1. 車検証アプリの基本情報と使い方
■ 車検証アプリとは?紙の車検証との違い
車検証アプリは、自動車の電子車検証の情報をスマートフォンで閲覧・管理できる公式アプリです。正式名称は「車検証閲覧アプリ」で、国土交通省の監修のもと提供されています。
2023年1月から普通自動車の車検証が電子化され、従来のようにすべての情報が紙に印刷されるのではなく、ICタグ内に車両情報が記録される仕組みに変わりました。
これにより、アプリを使えば以下のようなことが可能になります
- 車検証に記録された詳細な情報(使用者情報・車検有効期限など)をスマホで確認できる
- 車検の期限切れ通知や整備記録の管理もアプリ上で確認できる
- 紙の車検証がICタグ付きの小型カードになり、持ち運びが簡単に
ポイント比較
項目 | 紙の車検証(旧式) | 電子車検証(ICタグ+アプリ) |
---|---|---|
情報の見方 | 書面に直接印刷 | スマホアプリで確認 |
携帯性 | A4サイズでかさばる | 小型カード型でコンパクト |
更新・整備通知 | 自動通知なし | アプリで通知を受け取れる(任意) |
紛失リスク | 紙の紛失で再発行が必要 | カードとスマホアプリの併用で安全性向上 |
■ アプリはどこで使える?対応端末と必要環境
車検証アプリは、iPhone・Android双方に対応しており、以下のストアから無料でダウンロード可能です。
- iPhone:App Store
- Android:Google Play
ただし、使用には以下の環境条件が必要です
【対応端末の要件】
OS | バージョン条件 |
Android端末 | Android 10以上 |
iPhone(iOS端末) | iOS 13以上(iPhone 8以降が目安) |
【その他の必要条件】
- NFC(近距離無線通信)機能を搭載していること(ICタグ読み取りに必要)
- インターネット接続(アプリの初期登録や情報の取得時に利用)
一部の格安スマホや旧型端末はNFCに非対応な場合があるため、使用前に端末の仕様を確認しましょう。
■ 初回登録とICタグ読み取りの流れ
車検証アプリを初めて利用する際には、次のような手順で登録を行います。
初回登録の流れ(簡略版)
- アプリのインストール App Store または Google Play で「車検証閲覧アプリ」と検索しダウンロード。
- アプリを起動して「ICタグ読み取り」を選択 車検証カードの裏面にあるICタグに、スマホを近づけて読み取ります。
- 読み取った情報を確認・登録 所有者情報、車両情報などが表示され、必要に応じてメモ登録などが可能。
注意点
- ICタグは「カード裏面の右上付近」にあります。
- スマホによってNFCの読取位置が異なるため、うまく読めない場合は位置を少しずらしてみてください。
- アプリに車両情報を登録しても、国への申請や登録手続きは行われません(あくまで「閲覧」用アプリです)。
■ アプリで何ができる?主な機能と画面の見方
車検証アプリでは、以下のような主な機能が提供されています。
主な機能一覧
機能 | 内容 |
車両情報の閲覧 | 車検有効期限・登録年月日・所有者氏名などの確認 |
ICタグ情報の読み込み | スマホでICタグの情報をいつでも読み取り可能 |
メモ登録機能 | 車両ごとにメモ(整備記録、部品交換履歴など)を記録可能 |
登録車両の一覧表示 | 複数台所有している人向けの車両管理がしやすい |
お知らせ・通知機能(予定) | 将来的に、リコールや車検期限などの通知予定あり |
画面の見方
- トップ画面には登録済み車両の一覧が表示されます。
- 車両をタップすると詳細情報画面に遷移し、ICタグ情報、使用者情報、型式、車検満了日などが確認できます。
- メモ機能や削除などの管理ボタンは画面下部に表示。
2. 車検証アプリ導入の背景と目的
■ なぜ車検証を電子化することになったのか?
車検証の電子化は、行政の効率化・利便性の向上・デジタル社会への対応を目的とした国の方針の一環です。
具体的には以下のような理由からスタートしました。
背景にある課題
- 紙の車検証では記載スペースが限られていた
- 所有者情報の変更や整備履歴の記録などが分散・非効率的だった
- 行政窓口での処理も紙ベースで人手や時間がかかっていた
こうした課題を踏まえ、2023年1月から普通自動車の車検証がICタグ付きの電子車検証へ移行されました。
従来のように情報を紙に印刷するのではなく、ICチップ内に記録する方式です。
この電子化により、情報更新や閲覧がスマートフォンや業者の端末から可能になり、事務処理の迅速化・ペーパーレス化が実現されつつあります。
■ 国が進める「車両情報のデジタル管理」の狙い
国土交通省は、車検証の電子化を単なる「省スペース化」ではなく、日本全体の車両データを一元的にデジタルで管理する取り組みの第一歩と位置づけています。
主な狙いと利点
- 所有者・使用者の変更、車検・整備記録などをオンラインで一元管理
- 行政・整備業者・保険会社などとの情報連携がスムーズに
- 紛失や偽造リスクの低下、セキュリティ向上
- 利用者にもメリットがあり、手続きの簡略化・通知機能の拡充が期待される
将来的には、マイナポータルや電子申請システムとの連携によって、廃車や名義変更などもオンラインで完結する時代が見込まれています。
■ 軽自動車はいつから?今後の電子化スケジュール
現在のところ、電子車検証が導入されているのは「普通自動車」のみです。
一方、軽自動車やバイクなどの車検証はまだ紙のままですが、電子化に向けた準備が進んでいます。
軽自動車の電子化予定
- 導入時期:未定(国土交通省が関係機関と調整中)
- 普通自動車での運用状況やユーザーの反応を踏まえ、順次対象を拡大していく方針
現在でも、車検証閲覧アプリをインストールしても、軽自動車の車検証情報はICタグとして存在しないため読み取り不可です。
軽自動車ユーザーも、将来的な電子化に備えてスマートフォンの対応状況や操作感に慣れておくと安心です。
■ 紙の車検証はなくなるの?併用の現状と将来
2023年以降、紙の車検証は完全に廃止されたわけではありません。
現在は次のような「併用」状態になっています。
現在の仕組み(普通自動車)
- ICチップ付きの車検証カード(サイズは運転免許証程度)が発行される
- ただし、**登録事項証明書(紙)**が必要な場面では、運輸支局などで取得する必要がある
- アプリを使わない人のために、紙の補助資料の提供も継続中
将来の見通し
- 国土交通省は、最終的に紙の発行を段階的に縮小していく意向
- ただし、スマホを使いこなせない高齢者や法人利用も考慮し、しばらくは併用が続く見込み
- 特定の手続き(相続・輸出など)では、紙の書類提出が引き続き求められる場合もある
ポイント: 電子化=完全な紙の廃止ではなく、段階的移行が進められている途中です。しばらくは両者の使い分けが必要になります。
3. 実際に使ってわかったメリット・デメリット
■【メリット】リコール通知・車検期限の通知で便利に
車検証アプリを使う最大の利点のひとつが、「通知機能」です。
これまで見落としがちだったリコール情報や車検期限の案内がスマホに届くことで、うっかり忘れを防げるようになりました。
たとえば、車検の1か月前や数日前に通知が届くよう設定できたり、リコール対象になった際に自動でアラートが表示されるなど、ユーザーにとって非常に実用的なサポートが実現されています。
従来の紙の車検証では、自分から情報を取りにいかなければわからなかった項目も、アプリを通じて「知らせてくれる」仕組みが整ってきているのです。
■【メリット】手続きの簡素化・管理効率アップ
電子車検証により、各種手続きの際に必要な情報がすぐ確認できるようになったのも大きなメリットです。
従来のように紙の記載を見ながら手書きで申請書を書く必要がなく、整備業者や販売店でもICタグを読み取ってすぐに必要データを確認できます。
また、車検証アプリを使えば、整備履歴や登録情報などを一元管理できるため、特に複数台所有している方にとっては非常に効率的。
名義変更や廃車の手続き時にも「どの情報が必要なのか」が明確で、無駄なやり取りを減らすことができます。
「データの見える化」によって、車の状態や管理状況が視覚的に把握しやすくなったという評価も増えています。
■【デメリット】対応端末が限られる・操作に戸惑う声も
一方で、まだまだ課題も残されています。
もっともよく聞かれるのが「対応端末が限られている」ことと、「アプリの操作が直感的ではない」という声です。
現時点では、iPhone・Androidともに一定の機種・OSバージョン以上でなければ利用不可となっており、古いスマホを使っている人はダウンロードすらできません。
さらに、ICタグの読み取りにはNFC対応が必要で、Android端末でも一部読み取れない機種があります。
アプリ自体の操作性も、「最初に何をすればいいのかわからない」「登録に時間がかかった」といった声があり、スマホに不慣れな高齢者層にとってはハードルが高い印象を受けます。
■【デメリット】ICチップ破損・アプリ不具合時の不安
また、電子車検証の要であるICチップの物理的な破損や、アプリの不具合もユーザーの不安材料となっています。
たとえば、カードを財布に入れたまま折れ曲がったり、水濡れなどでICチップが壊れてしまうと、端末での読み取りができなくなります。
そうなると、再発行や代替手続きが必要になり、結果的に手間が増えてしまうという本末転倒なケースも。
また、アプリがうまく立ち上がらない、ログインできないなどの不具合報告も一部で見られます。
車検当日に「アプリが使えない!」となると、かなりのストレスになるため、紙の登録事項証明書を予備として持っておくユーザーも少なくありません。
4. 車検証アプリの活用方法【所有・整備・売却まで】
■ 所有車の基本情報をすぐに確認・出力できる
車検証アプリでは、登録している車両の基本情報(車台番号・登録番号・所有者情報など)をいつでも確認可能です。
車の買い替えや保険の見積もり、整備業者への連絡など、車の情報が必要な場面ですぐにスマホから取り出せるのは非常に便利です。
また、PDF形式でのデータ出力も可能なため、登録事項等証明書の代わりとして印刷して使える点も特徴です。(※出力は一部機能に制限あり)
確認できる主な車両情報 | 内容例 |
---|---|
登録番号等 | ナンバープレートの番号など |
車台番号 | 車の製造時に割り振られる番号 |
使用者・所有者情報 | 氏名・住所など |
車検の有効期限 | 次回の満了日が表示される |
■ 整備記録の確認・管理の手間が軽減
アプリでは整備履歴や点検記録を蓄積・閲覧できるため、過去にどんな整備をしたか一目でわかります。
紙の記録簿や納品書をファイルで管理していた時代と比べると、スマートに整理・保存が可能です。
特に、整備工場やディーラーで電子登録に対応している場合、アプリと連携して記録が反映されるため、自分での入力や記録忘れのリスクも少なくなります。
整備記録で確認できること | 利用シーン |
オイル交換日・走行距離 | メンテナンス時期の目安に |
点検の実施日 | 定期点検の確認・予約に便利 |
修理や部品交換の履歴 | 次回整備の参考・売却時の証明に |
■ 車検時の準備・有効期限の管理がスマートに
車検証アプリには、車検の有効期限が表示され、期日が近づくと通知が届く機能があります。
従来のように紙の車検証を見ながら期日を確認する必要はなく、スマホが「リマインダー」として役立ちます。
また、車検時に必要な情報をあらかじめ確認できるため、整備工場とのやりとりもスムーズになります。
登録情報の確認・出力も可能なので、「必要な情報がすぐに提示できる」という安心感もあります。
■ 売却や名義変更時に必要な情報がすぐ取り出せる
車を売却する際や、名義変更の手続き時に必要な「車両の登録情報」や「所有者情報」も、アプリからすぐに確認・提示できます。
これは、中古車買取店やディーラーとの手続き時に非常に役立つポイントです。
たとえば、以下のような情報を提示するシーンで、アプリを開くだけで完了します。
必要な情報 | 活用される場面 |
所有者・使用者情報 | 名義変更手続き |
登録番号・車台番号 | 車両の本人確認、査定時の照合 |
車検の有効期限 | 査定価格への影響、引き渡し日の調整 |
また、買取業者側も電子車検証への対応が進んでおり、アプリの提示でスムーズに査定・手続きが完了するケースも増えています。
5. トラブル時の対応方法と注意点
■ スマホの紛失・故障時はどうする?再インストールの流れ
スマホの紛失や故障が起きた場合でも、車検証アプリの利用を再開することは可能です。
アプリはスマホ本体ではなく車検証のICタグから情報を読み取って表示する仕組みのため、以下のような手順で復旧できます。
【再インストール後の流れ】
- 新しいスマホにアプリを再ダウンロード(App StoreまたはGoogle Play)
- 電子車検証のICタグを読み取って再登録
- PINコードを入力して情報を再取得(※PINコードが不明な場合は再設定が必要)
ポイント
アプリに情報が保存されているわけではないため、ICタグが手元にあればスマホが変わっても大丈夫です。
ただし、PINコードやパスワードを忘れないように注意しましょう。
■ アプリが開かない・読み取れないときの対処法
アプリが正常に起動しない、ICタグが読み取れないといったトラブルも報告されています。
主な原因と対処法を以下にまとめます。
トラブルの内容 | 考えられる原因 | 対処法 |
---|---|---|
アプリが起動しない | OSのバージョン非対応、バグ等 | アップデートを確認/端末を再起動 |
ICタグが読み取れない | NFC機能がオフ/読み取り位置のズレ | NFC設定を確認し、端末の指定位置で再度読み取り |
読み取り中にフリーズ・強制終了 | メモリ不足/アプリの不具合 | 他のアプリを終了/再インストールで解決することも |
PINコード入力画面が出ない | タグの反応不良/OSとの相性問題 | 一度アプリを終了し、再度タグ読み取りを試す |
チェックポイント
- NFCは端末ごとに読み取り位置が異なる(端末の取扱説明書を確認)
- 厚手のカバーや磁気干渉も読み取り不良の原因になることがある
■ バッテリー切れ・電波不良など「当日使えない」事態に備える
車検証アプリは便利な反面、スマートフォンに依存しているため「当日使えないリスク」もゼロではありません。
とくに車検・整備・売却などの当日に、以下のようなトラブルが起きた場合は困ります。
【よくある想定トラブル】
- バッテリー切れでアプリが起動しない
- 圏外でダウンロード・アップデートができない
- アプリ不具合で車検証情報が表示されない
【備えておくと安心な対策】
- 前日までにアプリが起動するか確認
- スマホを十分に充電/モバイルバッテリーを携帯
- 必要に応じてPDF出力やスクリーンショットを印刷して持参
印刷しておけば、アプリが使えなくても必要な情報を提示できるので安心です。
6. 車検証アプリの安全性と個人情報の保護
■ ICチップと暗号化技術によるセキュリティ対策
車検証アプリで読み取る「電子車検証」には、高いセキュリティ性能を備えたICタグが使われています。
このICタグは、個人情報や車両情報を暗号化して保存しており、不正なアクセスや情報改ざんを防ぐ構造です。
主なセキュリティ対策
項目 | 内容 |
---|---|
ICチップの暗号化 | 国際標準に準拠した暗号方式を採用。高度な解析でも情報の読み取りは困難 |
PINコードによる保護 | IC情報の一部(車検証記載事項)はPINコードの入力がないと閲覧不可 |
端末内にデータ非保存 | アプリにはデータが残らず、常にICタグを読み取って情報を取得 |
つまり、スマホを紛失しても情報漏洩のリスクは極めて低い設計です。
■ 情報漏洩や第三者閲覧のリスクは?
基本的に、他人が勝手に車検証の中身を見ることはできません。
その理由は以下の通りです。
- ICタグの情報は特殊なアプリ(車検証アプリ)でしか読めない
- 読み取りにはスマホのNFC機能+物理的接触が必要
- 閲覧にはPINコードが求められる情報もある
ただし、以下のケースには注意が必要です。
リスクの種類 | 内容 | 対処法 |
他人がICタグを読み取ってしまう | タグ付き車検証を放置したままスマホで近接読み取りされる | 車検証の保管場所に注意/カバン等で携帯管理 |
PINコードを知られてしまう | 家族や同乗者にPINを教えた場合 | 誰にも教えず、自分だけが管理する |
スマホ側のセキュリティが甘い | 指紋・顔認証なし、画面ロックなし | スマホの基本的なセキュリティ設定を見直す |
ICタグを読み取るには現物が必要なため、タグの取り扱いにさえ注意すれば過度な心配は不要です。
■ 紛失・乗っ取りを防ぐためにユーザーができること
どれだけシステム側の対策が万全でも、ユーザー側の対処が甘いとトラブルの原因になります。
以下のような基本的なセキュリティ習慣を心がけましょう。
ユーザーが気をつけたいポイント
- スマホに画面ロック(顔認証・指紋認証)を設定
- アプリのPINコードは他人と共有しない
- 車検証は車内に放置せず、必要に応じて自宅で保管
- アプリ利用後はログアウトしておく(必要な場合)
- 中古車売却時は電子車検証の情報を更新・初期化
特に、車を手放すときに電子情報が残ったままだとトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。
7. 法制度・義務化の現状と今後の動き
■ 車検証アプリは義務?誰がインストールすべき?
結論から言うと、車検証アプリのインストールは義務ではありません。
2023年1月から始まった「電子車検証」制度では、紙の車検証に代わってICチップ入りの車検証が交付されるようになりましたが、それを読み取るためのアプリの利用は任意です。
現時点の状況
項目 | 内容 |
---|---|
アプリの義務性 | 任意(使いたい人だけが使う) |
対象ユーザー | 車両所有者/使用者/整備事業者など |
利用のおすすめ | 車検や整備の情報を頻繁に管理・確認したい人向け |
たとえば、個人ユーザーでも「車検の有効期限をスマホで把握したい」「整備履歴をすぐ確認したい」という人には便利ですが、
「紙で十分」「スマホが苦手」という方は無理に使う必要はありません。
■ 現在も紙の車検証は使える?更新時の選択肢
はい、現時点でも紙の車検証は使用可能です。
ただし、新車購入や車検時に再交付される車検証は、自動的に電子車検証(ICチップ付きカード)に切り替わることになります。
電子化の流れ(普通車の場合)
年月 | 内容 |
2023年1月 | 普通車の車検証が電子化開始(新車登録・更新とも) |
現在 | 電子車検証が原則、紙では発行されない(例外あり) |
ユーザー対応 | ICカード型車検証+希望者はアプリを併用 |
既存の紙の車検証を持っている方は、その有効期限までは使い続けられます。
更新時に自動でICカードに変わるため、特に申し出る必要はありません。
■ 今後の完全電子化の可能性と国の見通し
国土交通省は今後、車両情報の一元管理と業務効率化を進めるため、完全な電子化に向けて制度を整備する方針です。
今後のスケジュールの見通し
対象 | 電子化のタイミング | 備考 |
普通車(登録車) | 2023年1月~すでに電子化済み | 継続中 |
軽自動車 | 2024年度中に電子化予定 | システム対応が必要 |
大型特殊車両など | 今後の検討対象 | 時期未定 |
将来的には、紙の車検証は段階的に廃止され、電子車検証+アプリの併用が基本となる見込みです。
ただし、すぐにすべての人にアプリ利用を強制する流れではなく、移行期間を設けながら段階的に進められます。
高齢者やスマホ未使用者への配慮もあり、「誰でも使える社会インフラとして育てていく」方向が示されています。
よくある質問(Q&A形式)
Q. 車検証アプリは無料で使えますか?
はい、車検証アプリは無料で提供されています。
国土交通省が監修する「車検証閲覧アプリ(車検証ビューアー)」は、App Store や Google Play から誰でも無料でダウンロードできます。
ただし、スマートフォンやタブレットの通信料は自己負担となるため、データ通信が必要な操作を行う場合にはご注意ください。
また、アプリ自体には課金要素や広告は一切ありませんので、安心して利用できます。
Q. 古い車や一部車種でも対応していますか?
アプリの利用可否は「車両の種類」ではなく、「電子車検証が発行されているかどうか」で決まります。
電子車検証が発行されている場合(2023年1月以降に登録・更新した普通車など)
→ アプリで読み取り・閲覧が可能です。
従来の紙の車検証のままの車両(更新前の古い車など)
→ アプリでは読み取りできません。
また、現時点(2025年時点)では、軽自動車はまだ電子車検証に完全対応していないため、アプリに情報を読み込ませることはできません。
軽自動車の電子化は2024年度中の予定とされています。
Q. アプリを使わずに済ませる方法はある?
あります。アプリの使用はあくまで任意です。
車検証アプリを使わなくても、車両の所有や運行、車検の受検にはまったく支障ありません。
次のような人は、アプリを使わなくても大丈夫です。
- 紙の車検証がまだ有効な人
- 電子車検証(ICカード)を持っているが、車検や整備は業者に任せている人
- スマホやアプリの利用に不安がある人
代わりに、ICタグ読み取り端末(整備工場や運輸支局などに設置)で確認可能です。
また、整備記録などは引き続き紙での管理も可能なので、アプリを使わない選択肢も十分に残されています。