- 年式と走行距離の基本知識
- 年式=製造・登録された年。古いと何がデメリット?
- 走行距離=使われた量の指標。短ければいいわけじゃない?
- 年式と走行距離の関係性
- 中古車市場で多く見られる年式・走行距離のパターン
- どちらも重要!判断のカギは「状態」と「メンテ履歴」
- 新しい年式は「安全装備」「燃費性能」が優秀
- 保険料・税金が安くなる「エコカー減税」の対象もある
- 10年以上前の年式だとメンテ・部品に不安も…
- 走行距離が少ないと「車の消耗度」が低い可能性大
- ただし“低走行=お得”とは限らない!使われ方に注意
- 10万km超えでも丁寧に乗られていれば優良車もある
- 【目安表】おすすめの年式×走行距離の組み合わせ
- 中古車の狙い目は「5年落ち×5万km前後」?
- 予算とライフスタイルから逆算して選ぼう
- 保険料は“古い車”ほど高くなるって本当?
- 自動車税・重量税・車検費用も年式で差がつく
- 走行距離が多いと、交換部品や整備費も増える?
- 初心者向け!中古車購入で後悔しないためのチェックリスト
- 買い替え検討中の方へ|今の車、意外と価値があるかも?
年式と走行距離の基本知識
年式=製造・登録された年。古いと何がデメリット?
「年式」とは、その車が製造された年、あるいは日本国内で初めて登録された年を意味します。つまり車の“年齢”を示すものであり、中古車を選ぶ際には非常に重要な判断材料となります。
年式が古い車にはいくつかのデメリットが考えられます。まず、安全性能や装備が現行の車に比べて劣っていることが挙げられます。たとえば、自動ブレーキや車線逸脱防止機能など、近年急速に普及した先進的な安全装備が搭載されていない場合があります。
また、燃費性能の面でも不利になるケースがあります。同じ車種であっても、年式が新しい方が燃費技術の進化によって、より効率的に走れる設計になっているためです。
さらに、年式が10年以上前の車になると、部品の供給にも不安が出てきます。製造元がすでに部品の生産を終了していることもあり、修理や交換がスムーズにいかないことがあります。
このように年式が古いことで避けられないリスクはあるものの、逆に年式が新しい車であれば、最新技術と安心の装備が手に入るというメリットもあります。
走行距離=使われた量の指標。短ければいいわけじゃない?
「走行距離」は、その車がこれまでにどれだけ使用されたかを示す指標です。一般的には、1年間でおよそ1万キロメートル前後が平均的な使用距離とされています。
一見、走行距離が短い車の方が「消耗していない」「お得」と考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。たとえば、極端に走行距離が少ない場合、それは長期間あまり動かされていなかったことを意味しているかもしれません。車は定期的に動かさないと、バッテリーの劣化やゴム部品の硬化、オイルの劣化などが進みやすくなります。
また、走っていないことが「状態が良い証拠」とは言えません。むしろ、短距離をちょこちょこ使うだけの“チョイ乗り”が続くと、エンジンや排気系に汚れが溜まりやすく、かえって車に悪影響を及ぼすこともあります。
そのため、走行距離の少なさだけに注目するのではなく、「どのように使われていたか」にも目を向けることが大切です。走行距離はあくまで一つの目安であり、実際の使用状況やメンテナンスの履歴とあわせて判断するのが安心です。
年式と走行距離の関係性
年式と走行距離は、それぞれ独立した数値ですが、セットで見たときに初めて“その車の状態”が見えてきます。
- 年式が新しくて走行距離が短い車 → 使用期間も短く、比較的状態が良い傾向にある
- 年式は古くても走行距離が極端に少ない車 → 使用頻度が少ないものの、長期保管の劣化リスクあり
- 年式も古く、走行距離も多い → 消耗度が高く、メンテナンス履歴や修復歴の確認が必須
このように、年式と走行距離は単体で見るよりも、「両方のバランス」で総合的に判断することが重要です。
中古車市場で多く見られる年式・走行距離のパターン
中古車市場では、年式と走行距離の組み合わせにはある程度の“傾向”があります。
年式 | 走行距離 | よくあるタイプ |
---|---|---|
3〜5年落ち | 2万〜5万km | ディーラー試乗車・初回車検後の買い替え車など |
7〜10年落ち | 6万〜10万km | 法人リース車・日常使いのファミリーカー |
10年以上 | 10万km超 | 長年乗られた車。状態・整備履歴の確認が重要 |
このように、市場で多い組み合わせからある程度の「車の使われ方」も見えてきます。
「なぜこの距離で手放されたのか?」という背景にも注目すると、より良い判断が可能です。
どちらも重要!判断のカギは「状態」と「メンテ履歴」
中古車選びでは、年式と走行距離はあくまで“目安”に過ぎません。最も大切なのは、実際の車の「状態」です。
- 定期的にオイル交換されていたか
- 車検や点検記録が残っているか
- 過去に事故や修復歴があるか
これらの情報は、販売店での確認や車両状態評価書、整備記録簿からチェックできます。
また、プロの整備士による点検済み車両や、第三者機関の鑑定付き中古車など、信頼性の高い情報源も活用しましょう。
新しい年式は「安全装備」「燃費性能」が優秀
中古車を選ぶ際、年式が新しいというだけで大きなメリットがあります。その最たる例が「安全装備」と「燃費性能」の進化です。
たとえば近年の車には、自動ブレーキや車線逸脱警報、誤発進抑制装置など、事故を未然に防ぐ先進安全機能が標準搭載されるケースが増えています。こうした装備は、数年前までは高級車や上位グレードの専用という印象がありましたが、今では一般的なコンパクトカーや軽自動車にも広く搭載されるようになりました。
さらに燃費の面でも、新しい年式の車ほど優れた性能を持っています。ハイブリッド技術の進化やエンジンの高効率化により、同じ車種でも年式が新しいだけでリッターあたりの走行距離が大きく伸びていることがあります。燃費の良さは、日常のランニングコストを抑えるうえで無視できない要素です。
このように、新しい年式の車は「安全性」と「経済性」の両方で優れており、特に家族での利用や長距離運転が多い人にとっては、大きな安心材料になるでしょう。
保険料・税金が安くなる「エコカー減税」の対象もある
年式が新しい車には、保険料や税金の面でも優遇される可能性があります。特に注目すべきなのが「エコカー減税」の対象かどうかです。
エコカー減税とは、国が定めた排出ガスや燃費基準をクリアした車両に対して、自動車取得税や重量税を軽減する制度です。適用対象は主にハイブリッド車やクリーンディーゼル車で、一定の年式以降に製造された車に限られるため、比較的新しい車でなければ恩恵を受けられません。
また、自動車保険においても、新しい年式の車の方が事故率が低く、部品の交換がスムーズにできることから、保険料が安く抑えられる傾向にあります。特に先進安全装備を搭載した車は事故リスクの低減が見込まれるため、保険会社側から見ても「安全な車」として評価されやすいのです。
このように、年式が新しいことで保有コストに差が出る場合があり、トータルで見れば「お得な買い物」になる可能性が高いのです。
10年以上前の年式だとメンテ・部品に不安も…
一方で、10年以上前の古い年式の車になると、たとえ見た目が綺麗であっても、内部的な劣化やメンテナンス面での不安が出てきます。
車は長年使われることで、エンジンや足回り、ゴム部品、電装系などあらゆる箇所に負荷が蓄積されていきます。とくに10年を超える頃からは、経年劣化による不具合や部品の交換が必要になる可能性が高まります。
さらに、年式が古くなるほど部品の製造が終了していることも多く、修理や整備の際にパーツが手に入らないというトラブルも考えられます。中古部品で代用できる場合もありますが、探す手間や時間がかかり、結果として維持コストがかさむことも少なくありません。
もちろん、丁寧に乗られていた古い車には魅力もありますが、メンテナンス履歴や状態が不明な場合は、余計な出費やリスクを抱える可能性がある点には注意が必要です。
走行距離が少ないと「車の消耗度」が低い可能性大
走行距離はその車がどれだけ使われたかを表す、いわば「使用量の指標」です。一般的に1年あたり1万km前後が標準的な目安とされており、これよりも短い距離の車は「低走行車」と呼ばれます。
走行距離が少ない車は、エンジンや足回り、ブレーキなどの機械部分があまり酷使されておらず、全体的な“消耗度”が低い傾向があります。とくに年式が新しく、なおかつ走行距離も短い場合は、外装や内装の傷みも少なく、長く安心して乗れる中古車に出会える可能性が高いでしょう。
ただし“低走行=お得”とは限らない!使われ方に注意
一見魅力的に見える低走行車ですが、「走っていない=必ずしも良い車」とは言い切れません。特に注意したいのが、走行距離が極端に短い車の「保管状況」や「使われ方」です。
例えば、5年落ちなのに2万km未満しか走っていないような車は、以下のようなケースが考えられます。
状態 | 考えられる使用背景 | 注意点 |
---|---|---|
長期保管車 | ほとんど動かされていなかった | バッテリー、オイル、ゴム部品などが劣化している可能性 |
近距離走行のみ | 毎日の買い物など短距離ばかり | エンジンやオイルが十分に温まらず内部に負荷が蓄積しやすい |
展示車・レンタカー落ち | 走行距離は少ないが稼働時間は長い | 意外と消耗が進んでいる可能性もある |
つまり、走行距離だけで判断せず、「どう使われてきたか」「どのように保管されていたか」といった背景にも目を向ける必要があります。
10万km超えでも丁寧に乗られていれば優良車もある
中古車市場では、「10万km」がひとつの節目として扱われることが多く、このラインを超えると価格が大きく下がる傾向があります。しかし、これはあくまで“目安”であって、10万kmを超えた車がすべて悪いというわけではありません。
むしろ、定期的に点検・整備がされ、メンテナンス履歴がしっかりしている車であれば、走行距離が多くてもまだまだ元気に走る「優良中古車」である可能性もあります。特に、以下のようなメンテ記録がある車は要チェックです:
- タイミングベルトやウォーターポンプの交換歴
- ブレーキパッドやバッテリー、タイヤなどの消耗部品の交換履歴
- オイル・エレメントの定期交換記録
こういった点がしっかりしていれば、「距離が多い=安いけど安心して乗れる車」として、コストパフォーマンスの高い選択肢になり得ます。
【目安表】おすすめの年式×走行距離の組み合わせ
中古車選びで「年式」と「走行距離」のバランスは非常に重要です。どちらも新しい(短い)ほど状態が良い傾向にありますが、当然価格も高くなります。そのため、コストと車の状態のバランス=コスパの良さを見極めることが大切です。
以下は、目安となるおすすめの年式・走行距離の組み合わせ例です。
年式(経過年数) | 走行距離の目安 | コスパ評価 | 特徴 |
---|---|---|---|
1〜3年落ち | ~3万km | ★★☆☆☆(高額) | 新車に近く装備も最新。ただし価格も高い。 |
4〜6年落ち | 3万〜6万km | ★★★★★(最適) | 状態も良好で価格も適正。装備と予算のバランスが良い。 |
7〜9年落ち | 7万〜9万km | ★★★★☆ | 安く手に入りやすく、しっかり整備されていれば実用性も高い。 |
10年以上 | 10万km〜 | ★★☆☆☆ | 安価だが、部品や修理費用に注意が必要。予備車向き。 |
上記の中でも特におすすめされるのが「5年落ち×5万km前後」の車です。
中古車の狙い目は「5年落ち×5万km前後」?
中古車市場では、「5年落ち・5万km前後の車」がコストと品質のバランスが最も良いゾーンといわれています。
この理由としては、以下の点が挙げられます。
- 安全性能や燃費などの最新技術がある程度搭載されている
- 初期の大きな値下がりが進んでおり、価格が安定している
- まだ大きな故障や交換部品の心配が少なく、当面のメンテ費用が抑えられる
また、この年代の車は「まだまだ現役」として十分に使える車が多く、次の車検(おおむね2年後)までは安心して乗れる場合がほとんどです。
ただし、輸入車の場合は部品代や維持費が高めになるケースがあるため、国産車とはやや事情が異なる点にも注意が必要です。
予算とライフスタイルから逆算して選ぼう
とはいえ、年式や走行距離だけにとらわれず、自分の予算と使い方(ライフスタイル)に合わせて車を選ぶことが最も重要です。
たとえば…
- 通勤で毎日長距離を運転する → 燃費が良く信頼性の高い5〜6年落ちの国産車
- 週末だけの使用や買い物メイン → 10年落ちでも状態の良い低走行車でコスパ重視
- 家族で旅行やレジャーによく出かける → 安全装備が充実した年式の新しい車
- 初めての車、短期的な利用 → 価格が抑えられた8〜10年落ちのコンパクトカー
このように、「何にいくら使いたいか」「どのくらいの距離を走るか」「安全性能や快適性をどの程度求めるか」といった観点から逆算することで、自分にとって最適な中古車が見えてきます。
保険料は“古い車”ほど高くなるって本当?
一般的に「古い車は保険料が高くなる」と思われがちですが、これは必ずしも正しくありません。
自動車保険には大きく分けて「任意保険」と「自賠責保険」がありますが、保険料に影響するのは主に任意保険です。任意保険の保険料は、「車の種類」「年齢」「運転歴」「等級」など多くの要素で決まります。
ただし、年式が古くなると車両保険の補償額が下がるため、以下のような影響が出ることがあります。
- 車両保険に加入しないケースが増える
→ 古すぎるとそもそも車両保険がつけられない、あるいは補償がごく低額になるため。 - 修理費と車の価値が見合わなくなる
→ 小さな事故でも「全損扱い」になることが多い。
つまり、古い車=保険料が高くなるのではなく、補償の内容や事故時の扱いに制限が出るというのが正しい理解です。
自動車税・重量税・車検費用も年式で差がつく
車の維持費で確実に年式の影響を受けるのが、「自動車税」と「重量税」です。特に登録から13年を超えた車には、税金が重くなる制度が適用されます。
以下に、税金の増加例を示します(普通車の場合)
区分 | 自動車税(年額) | 重量税(車検時2年分) |
---|---|---|
新車〜13年未満 | 約39,500円(例:1.5L) | 約24,600円(1.5t以下) |
13年超 | 約45,400円(約1.15倍) | 約32,800円(約1.3倍) |
18年超 | 約50,000円超え | 約37,800円超え |
加えて、車検費用も古い車ほど高くなりやすい傾向にあります。理由は以下のとおりです。
- 部品の劣化により追加整備が必要
- ブレーキや足回りの部品交換が頻発する年式帯に突入
そのため、古い車ほど「目に見えない維持費」がかかる可能性があることを考慮する必要があります。
走行距離が多いと、交換部品や整備費も増える?
走行距離は、車の消耗度を測る上でわかりやすい指標です。10万kmを超えると、「消耗部品の交換が必要になる箇所」が一気に増え始めます。
たとえば以下のようなパーツは、一定の走行距離を超えると交換タイミングが近づきます。
部品名 | 交換目安距離 | 交換費用(目安) |
タイミングベルト | 約10万km | 3〜7万円 |
ブレーキパッド | 3〜5万km | 1〜2万円 |
バッテリー | 3〜5年 or 3万km〜 | 1〜3万円 |
タイヤ | 3〜5万km | 3〜6万円(4本) |
また、オイル漏れ・エンジン内部の摩耗など目に見えにくい劣化も進みやすくなります。
ただし、しっかり整備されていた車であれば、走行距離が多くても安心して乗れるケースもあるため、整備履歴の確認が非常に重要です。
初心者向け!中古車購入で後悔しないためのチェックリスト
年式・走行距離だけで判断しない!チェックポイントまとめ
中古車選びでは「年式が新しい」「走行距離が少ない」といった数字に目がいきがちですが、それだけで判断するのは早計です。まず注目すべきは整備記録簿の有無です。過去にどのようなメンテナンスが施されてきたかがわかれば、トラブルの予防にもつながります。
また、修復歴の有無も重要です。見た目にはわからない事故歴がある車は、フレームや足回りにダメージが残っている可能性があるため、注意が必要です。さらに、内外装の状態も見落とさないようにしましょう。シートのヘタリや塗装のくすみ、サビなどは、これまでの使われ方を物語っています。
そして、可能であればエンジンのかかり具合や走行時の感覚を確認するのも有効です。静かにスムーズに動くか、ブレーキやアクセルの反応に違和感がないかなど、細かな感触を確認することで、車の“健康状態”がわかります。
このように、年式や走行距離だけにとらわれず、車の状態を多角的に見ることが後悔しない中古車選びのコツです。
信頼できる販売店を選ぶのも大事なポイント
いくら条件が良さそうな車でも、販売店の対応や信頼性に不安があれば、購入後にトラブルになる可能性もあります。たとえば、車両状態について丁寧に説明してくれるか、保証やアフターサービスの内容が明確かといった点をしっかり確認しましょう。
また、事前にネットや口コミで店舗の評判をチェックするのも大切です。最近では第三者機関による検査済み車両を扱う店舗も増えており、そうした制度を活用するのも安心材料になります。
中古車選びにおいて、販売店選びは「良い車を手に入れるための入り口」です。価格だけでなく、アフターケアや説明の丁寧さなど、総合的な対応力を見て判断しましょう。
迷ったらプロに相談!中古車選びのコツとは?
「たくさんの車の中からどう選べばいいのかわからない」「条件が多くて決められない」と感じたら、無理せずプロに相談するのが近道です。整備士資格を持つ知人がいれば頼るのも一つの方法ですし、販売店のスタッフにじっくり相談するのも有効です。
最近では、第三者の立場からアドバイスしてくれる中古車アドバイザーといったサービスもあります。プロの目から見た車の状態や、価格の妥当性などを客観的に教えてくれるので、初心者でも納得のいく選択がしやすくなります。
一人で悩んで選ぶより、信頼できる人に相談しながら判断することで、中古車選びの失敗リスクは大きく減らせます。
買い替え検討中の方へ|今の車、意外と価値があるかも?
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