車の色選びで重視すべき要素とは
車の色は見た目の好みだけでなく、メンテナンス性・売却時の査定・使用環境など、さまざまな要素に影響します。「汚れの目立ちにくさ」や「売却価格に有利な色」など、色選びで失敗しないための視点を6つのポイントに分けて解説します。
① 汚れが目立ちにくい色は?
車をきれいに保ちたい方にとって、「汚れの目立ちにくさ」は重要な要素です。実は、色によって泥・ほこり・雨ジミなどの「目立ち方」が大きく異なります。
砂埃や雨ジミが目立たない色トップ3
順位 | 色 | 特徴 |
---|---|---|
1位 | シルバー(メタリック含む) | 砂埃・雨シミ・水垢が非常に目立ちにくい。管理がしやすく長くきれいに見える。 |
2位 | グレー | やや暗めで汚れが目立たず、光沢がなくても清潔感が保てる。 |
3位 | ベージュ・ブロンズ系 | 中間色なので汚れのコントラストが出にくく、雨や黄砂に強い。 |
※この3色は「洗車の頻度を減らしたい」「屋外駐車が多い」という人に特におすすめです。
白と黒は本当に汚れやすい?
- 白:泥はねや水アカが目立ちやすく、放置すると黄ばみやすい
- 黒:雨ジミやキズ・くすみが目立ちやすく、こまめな洗車が必要
どちらも高級感があり人気のある色ですが、美観維持には手間とコストがかかるため、洗車やワックス掛けをこまめに行える人向きといえます。
メンテナンスが楽なカラーとは
手間をかけずに長く乗りたい場合、次のような色がメンテナンス面で優れています。
- シルバー・グレー系:洗車頻度が少なくても汚れが目立たず、傷もわかりにくい
- 中間色(ベージュ、ブロンズ):自然な色合いで光の反射に左右されにくい
- メタリックカラー:表面の凹凸で汚れや小傷が見えづらく、輝きを保ちやすい
② 売却時に高く売れる人気色は?
車を手放す際、ボディカラーが査定額に影響することがあります。特に中古車市場では「リセールバリュー(再販価値)」の高い色が存在します。
リセールバリューが高い色ランキング
2025年の中古車市場傾向をもとに、売却時に有利とされる色をランキング形式で紹介します。
順位 | 色 | 傾向・理由 |
1位 | パールホワイト | 高級感・清潔感があり、トヨタなどで人気。特にパール系が査定に強い。 |
2位 | ブラック(ソリッド・メタリック) | 高級志向・スポーツカーに根強い人気。手入れの差が価格差に直結。 |
3位 | シルバー | 管理が楽で法人需要も多いため、幅広い層に好まれる。 |
4位 | グレー | 落ち着きと上質感でSUV・セダン系に人気上昇中。 |
5位 | ブルー・ネイビー系 | スタイリッシュで男性ユーザーに人気。車種によってリセールの差あり。 |
ボディカラーで査定額はどれだけ変わる?
一般的には、不人気色と人気色で5〜15万円の差がつくこともあります。特にスポーツカーやSUVでは「定番色(白・黒)」以外だと買取業者が再販しにくく、減額される可能性があります。
中古車市場で人気のカラー傾向(2025年版)
2025年現在の傾向としては、以下の通りです。
- 定番色:白・黒・シルバーは依然として強い
- グレー・ネイビーなど落ち着いた色が増加中
- 派手な色(赤・黄色・緑)は車種や用途によっては大幅減額の可能性
特にファミリーカーや軽自動車では「無難な色」が選ばれやすく、売却時にも査定が安定しやすいとされています。
③ 傷・へこみ・経年劣化が目立ちにくい色は?
車の色は見た目の印象を左右するだけでなく、日々の使用で蓄積されるキズや劣化の目立ちやすさにも大きな影響を与えます。購入時にはきれいだったボディも、年数が経つと細かい洗車キズや紫外線による色あせ、飛び石による小キズなどが気になるもの。色選びによって、それらの変化を目立ちにくくできるかどうかが決まります。
洗車キズや線キズが目立つ色、目立たない色
黒や濃紺などの濃色は、非常にキズが目立ちやすい色です。特に洗車の際にできる薄いスクラッチや、ドア周りの引っかき傷が光の加減でくっきり見えてしまいます。新車時は輝いて見える黒も、わずかなキズで印象が大きく変わるため、美しさを保つには念入りなメンテナンスが必要です。
反対に、シルバーやベージュ、薄いグレーといった中間色は、光の反射や表面の乱れが目立ちにくく、多少の小キズや汚れがあっても目立ちません。屋外駐車が多い人や、メンテナンスの頻度を減らしたい人にはこれらの色が適しています。
紫外線による色あせに強いカラーは?
太陽光に含まれる紫外線は、塗装の表面を劣化させ、色あせや艶引けの原因となります。とくに赤や青、濃い緑などの鮮やかなカラーは紫外線による影響を受けやすく、数年で色の鮮度が落ちてしまうケースもあります。
一方、シルバーやホワイト系は紫外線の反射率が高く、比較的色あせしにくい傾向にあります。メタリック塗装も、表面のアルミ粒子が光を反射するため、劣化に強い特徴があります。ただし、どの色でも保護効果のあるコーティングを行っていれば耐久性は大きく向上します。
ブラックは維持が大変?賢いケア方法
黒い車は圧倒的な高級感と存在感が魅力ですが、その美しさを維持するには努力が必要です。水アカやホコリがすぐに目立つだけでなく、小さなキズも光に反射してくっきりと浮き出てきます。そのため、こまめな洗車とワックスがけが欠かせません。
メンテナンスのコツは、「こすらない洗車」と「定期的なコーティング」です。泡洗車やマイクロファイバークロスを使うことで、キズを最小限に抑えられます。また、ガラス系コーティングやセラミックコートを施工しておけば、撥水性と艶を長期間キープできるため、黒でも比較的楽に美しさを保てます。
ベージュやグレージュの人気と実用性
近年、ベージュやグレージュ(グレー+ベージュ)のようなニュアンスカラーが静かな人気を集めています。これらの色は温かみや柔らかさがあり、街中でも自然に溶け込む落ち着いた雰囲気が魅力です。
実用面でも非常に優秀で、ホコリや雨ジミ、細かなキズが目立ちにくく、経年劣化にも強いという特長があります。また、こうした中間色はファミリー層やシニア世代にも好まれ、中古車市場でも一定の人気を保っているため、将来的な売却にも有利になる可能性があります。
④ 自分らしさを出せる!おしゃれ・個性的な車の色
車の色には「流行」や「資産価値」も関係しますが、なにより大切なのは自分が好きかどうかです。車は毎日使うアイテムであり、色を通じて自分らしさを表現することもできます。周囲とは少し違う個性やセンスを求めるなら、カラー選びで冒険してみるのも選択肢の一つです。
個性派におすすめのカラーバリエーション
オレンジやターコイズ、マット系のダークグリーンなど、近年では個性的なカラーをラインナップするメーカーも増えています。こうしたカラーは「被りにくい」「目立つ」「印象に残る」といった特徴があり、ドライブやアウトドアを楽しむアクティブな人に好まれています。
特にSUVや軽自動車では、自由度の高いカラー展開がされており、内装やアクセントとの組み合わせでより個性的な一台が完成します。
人気のツートンカラーや限定色とは?
最近は、屋根とボディで色を変える「ツートンカラー」が人気を集めています。特に若年層を中心に、おしゃれで遊び心のあるデザインとして評価されており、軽自動車やコンパクトカーでよく見られます。
また、メーカー限定の特別仕様色(プレミアムレッドやダークモカなど)も、限定感や高級感を演出できるため支持を集めています。限定カラーは販売台数が少ない分、中古車市場で「希少価値」として評価されることもあります。
カラフルな車で注意したい点
ビビッドな色は確かに個性的で目を引きますが、いくつかの注意点もあります。まず、色褪せのスピードが早いものが多く、数年で印象が大きく変わってしまうことがあります。また、人気が偏りやすいため、再販時の査定が厳しくなるケースも少なくありません。
さらに、修理の際に同じ色を再現するのが難しいこともあり、ドアやバンパーの交換時に“色違い感”が残ってしまうリスクも。個性的な色を選ぶ場合は、「将来売るか、それとも乗りつぶすか」といった長期的な視点も合わせて検討すると安心です。
⑤ 色で維持費は変わる?
車の色は見た目だけでなく、維持費にも影響を与えることがあります。塗装の特性やメンテナンスの手間により、洗車・コーティング・補修・保険・下取り価格などのコストが変動するため、色選びの際には「美しさの維持にかかるコスト」も考慮するのが賢明です。
洗車回数・コーティング費用との関係
黒や濃紺といった濃色系の車は、ホコリや水垢が非常に目立ちやすく、洗車の頻度が増えがちです。洗車を怠るとすぐにくすんで見えるため、美観を保つにはこまめな手入れが欠かせません。その結果、水道代や洗車場の利用料、時には専門業者に依頼する費用が積み重なっていきます。
加えて、濃色はコーティングによる保護が必須となることが多く、ガラスコーティングやセラミックコートなどの施工費用(数万円〜十数万円)も考慮しなければなりません。一方で、シルバーやベージュなどの中間色は、多少の汚れやくすみが目立ちにくく、洗車の回数も抑えられるため、長期的なコスト負担が軽くなる傾向にあります。
補修・再塗装で費用がかかる色とは
万が一、ドアやバンパーなどを擦ってしまった場合、補修・再塗装には「色味の再現性」が重要です。特にパールホワイトや3コートパール、マット系カラーなどは色合わせが難しく、部分補修では違和感が残りやすいため、パネル全体を塗り直す必要が出ることがあります。
また、原材料費や塗装技術料が高めに設定されているカラーでは、一般的なソリッド塗装(白・黒・赤など)と比較して補修費が高額になる傾向にあります。メーカー純正の特別色や多層塗装を選んだ場合、軽微な傷であっても修理費用が2〜3倍になるケースもあるため、注意が必要です。
保険料や下取りへの影響は?
車両保険の保険料自体は基本的に「車種・年式・用途」に基づいて算出されるため、ボディカラーによって直接的な保険料の差は生じません。ただし、事故時の修理費が高額になりやすいカラー(パール系やマットカラー)は、保険金の請求額が大きくなりがちなため、結果的に等級が下がりやすく、翌年の保険料が上がるリスクもあります。
下取りに関しては、色の人気度によって査定額に差が出ることがよくあります。一般的に白・黒・シルバーは安定した需要があり、リセールバリューも高めです。個性的な色はその逆で、買い手が限られるため、中古市場での価値が下がりやすい点は意識しておきたいところです。
⑥ 今選ばれている!2025年の流行色・メーカー限定色
2025年の自動車カラーは、これまでの人気傾向を踏襲しつつ、エコ・サステナブル・個性の多様化といった時代背景を反映した新色も登場しています。メーカーごとに打ち出す「限定色」や「テーマカラー」は、デザイン重視のユーザーにとって重要な選択肢となっています。
自動車メーカー別の人気トレンドカラー
2025年の傾向としては、自然界をモチーフにしたアースカラー(深緑・オリーブ・スモーキーブルー)が注目を集めています。特にSUVやアウトドア系モデルでは「アーバンカーキ」「フォレストグリーン」「セラドングレー」などがラインナップされ、落ち着きと個性のバランスを求める層に好評です。
トヨタは「アッシュグレー」や「グレイッシュブルー」、ホンダは「プレミアムサンライトホワイト」や「シーグラスブルー・パール」といった光の加減で印象が変わる色味を推しています。日産は「ステルスグレー」などのクールなカラー展開、マツダは定番の「ソウルレッドクリスタル」や新色「ロジウムホワイト」をアピールしています。
このように、各社は定番カラーに加えて微妙なニュアンスや質感にこだわった新色を投入しており、選択肢の幅が広がっています。
限定カラーは得か損か?
限定色には「プレミア感」「希少性」「ブランド戦略に沿ったテーマ性」などの魅力があります。たとえば周年記念車や特別仕様車に採用されるカラーは、その時しか買えない特別感があり、所有欲を満たしてくれます。
しかし、中古市場では必ずしも高く評価されるわけではありません。特定の層にしか響かないカラーだった場合は、買い手がつきにくく、査定額が下がるケースもあります。また、補修時の塗料が手に入りにくく、修理費が高額になるというデメリットもあります。
したがって、限定色を選ぶ場合は、「長く乗る覚悟」や「売却時の価値より満足感を重視するか」を明確にしておくことが重要です。
車の色を選ぶときのよくある質問(Q&A形式)
白はやっぱり無難?飽きる?
Q:白い車ってやっぱり無難?それともすぐ飽きる?
A:白は、業界でも最も人気が高く、「無難で選んだが結局正解だった」と言われることの多い色です。特にパールホワイトは高級感があり、汚れや細かなキズもある程度目立ちにくいというメリットがあります。
ただし、他車と被ることも多く、「どこか個性がない」と感じる人にとっては、数年後に飽きてしまうことも。そういった場合は、ツートンカラーやアクセントステッカーで差別化を図るのも一つの方法です。
赤い車は事故率が高いって本当?
Q:赤い車は事故率が高いと聞きました。本当ですか?
A:赤は視認性が高く、実際には「目立つことで事故を防ぐ効果がある」とも言われています。しかし一方で、スポーティな印象やスピード感があるため、無意識にスピードを出しやすい傾向があるのも事実です。
統計的に見ても、赤そのものの色が事故率を上げているわけではなく、ドライバーの運転傾向や車種(スポーツカーなど)に影響されることが多いとされています。つまり、「赤=危険」というわけではなく、あくまで乗る人次第です。
カラー変更(オールペン)はあり?なし?
Q:今の車に飽きたので色を変えようかと思っています。オールペン(全塗装)ってありですか?
A:オールペンは確かに車の印象をガラリと変えられる方法ですが、費用は20〜50万円以上と高額で、元の塗装より劣化しやすいケースもあります。また、車検証に記載の「車体色」も変更手続きが必要です。
さらに、再塗装した車は「改造車」と見なされることがあり、中古車としての価値が下がることもあるため注意が必要です。見た目のリフレッシュ目的だけであれば、ラッピング(カーフィルム)という選択肢もあります。
ただし、「今の車に飽きた」「新しい色の車に乗りたい」と感じるようであれば、それは買い替えを考えるサインとも言えます。
車の色を変えたいと思ったら、それは乗り換えのサインかも
日々乗る車の色がなんとなく気に入らなくなってきた、今の気分に合わない──そんな風に思ったことはありませんか?
実はそれ、「車の買い替えどき」が近づいているサインかもしれません。
車の色に対する印象は、ライフスタイルや年齢、趣味によって変わっていくものです。たとえば、若い頃は黒のセダンに憧れていたけれど、今は子育て中心で柔らかい色のミニバンがしっくりくる、という変化は自然なことです。
無理に今の車を塗り替えるより、今の自分にぴったりな1台に乗り換えるほうが、結果的に満足度が高くなることも多いのです。
迷ったら査定だけでもしてみよう
「でも、まだ乗れるし」「査定しても大した金額にならないかも」と思っていませんか? 実は中古車市場では、ボディカラーによる需要も含めた細かな査定が行われており、思ったより高値がつくことも少なくありません。
特に人気カラーの車や、パール系・ツートンカラーなどは状態が良ければ高く評価されます。「売るほどじゃないけど、どれくらいの価値があるか知りたい」という方も、まずは無料査定だけでも受けてみるのがおすすめです。
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