれる業者が増えており、思わぬ金額がつくこともあります。
古い車を手放すなら、廃車買取を活用しよう
年式が古く、走行距離も多い車は、トラブルの頻度も上がります。修理費が高くつくようになったら、乗り換えや廃車を検討するタイミングです。
特に以下のようなケースでは、廃車買取を利用するのがおすすめです。
- 修理見積が10万円以上で、車の価値を上回る
- 車検が切れそう、または費用がかかりすぎる
- 既にエンジンが故障し、動かない
「廃車=費用がかかる」と思われがちですが、廃車買取専門業者であれば、逆にお金を受け取れる可能性があります。自走できない不動車でも、無料レッカーや即日引取などのサービスが充実している業者もあります。
「廃車ひきとり110番」では、急な故障や事故で動かなくなった車でも、無料査定&レッカー引取対応。車の処分に困ったときは、ぜひ一度ご相談ください。